セミリタイア生活

セミリタイアして法人化?セミリタイアして会社を設立するメリット!

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セミリタイア/配当金生活に突入したら法人化、つまり「会社」を作るなんて馬鹿なことを言っていると思いませんか?

実はセミリタイア/配当金生活を送る方が法人化することは、快適なセミリタイア生活を送る上で1つの選択肢になりえます。

本記事ではセミリタイア生活を送る上で法人化するメリットと活用方法についてご紹介していきます。

セミリタイアで法人化するメリットはたくさん!

セミリタイアして会社を作るなんて驚きではないでしょうか。でも、仕事をやめるわけですから、一体何をするための会社を作ればよいのでしょうか?

どんな会社を作るかと言うと、それは「資産運用会社」です。

具体的には法人で株式や債券などを管理するための会社を作ります。しかも社員はあなた1人だけで構いません。

なぜわざわざ法人(会社)を設立すると良いのかその理由をまとめます。

セミリタイア/配当金生活で法人化すべき理由

  • 経費が使える(節税)
  • 役員報酬を支払える
  • 社会保険料を支払える
  • 資産の分散化

経費が使える(節税)

法人を持てば様々な支出を損金(経費)にすることができます。その結果、支払う税金を低く抑えることができます

経費に使える支出の一例

  • 役員報酬
  • 出張手当
  • 役員社宅
  • 役員退職金

例えば、自分自身に支払う役員報酬を経費にできます。また、出張手当の規定を作れば、法人で保有する株式の株主総会に出席する際に日当・宿泊費を定額で支給できます。

加えて、法人名義でアパートやマンションを借りれば、家賃の一部を法人の経費にすることもできます。更に、会社の事業が資産管理ですから、投資の勉強のために購入する書籍代なんかも経費として扱うことが可能です。

以下に極端な例を出します。法人で保有する株式から100万円の配当(税引前)を受け取ったと仮定します。

売上:配当金100万円

経費:役員報酬:50万円、役員社宅:50万円

利益:0円

上記の例では年間100万円の配当金に対して、役員報酬や役員社宅の経費で100万円の支出があります。つまり法人の利益は0円です。利益が出ていないのですから、法人税を支払う必要はありません

個人の場合には配当金に対して通常20.315%の税金が発生します。利益が出ていないのであれば、この税金を支払う必要がなくなります。

もちろん、法人の維持のためには、利益なしでも法人住民税の均等割(約7万円)や税理士費用を払う必要があります。しかし、役員報酬や出張手当などの経費をうまく活用すれば、全体として税金を安く抑えることも可能なのです。

役員報酬を支払える

法人から役員報酬を支払うことができます。

法人から受け取る役員報酬は、受け取る側にとっては「給与所得」になります。会社員として給与をもらっているのと同じ扱いです。

給与所得には55万円の所得控除枠がありますので、それ以下の給与であれば所得税がかかりません。

月平均すれば大体4.5万円です。4.5万円/月を法人から給与として受け取り、残りは個人で保有する配当金や株の収益、あるいは簡単な労働で稼げば、税金をほとんど払う必要がなくなります。

また、事業所得に分類される仕事をするなら、青色申告特別控除を活用できます。青色申告特別控除は65万円の控除枠がありますから、4.5万円/月の法人からの給与とは別に、月5万円以上を所得税なしで稼ぐことができます。

給与所得と合わせれば月10万円へ到達しますので、相当なインパクトがあります。

社会保険料を支払える

会社から社員に給与を支払うと、社会保険料(厚生年金や健康保険)に加入する必要が生じます。

会社員の方であれば、自分の給与からかなりの金額が天引きされていることにお気づきだと思います。会社員の社会保険料というものはかなり重いのです。

しかし、セミリタイアや配当金生活を送る人が資産管理会社を設立するのであれば、厚生年金や健康保険への加入もある意味メリットになります。

厚生年金や健康保険は「標準報酬月額」をベースに決定されます。つまり、給与が安ければ安いほど支払う保険料は低くなります。最低の標準報酬月額は58,000円に設定されています。63,000円/月未満の給与であれば、この金額をベースに社会保険料が決定されます。

最低標準報酬月額における社会保険料

  • 健康保険:6,751.2円/月
  • 厚生年金:16,104円/月

注:令和3年3月分の保険料(東京都の場合)、健康保険は40歳以上64歳以下を想定。

自分が払う保険料は上記の半分の金額です。残り半分は会社が支払いますが、こちらも会社の経費にすることができます。

自営業者などが加入する国民年金保険料は16,610円/月(令和3年度)ですから、ほぼ同額で厚生年金へ加入できます。

健康保険の方は、国民健康保険料の減額を申請する方は法人よりも安くできる可能性があります。しかし、健康保険の方が傷病手当金があるなど制度が充実しています。

そして、なんと言っても健康保険や厚生年金には扶養の概念があります。増額なしで配偶者の方も保険に入れますので、家族全体で考えれば社会保険料をかなり抑えることが可能です。

