こんにちは、高校中退投資家Toshiです!
「投資のソムリエ」という人気の投資信託はご存知でしょうか?
名前がかっこよい投資信託ですが、人気も抜群で投資家からたくさんのお金を集めています。本記事ではこの「投資のソムリエ」に投資する価値があるのかどうか深堀りしていきます。
「投資のソムリエ」は手数料が高い投資信託です。個人的には米国や全世界の株式へ投資する投資信託を購入した方がよいと考えます。
「投資のソムリエ」に投資する価値はあるのか?
結論から言うと、「投資のソムリエ」に投資する必要はないと考えます。
その理由としては、手数料が高いこと、リターンが低いことが挙げられます。
以下でその理由について説明していきます。
「投資のソムリエ」の概要
まずは「投資のソムリエ」の商品の概要について説明していきます。基本情報は以下の通りです。
投資のソムリエの基本情報
- 投資方針:世界中の債券、株式、リートに投資するバランス型ファンド(基準価額の変動リスクを年率4%程度に抑える方針)
- 信託報酬:1.54%/年(税込み)
- 純資産総額:約6,300億円
- 設定日:2012年10月26日
注:2021年10月末時点の情報
純資産総額は6,000億円以上あります。実はこの金額は日本の投資信託のトップ10に入るくらいの純資産総額になります。つまり、投資家からそれだけのお金を集めていることを意味します。
また、2012年に設定された商品であり、10年近い運用実績があります。この点も安心材料ではないでしょうか。
「投資のソムリエ」の投資方針
投資のソムリエを購入すれば、全世界の債券、株式、リート(不動産投資信託)をバランスよく保有することができます。各資産の割合を以下に示します。
出典:アセットマネジメントOneのHPより
変動リスクを年率4%程度に抑える方針のため、現金と先進国の債券をそれぞれ3割近く保有しており、かなり保守的な運用です。
以下は2020年2月〜4月の基準価額の推移ですが、コロナショックでの暴落はたった5%程度に抑えられています。
出典:アセットマネジメントOneのHPより
株式のみに投資していた場合は、コロナショックで30%以上暴落しました。暴落時も安心して運用を任せられることがメリットでしょう。
リターンはどの程度あるのか?
投資家にとって重要なのはリターンです。運用方針にいくら良いことが記載されていても、リターンが得られないのであれば投資しても意味がありません。
以下に「投資のソムリエ」の1年、3年、5年のリターンを示します。
「投資のソムリエ」の過去のリターン
- 1年リターン:2.41%
- 3年リターン:13.85%
- 5年リターン:14.96%
注:リターンは税引前の分配金を再投資した場合
リターンが高いようにも見えますが、上記は年率のリターンではありません。基準価額が3年間の間に約14%、5年間の間に約15%上昇したことを意味します。
「投資のソムリエ」をなぜおすすめしないのか?
上記のように「投資のソムリエ」は暴落にも強く、リターンもそれなりに出ているように見えます。
しかし、それでもこの商品を購入する必要はないと考えます。なぜ私がおすすめしないのかは他の商品と比較することでご理解いただけると思います。
① 手数料が高すぎる!
一番の理由は手数料の高さです。「投資のソムリエ」の信託報酬は1.54%/年です。これは資産運用を任せる代わりに投資家が運用会社へ支払う手数料のようなものです。
一方で、最近は信託報酬の値下げ合戦が盛んに行われており、人気の米国S&P500に連動する投資信託でも、信託報酬が0.1%/年レベルの商品が次々に登場しています。
100万円を投資した場合の手数料を比較してみましょう。
投資のソムリエ:15,400円/年
信託報酬0.1%の商品:1,000円/年
投資のソムリエに投資した場合、実に15倍以上の手数料を払うことになります。
「投資のソムリエ」に投資することに、これだけの手数料を払う価値があるのか疑問なのです。
② リターンは高くない
「投資のソムリエ」の投資リターンは3年と5年で10%を超えており高いように見えるかもしれません。
しかし、実は年率に換算すると3~4%/年程度のリターンしかありません。いくら暴落時のリスクを抑えられると言っても、これでは米国や全世界の株式へ投資する商品とは天と地ほどの差です。
例えば、米国の株式全体へ投資する投資信託(楽天・全米株式インデックス・ファンド)とのリターンを比較してみましょう。
比較項目 | 投資のソムリエ | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | |
---|---|---|---|
リターン | 1年 | 2.41% | 53.8% |
3年 | 13.85% | 80.3% | |
信託報酬 | 1.54%/年 | 0.162%/年 |
直近3年間のリターンは1/5以下でしかないにも関わらず、手数料は10倍近く払う必要があります。
年率3〜4%の配当を安定的に出す債券や高配当株へ投資する商品はあります。あるいは、暴落が怖ければ、現金の比率を多くすればよいだけのことです。
わざわざ高い手数料を払ってこのような低いリターンの商品へ投資する必要はありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「投資のソムリエ」は暴落のリスクに強い商品で投資家からも非常に人気があります。一方で、手数料の高さやリターンの低さを考えると積極的に勧められる商品ではありません。
特に長期の投資期間を確保できる若い人が購入する必要はないでしょう。たとえ暴落があったとしても、実際に取り崩すのはまだまだ先だからです。もっと高いリターンを狙える株式100%の商品へ投資すべきです。
また、高齢者の方であれば、高配当株や債券などをベースに配当や利子で手堅く数%のリターンを狙うことでよいでしょう。
人気商品というだけで投資するのではなく、しっかりと商品の中身を理解した上で投資するか検討が必要です
以上、ご参考になれば幸いです。