「HSBC香港のような世界的な銀行では、どのような投資商品が人気なのでしょうか?」
高校中退投資家Toshiは世界有数の銀行である「HSBC香港」に銀行口座を開設しています。HSBC香港には日本からはアクセスできない投資商品もあるのです。
本記事では、HSBC香港で毎月公表されている人気ファンドについて考察します。人気ファンドを考察することで、「世界的な投資の潮流」を掴んでいきます。
なお、下記記事で2020年10月のHSBC香港ファンドランキングをご紹介しました。本記事は2020年11月版の人気ファンドの解説です。
HSBC香港おすすめファンドランキング 2020年11月版
HSBC香港のホームページで紹介されている11月の人気ファンドを下表にまとめます。
2020年7月〜10月までは人気ファンドに変動がありませんが、11月に入って3つのファンドが新たにランクインしてきました。新規にランクインしたファンドは、赤字で記載しています。
2020年11月の人気ファンド
HSBC カテゴリー | ファンド名 |
---|---|
Specialised Sector Equity | JPM US Technology A |
Domestic Equity – China | JPMorgan China Pioneer A-Share Fund |
Asian Fixed Income | Fidelity Funds Asian Bond Fund |
Asian Fixed Income | HSBC Asian Bond Fund |
Asian Fixed Income | HSBC CIT-HSBC Asia High Income Bond Fund |
Asian Fixed Income | Blackrock Global Funds-Asian Tiger Bond Fund |
Asian Fixed Income | BlackRock Asian Tiger Bond Fund |
Asian Fixed Income | JPMorgan Asian Total Return Bond |
US Fixed Income | AB – American Income Portfolio |
Multi-Asset – Asia | SBC COLLECTIVE INVESTMENT TRUST-HSBC CHINA MULTI-ASSET INCOME |
Multi-Asset – Asia | HSBC GIF – MANAGED SOLUTION-ASIA FOCUSED INCOME |
出典:HSBC香港HPより作成
人気ファンドの多くは、投資対象が債券のファンドです。株式が投資対象のものは2つで、中国とアメリカを投資対象にするものが1つずつランクインしています。また、その他2つはマルチ・アセットで、債券や株式に加えて不動産やコモディティなどを組み合わせたファンドです。
人気ファンドの概要
11月に新たにランクインした3つのファンドについて、商品の概要をご紹介していきます。
JPM US Technology A
世界的に有名なJPモルガンが運用するファンドで、アメリカのテクノロジー系の会社を投資対象にしています。1997年に設定されたファンドで歴史のあるファンドです。
投資対象はほぼ株式です。投資対象銘柄のトップ3は、テスラ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、シノプシスです。テスラは電気自動車が有名ですね。また、アドバンスト・マイクロ・デバイセズは半導体の会社で、シノプシスは電子系設計ソフトウェアの会社です。
購入手数料は3%、ファンドマネージャーへ支払う手数料であるManagement feeは1.5%です。また、最低投資金額は1,000ドルです。
リターン
1997年の設立から現在までに、約350%基準価額が上昇しました。特に近年の伸びは凄まじく、過去3年で39.87%/年、過去5年で33.36%/年と高いリターンを記録しています。
コロナショックの影響
コロナの影響を受けて、2月から3月の間に約32%程度の下落を経験しました。この下落率はその他の株式ファンドと同水準です。
一方で、2020年12月現在の基準価額はコロナ前との比較で50%以上も高い水準にあります。
HSBC Collective Investment Trust-HSBC China Multi-Asset Income
こちらはHSBCが運用する商品で、2014年に設定された比較的新しい商品です。中国を投資対象にしています。
このファンドは株式と債券に大体半分ずつ投資する商品です。配当利回りは2%程度とそこまで高くありません。投資対象の上位にはアリババやテンセントなどの有名企業がランクインしています。
購入手数料として3%、ファンドマネージャーへ支払う手数料であるManagement feeは1.35%です。また、最低投資金額はHKD 10,000です。
リターン
2014年の設立からコロナショック前までに、約70%基準価額が上昇しました。年率にすると約10%ですからそれなりのリターンを記録しています。
コロナショックの影響
コロナの影響で、3月に10%程度基準価額が下落しています。債券が投資対象に含まれていることもあり、コロナでの下落は限定的でした。2020年12月現在の基準価額は、コロナ前の水準より高いレベルにあります。
HSBC GIF – Managed Solution-Asia Focused Income
こちらもHSBCが運用するファンドで、2012年に設定された商品です。こちらは先程のファンドと違い、中国だけでなく韓国や台湾なども投資対象に含まれています。
投資割合は債券に約55%、株式に約40%と債券の割合が高くなっています。そのため、配当利回りも3%程度あります。
購入手数料は2%、ファンドマネージャーへ支払う手数料であるManagement feeは1.25%です。また、最低投資金額は1,000ドルです。
リターン
2012年の設立から現在までのリターンは約58%です。今回ご紹介したファンドの中では少し物足りないかもしれません。過去3年のリターンで5%程度、過去5年で7%程度です。
コロナショックの影響
コロナショックの影響で、3月に約15%基準価額が下落しました。株式ファンドは20%以上下落していますので、本ファンドは比較的抑えられた方です。2020年12月現在の基準価額は、コロナ前の水準より高いレベルにあります。
所感
いかがでしたでしょうか。
2020年11月の人気ファンドには3つの新しいファンドがランクインしました。アメリカのテクノロジー系の会社へ投資するファンドと、中国またはアジア地域の債券、株式へ投資するバランスファンドでした。
株式ファンドの方が大きなリターンを期待できるものの、コロナショックでの下落は大きい傾向になります。各ファンドには一長一短ありますので、ご自身のリスク許容度にあった商品を選定しましょう。
引き続きHSBC香港の人気ファンドを分析していきたいと思いますので、ファンド選定の際の参考にしていただければ幸いです。
以上ご参考になれば幸いです。