投資・資産形成

ESG銘柄への投資は必要?米国ETF(SUSA)を徹底分析!

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最近「ESG投資」という言葉をよく聞きませんか?

ESGは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。これらの要素も考慮して投資をすることを「ESG投資」と言います。

最近では、ESG関連の銘柄もたくさん出てきましたが、これらの商品へ投資したほうがよいのでしょうか?

本記事では、ESG関連銘柄として実績のある「SUSA」という米国ETFの基本情報とパフォーマンスについてご紹介し、投資の必要性についてご紹介していきます。「SUSA」は予想以上によいパフォーマンスを記録していますが、現時点では投資は不要でしょう。

ESG投資って何?

「ESG投資」は業績や財務状況だけでなく、Environment(環境)、Social (社会)、Governenace(ガバナンス)にも考慮して投資銘柄を決めることです。

ESG投資の判断基準の一例

環境:二酸化炭素の排出は少ないか?環境に配慮されているか?

社会:地域活動へ貢献しているか?女性の活躍が推進されているか?

ガバナンス:情報開示は十分か?

ESG投資の1つの例として、ESGに配慮されていない企業、例えば、たばこやギャンブル関係、二酸化炭素をたくさん排出するような企業を投資対象から除外する手法があります(ネガティブ・スクリーニング)。

ESGによく配慮された企業であれば、安定的、そして長期的な成長が期待できると考えられているのです。

しかし、我々個人投資家にとって肝心なのは投資のパフォーマンスです。

日本にも多くのESG銘柄が誕生していますが、やはり投資の中心は米国です。以下では、運用実績がある米国のESG銘柄について確認していきます。

iシェアーズMSCI米国ESGセレクトETF(SUSA)

ESG関連銘柄で実績があるのが「iシェアーズMSCI米国ESGセレクト(SUSA)」です。この銘柄は、日本の大手ネット証券である楽天証券やSBI証券で購入可能です。

他にも下記のような米国ETFがあります。しかし、楽天証券やSBI証券では購入することができません。今回は「SUSA」に絞ってパフォーマンスを確認していきます。

ESG投資銘柄(米国ETF)の一例

  • iShares ESG Aware MSCI USA ETF(ESGU)
  • iShares ESG Aware MSCI EM ETF(ESGE)
  • iShares ESG Aware MSCI EAFE ETF(ESGD)
  • iShares MSCI KLD 400 Social ETF(DSI)

SUSAの基本情報

「SUSA」は、環境、社会、ガバナンスに関する特性を有する米国企業で構成される商品です。基本情報を下記に示します。

  • 設定日:2005年1月24日
  • 純資産総額:USD 3,006,309,036(約3,320億円)
  • 投資銘柄数:約220銘柄
  • 配当利回り:1.14%
  • 信託報酬:0.25%

注:純資産総額は2021年4月5日時点。配当利回りは直近1年間の分配金を基に算出。

2005年の設定でかなり長期間の運用実績のあるETFです。一方で、15年以上運用しているにもかかわらず、純資産総額は3,000億円ちょっとしかありません。つまり、お金をあまり集めることができていない銘柄です。

SUSAの投資銘柄は?

次にSUSAの投資銘柄について示します。上位10銘柄で約23%を占めます。

No. 銘柄 割合
1 MICROSOFT CORP 4.86%
2 APPLE INC 4.52%
3 ALPHABET INC CLASS A 2.56%
4 HOME DEPOT INC 1.88%
5 FACEBOOK CLASS A INC 1.83%
6 BLACKROCK INC 1.57%
7 TESLA INC 1.51%
8 NVIDIA CORP 1.49%
9 ACCENTURE PLC CLASS A 1.49%
10 ALPHABET INC CLASS C 1.41%

    注: 2021年4月2日時点の情報を基に作成。

マイクロソフトやアップルなどお馴染みの銘柄が上位に入っています。

アメリカの優良企業で構成されるS&P500へ投資する「VOO」の上位銘柄とほぼ同じです。大きな違いは「AMAZON」が投資対象に入っていないことでしょう。

次にセクター別の割合です。VOOと大きな違いはありません。

No. セクター 割合
1 情報技術 30.33%
2 ヘルスケア 12.13%
3 金融 10.5%
4 通信 9.76%
5 資本財・サービス 9.52%
6 一般消費財・サービス 9.08%
7 生活必需品 7.12%
8 不動産 3.36%
9 公共事業 2.89%
10 素材 2.68%

       注:2021年4月1日時点の情報を基に作成。

SUSAの今までのパフォーマンスは?

それでは、肝心のSUSAのパフォーマンスについて確認していきます。

設定来からのパフォーマンスは「9.48%/年」、この10年のリターンも「13.32%/年」と素晴らしい成績です。

下図はSUSAとVOOの過去10年間の株価推移です。世界で最もお金を集めている銘柄の1つであるVOOとほぼ同じパフォーマンスです。

2021年3月末時点では、僅差ではありますが、VOOのパフォーマンスを超えています

出典:Yahoo finance

SUSAへの投資はありか、なしか?

結論を述べると、現時点ではSUSAへ積極的に投資する必要はないと考えます。

下表にSUSAとVOOの基本情報の比較を示します。VOOはSUSAと比較して、純資産総額が200倍以上、投資銘柄も2倍程度あります。

比較項目 SUSA VOO
設定年 2005年1月24日 2010年9月7日
純資産総額 約30億ドル 約6,583億ドル
投資銘柄数 223 509
信託報酬 0.25 0.03

注:SUSAは2021年4月5日時点、VOOは2021年2月末時点の情報。

上述の通り、ほぼパフォーマンスは変わりませんので、信託報酬が安く、銘柄数が多くより分散されているVOOへ投資しておくことでよいでしょう。

実際にSUSAに含まれる投資銘柄の多くはVOOにも含まれます。SUSAは、VOOの中からESGに配慮した企業を抽出したようなETFと考えればよさそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ESG投資銘柄として運用実績のあるSUSAについてご紹介しました。パフォーマンスはS&P500を投資対象にするVOOとほぼ同じです。よほどの思い入れがない限り、信託報酬が安く純資産総額も大きいVOOを購入しておけばよいでしょう。

しかし、ESG投資の流れは今後も加速していくことは明らかです。VOOのパフォーマンスを大きく超えてくるようなら投資する価値も出てきます。ESG銘柄も注視していく必要がありそうです。

以上、ご参考になれば幸いです。

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