投資における「現金比率」にお悩みではないでしょうか?
投資をするときに、どの程度を「現金」として保有しておくべきかは意見が分かれるところです。
当然独身か家族持ちかでも必要な現金は変わりますが、本記事では高校中退投資家Toshiの実例も交えて、この問いに対する考えをご紹介します。
「会社員」で「インデックス投資家」であるのなら、1年弱の生活費さえ現金で保有していれば、あとは基本的に投資にまわしてしまってよいというのが私の考えです。
資産の「現金比率」をどのように決めればよいのか?
一般的には、「年齢%」の現金を保有しておくべきだと言われます。30歳であれば30%、40歳であれば40%といった具合です。
この条件に当てはめるなら、例えば1,000万円の資産があるのなら、
30歳→300万円
40歳→400万円
50歳→500万円
ということになります。
「この決め方が万人に当てはまるとは思っていない」というのが私の意見です。
仮に1億円保有する50代の方は、5,000万円も現金を保有しなければいけないのでしょうか?逆に100万円しか持っていない50代の方は、50万円だけ現金を保有すればよいのでしょうか?
当然ながら、年齢だけでなく資産規模や家族構成なども影響してくるはずです。
毎月投資に回すべき金額は?
毎月投資する金額は、下記の計算式が成り立つように設定すべきです。
給与ー生活費>投資金額
給料が30万円で生活費が20万円なら、月に投資に回せる金額は10万円弱です。
このサイクルでずっと回っている限り、基本的に別に用意した「現金」に手をつけることはありません。
日本の保険制度は充実している
では、どんな時に「現金」を使う必要があるのでしょうか。
考えられるのは、「怪我をして一時的に働けなくなった」とか、「会社をクビになってしまった」場合などです。
しかし、会社員が加入する健康保険や雇用保険は下記のように非常に充実しています。
① 病気や怪我の場合
高額療養費制度:1ヶ月に同一の診療を受け、自己負担額が一定基準を超えた場合にその超過額を支給
傷病手当金:連続して3日以上休業し、給料が支給されない場合に、標準報酬日額の3分の2を休業4日目から給付
② 会社をクビになった場合
求職者給付(失業保険):失業者に対する給付
①のケースでは、仮に入院して高額な医療費を支払うことになっても、治療費の大部分は返金されます。一般的な収入の方であれば、個人負担分は最大でも月10万円程度でしょう。
また、病気や怪我で働けなくなっても、給与の2/3相当を最長で1年6ヶ月の間受け取ることができます。
更に、②のケースでは、会社をクビになっても一定額の給付を3ヶ月以上受けることが可能です(期間は勤務期間などで変わります)。
このように、会社員の保険は非常に充実しているため、万が一のためにとっている「現金」はほとんど使わないのです。
現金比率を決める前の環境作りが重要!
現金比率を考える前に「投資を始めるための環境作り」が重要です。
まずは、家計の見直しを行い、生活費の1年分程度を貯金しましょう。高校中退投資家の場合は、それが150万円程度でした。
この1年分の生活費さえ確保することができれば、後は何も悩む必要はありません。「給与ー生活費>投資額」の式が成り立つように投資額を決定するだけです。
現金「比率」で決めるのではなく、「〇〇年間の生活費」などで保有する現金を決めた方がよいでしょう。
なお、1年分の生活費を貯められない方はまだ投資を始める段階にいないというのが私の意見です。
高校中退投資家の事例
上述の通り、私は現金比率という概念はなく、日本円で保有する現金を1年分の生活費(100万円~150万円程度)と決めています。
仮に金融資産に占める現金の比率で考えるならば、たった5%前後と極めて低い比率です。
なお、投資を始めて5年ほどになりますが、この100万円~150万円の現金には全く手をつけていません。コロナショックの期間も含めてです。
なぜなら、「給与−生活費>投資額」の図式に基づいて、積み立て金額を毎月決定しているからです。
セミリタイアした場合でも配当金である程度のキャッシュフローが期待できますから、現金比率をそこまで上げるつもりはありません。
せいぜい200万円~300万円程度でしょう。私ならそれで2年弱生活することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高校中退投資家Toshiは独身の会社員ですから、現金はほとんどいらないという考えです。
しかし、たとえ属性が違っても、「給与ー生活費>投資額」という循環できちんと家計を回す習慣がついている人であれば、多くの現金を保有する必要はないでしょう。
現金比率で考えるのではなく「1年分の生活費」などを現金で保有することが重要です。その後、給与から生活費を差し引いた金額を無理のない範囲で投資へ回せばよいのです。
私は今後も年齢%の比率にこだわらずに、投資にどんどんお金を回していくつもりです。
以上、ご参考になれば幸いです。