2023年6月に楽天証券から「かぶツミ」という新しいサービスが登場しました。
このサービスの登場によって、今まで多くの証券会社で手動で行うしかなかった国内株式の積立投資が容易になりました。
本記事では「かぶツミ」の概要や特徴、設定手順、そして実際に使った感想について解説していきます。
楽天証券から「かぶツミ」が登場
「かぶツミ」の概要
「かぶツミ」は国内株式の積立ができるサービスです。
毎月や毎週などの頻度で株数または金額を指定することにより国内株式の積立を設定できます。例えば、「毎月5日に三菱商事の株を100株購入する」などの設定が可能です。
「かぶツミ」の概要は以下の通りです。
対象銘柄 | 楽天証券の現物取扱銘柄全て(かぶミニ対象銘柄の場合は1株単位可) |
積立指定日 | 毎月指定:1日~28日、毎週指定:月曜日~金曜日 |
積立方法 | 金額指定または株数指定 |
最低取引額 | 3,000円(楽天証券が計算する予想約定金額が3,000円を超える金額・株数) |
手数料 | 単元株式は選択している手数料コースが適用。単元未満株はスプレッドが発生。 |
対象口座 | 特定口座・一般口座・NISA口座 |
その他 | 楽天ポイント投資が可能 |
楽天証券では「かぶミニ」という単元未満株を購入できるサービスも提供しています。
この「かぶミニ」で取り扱う銘柄については1株単位で積立設定ができる点が魅力です。一方で、こういった単元未満株の購入にはスプレット(手数料のようなもの)が発生するので注意が必要です。
なお、単元株の場合は国内株式の手数料体系が適用されます。「いちにち定額コース」であれば100万円/日以下の取引は手数料0円です。
したがって、単元株を買う分には基本的に手数料なしで国内株式の積立が可能です。
「かぶツミ」の特徴
次に今回誕生した「かぶツミ」のサービスの特徴と魅力をご紹介していきます。
国内株式の積立サービス自体が少ない
そもそも国内株式の積立サービスを提供している証券会社はほとんどありません。
米国株の積立サービスはSBI証券やマネックス証券といった主要ネット証券で利用することができます。しかし、国内株式の積立サービスは楽天証券を除けばauカブコム証券くらいです。
しかも、auカブコム証券では株数指定ができないなどの制限があります。つまり、楽天証券が最も充実した国内株式の積立サービスを提供していることになります。
単元未満株を積立できる
上述の通り、楽天証券では「かぶミニ」というサービスを展開しています。
通常国内株式では100株単位(単元株)での購入が必要ですが、「かぶミニ」を利用すれば1株単位で購入が可能です。これにより数百円や数千円などから日本株へ投資ができるようになりました。
例えば、三菱商事の株を単元株購入しようとすれば約70万円(2023年6月時点)もの資金が必要です。しかし、1株の購入であれば7,000円程度になりますので、投資資金が少ない方でもコツコツ積立ができます。
楽天ポイントを使用できる
もう1つの魅力が、定期積立の設定で楽天ポイントが使用可能な点です。
楽天ポイントは数あるポイントの中で最も普及しているポイントの1つでしょう。特に楽天市場などを活用して楽天ポイントをたくさん貯めている方がいます。
そういった方にとっては貯めた楽天ポイントを資産形成に活用できますから大きなメリットがあります。
「かぶツミ」の設定手順と注意点
画面を使った手順の説明
ここではかぶツミの設定手順についてご紹介します。
実はこのサービスは現時点でスマホサイトからでしか設定できません。したがって、まずはスマホサイトから楽天証券へログインする必要があります。
① スマホサイトにログインして「国内株式を探す」をクリックします。
② 積立設定したい銘柄を検索します。
③ 株価の横の記号をクリックします。
④ 「積立」をクリックして積立設定に進みます。
⑤ ご希望の積立頻度(毎月/毎週)や買付方法を指定して「次へ」をクリックします。
⑥ 株数や口座区分、ポイント利用などを選択して「次へ」をクリックします。
⑦ 積立条件に間違いがないか確認し、取引暗証番号を入力して「設定する」をクリックします。
注意点やデメリット
「かぶツミ」の設定手順をご紹介しましたが、いくつか注意しなければいけない点があります。
スマホサイトからしか設定できない
上述の通り2023年7月時点でスマホサイトを経由しなければ積立設定ができません。
PCサイトを主に使用されている方は、一旦スマホサイトにログインし直す必要があります。スマホサイトにログインする際は再度パスワードが求められるのでかなり手間です。
将来的にはPCサイトでも利用できるようになると思いますが、それまではスマホサイトを利用する必要があります。
毎月積み立ては1日分しか設定できない
もう1つ注意が必要なのが複数日の設定ができない点です。
例えば、月2回(10日と20日)同じ銘柄の株を1株ずつ購入する設定をしたいとします。
この場合、「10日に1株を購入する積立設定」と「20日に1株を購入する積立設定」の2つの設定が必要です。つまり、10日と20日の両方を一度に指定して設定することができないのです。
また、毎日積立の設定もできません。
毎日積立する形にするためには、毎週積立を活用して月曜日、火曜日、水曜日、木曜日、金曜日に積立する5つの設定をする必要が出てきます。
毎日積立を希望する方は少ないかもしれませんが、月2~3回を設定したいという方は多くいるでしょう。
複数の積立設定が必要になるため若干手間がかかる点がマイナスです。
実際に「かぶツミ」を使った感想
「かぶツミ」を実際に使ってみた感想としては、国内ETFの積み立てに使えそうだと感じています。
「かぶツミ」は単元未満株の積み立てができるため、少額から国内株式をコツコツ購入するのに向いています。
一方で、一般的に個別株は定期積立で購入するものではなく、株価下落時などを見計らってスポット購入するのが一般的です。
したがって、「かぶツミ」はどちらかというと国内ETFのような指数に連動する銘柄の積み立てに活用するのがよいと考えています。
例えば、iシェアーズS&P500米国株ETF(証券コード:1559)やMAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信(証券コード:2559)のようなS&P500指数や全世界株式に連動する指数へ投資する銘柄です。
「かぶツミ」を活用すれば、こういった国内ETFを投資信託と同じように積立投資することができます。
まとめ
本記事では楽天証券の新しいサービスとして誕生した「かぶツミ」についてご紹介しました。
「かぶツミ」は国内株式の積立ができるもので、しかも単元未満株の積立も可能です。また一つ優良なサービスが誕生したと言えるでしょう。
「かつツミ」は個人的には国内ETFを購入されている方にぜひ活用を検討してほしいサービスです。
最近は国内ETFも充実しており、S&P500指数や全世界株式を対象とする銘柄も多数出てきています。そういった銘柄の定期積立に活用してみてはいかがでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。