セミリタイアしたら資産運用の方針を大きく変える必要があるのでしょうか?
セミリタイアを目指して資産形成をするのなら、基本的には成長性の高い株式への投資が主体になります。一方で、セミリタイアした後は会社からの給料がなくなるため、リスクが高い投資は控えた方がよいと考えるかもしれません。
そこで本記事ではセミリタイア後の資産運用の方針について検討していきます。セミリタイアしたからと言って大きな変更は不要だと考えます。
セミリタイアしたら投資方針は変更すべき?
結論として、リタイア後の資産運用はリタイア前と大きく変える必要はありません。
資産形成の過程では株式投資信託や株式ETFなど成長性の高い株式を主体に運用している方がほとんどでしょう。また、給料の大半を投資に回すような運用をされている方もいるかもしれません。
一方で、リタイアすると会社からの給料がなくなりますから、リスクを抑えた運用をすべきと言われます。ネットやメディアでもほとんどの方が株式から債券などへ投資対象を変更してリスクを下げるように推奨しています。
しかし、本当に投資方針を変更した方がよいのでしょうか。
高校中退投資家はそうは思いません。リタイア後にすべきことは現金を少し多めにするくらいで、特に投資方針を大きく変更する必要はないと考えています。
以下ではその理由について解説していきます。
リタイアできる人は自分の投資スタイルを持っている
30代や40代でセミリタイアできる人は自分なりの投資スタイルを確立されている方です。なぜなら、投資でうまく資産を増やせたからこそセミリタイアを達成したからです。
そういった方は投資が生活の一部になっており、生活費と収入のバランスをしっかり把握しているでしょう。ですから、リタイア後に投資で大きな失敗をする確率は極めて低いと考えられます。そのようなよい状態をわざわざ崩す必要なんてないはずです。
もちろん、セミリタイアしたら会社などからの収入がなくなってしまいます。そこでやることは資産形成時と比べて現金を少し多めにしておくことです。例えば、リタイアしたら生活費の3年程度を現金で保有するなどです。
たったこれだけで十分なのです。
不況でもそれほど減配しない
リタイア後に恐れることは不況で投資の収益が下がることです。
その結果、資金が不足してセミリタイア生活が破綻するのではないかと心配になります。
しかし、株式からの収益の1つである配当金や分配金は大暴落があってもそこまで大きく減配しません。
もちろん、リーマンショッククラスの暴落では多少配当金が減配する年もありました。しかし、数年経てば元の水準まで回復します。
減配された分は多めに保有している現金から補充して、数年乗り切ればよいだけの話です。
投資信託の取り崩しの場合
配当金を出さない投資信託を保有されている場合も考え方は一緒です。
投資信託の取り崩し方法で有名なのが「4%ルール」を活用した方法です。
これは「リタイア時の投資資産の4%分を毎年取り崩していくもの」ですが、当然ながら資産がなくなってしまうのではないかという恐怖がつきまといます。
この場合も、株価が下がる不況時は取り崩す割合を3%などに下げて資産の目減りを抑えればよいだけです。そして、厚めに保有している現金の一部を生活費に回すことで数年乗り切りましょう。
リタイア後の投資方針を難しく考える必要はない
「リタイア後は何か違うことをしなければいけない」と考えがちですが、投資を難しく考える必要は全くありません。
現金比率で考えなくてもよい
よく現金比率を年齢%を目安にすればよいという意見があります。
仮に50歳で5,000万円保有している人がリタイアしたとしましょう。上記のルールに当てはめれば、2,500万円もの大金を現金で保有することになります。
現金比率50%→2,500万円
月20万円で生活しているとしたら年間の生活費は240万円です。2,500万円あれば10年以上は投資からの収益なしで生活できる計算です。
これでは保守的過ぎるのではないでしょうか。それよりも現金の一部は運用にまわして投資の収益を狙った方が長生きリスクに備えられます。
したがって、先にご紹介した通り、生活費の数年分という基準で考えたほうがベターです。
お金を全て使い切って死ぬ必要はない
よくせっかくお金を貯めたのだから全て使って死ななきゃもったいないという意見を聞きます。
しかしそれは難しい話です。なぜなら自分が死ぬ時期は誰にもわからないからです。
ある程度の資産があることは精神的な安定をもたらします。ですから、「資産が一定額ある状態」をキープして死んでいくことは決して無駄ではありません。
下手に投資方針を変えずに同じペースで淡々と生きる方が心穏やかに生活できます。
まとめ
本記事ではセミリタイア後の投資方針についてご紹介しました。
基本的には現金を少し多めにするくらいで後は投資スタイルを変更する必要はないでしょう。
セミリタイアを達成するような方は資金管理がしっかりできている方ですし、数年の生活費さえ確保していれば生活が破綻するリスクはほぼないでしょう。少し多めに現金を保有するだけで十分なのです。
以上、ご参考になれば幸いです。