個別株への投資に興味があるものの、財務指標が理解できず二の足を踏んでいませんか?
個別株投資をするなら企業の財務分析は必須です。しかし、EPS、ROA、ROEなど横文字ばかりが並んでおり、理解できずにいる方も多いでしょう。
そこで本記事ではROE(自己資本利益率)の基礎について解説していきます。こういった財務分析指標を1つ1つ覚えていけば、きっと個別株投資へ役立つはずです。
ROE(自己資本利益率)とは?
自己資本利益率は英語でReturn on Equityのことを言います。略してROEと呼ばれることが多いので「ROE」で覚えてしまったほうがよいでしょう。
ROE=Return on Equity=自己資本利益率
ROEの式は以下の通りです。
ROE=当期純利益/純資産(単位は%)
注意:厳密には少数株主持分と新株予約権を純資産から差し引いた自己資本が分母にきます。
株主から調達した資金や内部留保している資金(純資産)に対して、どの程度の利益を出しているのかを示す指標です。
ROEが高いとはどういうこと?
ROEが高いということは以下の通り解釈することができます。
ROEが高い=株主から調達した資金を有効に利用している
調達した資金が少ないにも関わらず、高い当期純利益があればROEも高くなります。つまり、効率的に利益を稼いでいると考えることができるのです。
日本の企業の場合、ROEの目安としてだいたい8%くらいを考えておくとよいでしょう。一般的にはROEが10%を超えている企業は優良企業と評価されます。
ROEを分解することでより詳細に評価ができる!
ROEは「当期純利益/純資産」ですが、3つの指標に分解することが可能です。
ROE=当期純利益/純資産=当期純利益率×総資本回転率×財務レバレッジ
つまり、ROEは当期純利益率、総資本回転率、財務レバレッジをかけ合わせたものだと考えることができます。
各指標の意味を以下にまとめます。
当期純利益率(当期純利益÷売上高):収益力を測る指標
総資本回転率(売上高÷総資産):効率性を測る指標
財務レバレッジ(資産/純資産):負債の活用度合いを示す指標
仮にA社とB社のROEが10%で同じだとしても、当期純利益率が高いのか、それとも総資本回転率が高い結果としてROEが10%なのかで事業の状態は大きく異なります。
利益率が高い事業を展開しているのか、それとも利益率は低いものの効率性で稼いでいるかなどより詳細に理解することができるのです。
したがって、ROE単体の数値だけで判断するのではなく、各指標まで落とし込むことでもう少し深く企業分析をすることができます。
まとめ
本記事では財務指標の1つであるROE(自己資本利益率)についてご紹介しました。
ROEの意味と目安の数値を知っていれば、企業がどういう状態にあるのか把握することが可能です。ただし、その企業の特徴を深く理解していくためには、ROEを3つの指標にまで分解して確認していく必要があります。
以上、ご参考になれば幸いです。
ROA(総資産利益率)は以下の記事でご紹介しています。