資産の分散化

法人を設立することで資産を分散化できる点もメリットです。

日本の財政状況を考えれば、将来的に個人に対して資産課税(お金を保有しているだけで税金を払う)される可能性もあるかもしれません。しかし、法人で同じことをすれば多くの企業が国際的な競争力を失い倒産してしまうでしょう。

また、個人は累進課税で年収に応じてどんどん税率が高くなるのに対して、法人税は基本的に一律です。つまり、税金の考え方として「法人」と「個人」では大きく違うのです。

したがって、法人と個人の両方で資産を保有することで、将来的な税制の変更に対してもリスクを分散することができます。

また、法人を作ることで所得を家族へ分散することも可能です。法人化して家族を社員として雇用することで、家族に給与を支払うのです。

先程申し上げたとおり、給与所得控除額は55万円です。自分と配偶者にそれぞれ4.5万円/月を払えば、月10万円弱を所得税なしで払うことが可能です。

仮に資産に余裕があるのなら、ある程度の資金を法人へ移して、両親なども含めて複数人を社員として雇うことも可能でしょう。

法人へ移す資産はどの程度にすればよいのか?

上述の通り、配当金生活やセミリタイアで法人化することにはそれなりのメリットがあります。

特に役員報酬を最低限に抑えれば、社会保険に安く加入できます。したがって、法人では最低限の給与(月5万円程度)を支払えればよいので、法人に持たせる資産はそこまで多くする必要はありません

高校中退投資家Toshiの考えでは、合計で5,000万円以上の資産がある方なら法人化のメリットが出てくると考えます。

例えば、2,500万円を法人に持たせて、個人で2,500万円を運用するパターンです。

法人での運用方針

  • 予算:2,500万円
  • 投資対象:米国高配株ETF/インフラファンド/REITなど
  • 年間配当金:100万円(配当利回り4%)
  • 方針:毎年安定的に配当金を受け取れる商品へ投資

法人では安定的に配当金がもらえる商品を運用します。具体的にはREITや米国高配当株ETFなどがよいでしょう。この場合、税引前の利回り4%は十分に狙える水準です。

利回り4%なら年間100万円の配当です。これだけの利益があれば、役員報酬に加えて、役員社宅や役員退職金など様々な経費を活用することができます。

100万円の配当金に対して支払う税金は通常約20万円です。100万円をまるまる経費で使い切れば利益は出ませんから、この20万円を節税できます。

一方で、法人の維持費である法人住民税(均等割)は約7万円です。税理士の費用も発生しますが、決算のみの依頼であれば法人税との合計で20万円に抑えることも可能でしょう。

つまり、税引前100万円以上の配当金を法人で受け取れる状況を作れれば、法人の維持費を考慮してもメリットが出てきます。

個人での運用方針

  • 予算:2,500万円
  • 投資対象:米国高配当株ETF/日本の高配当株
  • 年間配当金:約94万円(配当利回り3.75%)
  • 方針:一般NISAや配当控除の活用

個人の方では、配当利回り3.75%程度の日本の高配当株を保有し、配当控除を活用することを基本とします。また、一般NISAを活用して米国高配当株ETFなどを保有してもよいでしょう。

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個人が活用できる配当控除やNISAなどの制度をうまく利用すれば、株式投資で支払う税金を最小限に抑えることができます。

上記制度を利用することで、2,500万円あれば配当利回り3.75%でも100万円弱の配当金を受け取れます。ですから、法人からの役員報酬との合計で月12万円近くが手に入ります。

マイクロ法人月4.5万円+個人7万円=11.5万円/月

これなら、利回り5%など高いリスクを取る必要がなくても、最低限の生活費を確保できます。しかも社会保険料も法人で半分支払い済みというおまけ付きです。まさに自分ベーシックインカムです。

仕事を辞めたことで老後資金が心配なら、役員退職金を法人で準備しておいてもよいでしょう。法人へ持たせる資金が増えれば増えるほど、法人の様々な制度を活用することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

法人を持つことによって様々な経費を使うことができます。また、特に家族がいる方なら社会保険料を大きく抑えることも可能です。

法人を有効に活用することができればかなりの武器になります。個人で資産を持つのと法人で資産を持つのでは、活用の仕方に大きな違いがあるからです。

また、法人を設立していれば、無職ではなく会社を経営しているとも言えますね。セミリタイア、配当金生活を送る人にとって法人の設立は大きな武器になるでしょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

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