「米国ETFには様々な商品がありますが、どんな商品が人気なのでしょうか?」
本記事ではネット証券大手のSBI証券と楽天証券の2020年11月末時点の「米国ETF人気ランキング」をご紹介します。また、ランキング上位の商品について個別に解説していきますので、米国ETFを購入する際の参考にしていただければ幸いです。
なお、2020年10月末時点の「米国ETF人気ランキング」は下記記事でご紹介しております。興味のある方は是非ご覧ください。
米国ETF週間売買ランキング
SBI証券と楽天証券の11月最終週の週間売買ランキングを下表に示します。
順位 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
1 | iシェアーズ コア 米国総合債券市場 ETF(AGG) | バンガード S&P 500 ETF(VOO) |
2 | iシェアーズ iBoxx USD Hイールド社債 ETF(HYG) | バンガード トータルストックマーケットETF(VTI) |
3 | iシェアーズ JPM USDエマージング債券 ETF(EMB) | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) |
4 | バンガード トータルストックマーケットETF(VTI) | Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL) |
5 | iシェアーズ iBoxx USD投資適格社債 ETF(LQD) | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF (SPYD) |
6 | iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF(SHY) | Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF(TECL) |
7 | SPDR BBバークレイズ ハイイールド債券 ETF(JNK) | Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF (SOXL) |
8 | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) | エネルギー・セレクト・セクター SPDR ファンド(XLE) |
9 | バンガード S&P 500 ETF(VOO) | バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) |
10 | Direxion デイリーS&P500ベア3倍 ETF(SPXS) | iシェアーズ MSCI メキシコ ETF(EWW) |
出典:SBI証券HP及び楽天証券HPより作成。SBI証券は11/23~27、楽天証券は11/22~11/28の週間売買代金ランキングを基に作成。
SBI証券のランキングは、前月に引き続き債券を投資対象にするETFが多いのが特徴です。株式ETFはお馴染みの商品(VTI、VOO等)が並んでいます。
一方で、楽天証券はランキングすべてが株式を投資対象にするETFです。米国を投資対象とするVOOとVTIが1位、2位にランクインしています。また、楽天証券では高配当株ETF(SPYDやVYM)が毎回ランキング上位に入っているのもSBI証券との違いでしょう。
なお、赤字で示した銘柄は両方のランキングに入っている銘柄です。ランキング上位の常連であるQQQ、VOO、VTIが両社のランキングに入っています。
ランキングの所感
今月のランキングも、前月に引き続きSBI証券は債券ETFが多く、楽天証券は株式ETFが多い傾向にありました。
SBI証券、楽天証券共にランキング上位の商品はよく目にするものばかりです。特に、米国の債券を投資対象にするAGG、S&P500を投資対象にするVOO、米国株式全体へ投資するVTIなどは初心者にもお勧めの商品です。
一方で、楽天証券の10位には珍しい銘柄が入っています。メキシコを投資対象にするETFである「EWW」です。アメリカの大統領選挙でトランプが負けたことが影響しているのでしょうか。
ご自身の考えがあって投資するのであれば構いませんが、EWWは新興国株式への投資でリスクが高いため注意が必要でしょう。
ランキング上位商品の紹介
ここでは、ランキング上位に入っている銘柄の一部をご紹介していきたいと思います。
今月は下記3つのETFについてご紹介したいと思います。すべてブラックロックという世界の三大資産運用会社の商品です。
- iシェアーズ JPM USDエマージング債券 ETF(EMB)
- iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF(SHY)
- iシェアーズ MSCI メキシコ ETF(EWW)
iシェアーズ JPM USDエマージング債券ETF(EMB)
EMBは新興国の米ドル建て債券を投資対象としており、南米、アジア、アフリカなど世界各国の債券を投資対象にしています。銘柄数は500以上と幅広く投資ができる商品です。
新興国を対象にしていることもあり、2020年11月末時点で3.99%の分配金利回りとかなり高い水準です。個々の銘柄を確認すると10%の利回りの商品へも投資しています。債券ETFではありますが、それなりにリスクが高いことを知っておく必要があります。
なお、トータルリターンは2007年の設定来から5.79%とそれなりの実績があります。
コロナショックでは、約117ドル/株であった株価は約86ドル/株まで27%程度下落しました。株式ETFとほとんど変わらないレベルですから、暴落時には大きな影響を受けることを理解しておく必要があります。
2020年11月末現在の株価はコロナショック前の水準に戻っています。
iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF(SHY)
本銘柄はその名の通り米国国債へ投資するETFです。残存期間1年超3年以下の米国国債を投資対象にしています。
短期の米国債への投資であるため、2020年11月末時点の配当利回りは1.18%と低い水準です。また、2002年の設定来からのトータルリターンも、2.11%と低い数値です。
コロナショックにより本銘柄へ資金が流入したため、3月以降は高い株価をキープしています。
iシェアーズ MSCI メキシコ ETF(EWW)
EWWはメキシコの株式全体へ投資するETFです。ただし、保有銘柄数は50以下と少なめな印象です。
1996年の設定来からのトータルリターンは7%程度ではあるものの、ここ最近の成績は全くダメです。5年で-6.3%、10年で-2.84%と株価はを下げています。
コロナショックでも、48ドル/株程度であった株価が、25ドル/株程度まで約48%も下落しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では2020年11月の米国ETF人気ランキングをご紹介しました。今回もSBI証券と楽天証券でランキング上位の商品が異なり面白い結果でした。
今回ご紹介した中では、EWWというメキシコが投資対象の商品がランクインしています。米国の大統領選挙の結果を受けてだと思いますが、きちんと商品のリスクを理解している人はどの程度いるでしょうか。
SNS等で話題になっているとつい購入したくなってしまいますが、購入前に自分の目で商品の特徴などを確かめることをお勧めします。
来月以降も引き続き米国ETFランキングについて確認していきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。