最近流行りのFIRE(早期リタイア)を目指してみたいと思いませんか?
でも、実際にどの程度の金額を毎月投資する必要があるのでしょうか?
多額の投資資金を持っているのであれば問題ありません。しかし、多くの方は毎月の給料の中から一部を投資や貯蓄へ回して、FIREを目指していくことになります。
本記事では、本気でFIREを目指すなら、最低必要だと考えられる毎月の投資額について考察していきます。
40代でのFIREを目指すのであれば、月10万円以上の投資は必須になるでしょう。
FIRE(早期リタイア)を目指すのに必要な毎月の投資額は?
40歳までのFIREを目指すのであれば、ずばり月15万円程度を投資に回し続ける必要があります。
もちろん45歳や50歳などリタイア年齢を後ろにずらせるのであれば、もっと少ない投資資金でFIREの達成が可能です。
なぜ月15万円の投資が必要なのか、以下で詳しく説明していきます。
FIREの達成に必要な投資額は?
FIREを目指すのであれば、一般的に最低4,000万円の資金が必要であると考られます。
理由は下記記事でもご紹介しました。4,000万円を投資に回せば、月10万円以上の不労所得を手にすることができるからです。
過去のデータから、株式投資のリターンは4~5%/年を十分狙えます。したがって、下記の通り、毎月13万円程度の不労所得が得られます。
4,000万円×4%=160万円 (約13万円/月)
独身であれば、家賃の安い地域へ移住することでほぼ働かずに生活ができます。家族持ちであれば、セミリタイアして月10万円程度を稼ぎながら生活できるレベルです。
つまり、FIREを目指すには、できるだけ早く4,000万円の資産を築く必要があります。
毎月の投資額をシミュレーション!
では、4,000万円の資産を構築するには、どの程度の期間と投資額が必要なのでしょうか?
今回は下記条件で必要投資額をシミュレーションします。もちろん、シミュレーション結果は条件によって大きく変わりますので、あくまで目安としてお考えください。
- 25歳から投資を開始
- 投資リターンは5%/年
- 毎月同じ金額を投資し続ける
この条件でシミュレーションした結果を下表に示します。40歳までのセミリタイア達成を望むのであれば、15年間、15万円/月を投資し続ける必要があります。
セミリタイア達成年齢 | 毎月の投資額 | 合計投資額 | リタイア時資産額 |
---|---|---|---|
40歳 | 15万円/月 | 2,700万円 | 4,009万円 |
45歳 | 10万円/月 | 2,400万円 | 4,110万円 |
50歳 | 7万円/月 | 2,100万円 | 4,169万円 |
55歳 | 5万円/月 | 1,800万円 | 4,161万円 |
給料のうち毎月15万円を投資へ回し続けられる人はそうそういないでしょう。つまり、40歳までのFIREはかなりハードルが高いのです。
一方で、50歳までのFIREを目指すのであれば、投資額は月7万円で済みます。ちょっと早めに退職したい程度の考えであればハードルはグッと下がります。退職金を貰える方であれば更に少ない投資資金で達成できるでしょう。
逆に言えば、老後資金を準備するだけであれば意外とハードルは低いのです。
例えば、夫婦で月2.5万円ずつ、月5万円を投資に回して30年運用できれば、4,000万円以上の資金を作れます。年金と合わせれば十分すぎる老後資金でしょう。
最低ラインは月10万円を投資に回すこと!
上述のとおり、40歳までのリタイアで月15万円、45歳までのリタイアで月10万円を投資へ回す必要があります。
このことから、本気でFIREを目指すのであれば、月10万円を投資に回すことは最低ラインです。
当然ながら、給料の低い20代は月10万円の投資はかなりハードルが高いでしょう。仮に20代で月10万円以上の投資ができないと、30代では更に投資額を増やす必要が出てきます。
ここは価値観にもよりますが、55歳や60歳でFIREするのでは少し遅いのではないかと思います。すぐに年金がもらえる年齢ですから、そもそも4,000万円もの資産はいらないはずです。
そうではなくて、「FIREを達成して自分が好きな仕事を思う存分やりたい!」とか、「世界中を旅しながら生きたい!」と考えるのなら、若くて元気なうちに早期リタイアを達成すべきです。
したがって、最低でも月10万円を投資に回すことがFIRE達成への切符です。
高校中退投資家Toshiの事例を紹介
月10万円を投資に回すのは相当厳しいので、「徹底して節約する」、「高収入の会社へ転職する」、あるいは「副業を頑張る」という話になります。
ここで、高校中退投資家Toshiの事例をご紹介します。私は就職してから平均して月10万円を投資あるいは貯蓄に回し続けています。高校中退投資家の場合は、職業柄かなりラッキーだった部分があります。
毎月10万円以上を投資へ回せた主な理由は下記2つです。
- 会社の社宅が安かった
- 出張手当がもらえた
会社の社宅が安かった
会社の社宅に住んでいたため、家賃をかなり抑えることができました。
現在は年齢の関係で社宅には住めませんが、給料の低い20代に社宅で家賃を抑えることができたのは大きなメリットでした。
通常、家賃は1ヶ月の支出の中で最も高い割合を占めます。高校中退投資家の場合は、1ヶ月の支出のうち約50%が家賃です。ここをいかに節約できるかがポイントです。
当然社宅がない会社の方が多いはずです。そんな方でも、実家に住むとか、シェアハウスを活用するなどの方法があるでしょう。
また、今はリモートワークが普及し始めています。そういった仕事をされている方は、少し郊外に住めば家賃を相当抑えられます。特に首都圏在住の方は家賃を大きく落とせるでしょう。
出張手当がもらえた
職業柄出張が多い仕事をしているので、出張手当をもらうことができました。
出張手当は基本的に非課税ですから、残業するよりも効率的に手取りを増やすことができます。
先輩や同僚は地方出張で飲みに行ったり遊んだりしていましたが、私は人付き合いが苦手なのでホテルにこもりっぱなしでした。結果として、投資の種銭をかなり貯めることができました。
もちろん、そのために出張が多い会社に入社するのはナンセンスです。しかし、年収ばかりを気にするのはおかしな話です。重要なのは手取りとしてどの程度を受け取ることができるかなのです。
多くの方は、この部分を副業で増やしていくことになるでしょう。
4,000万円を構築すれば可能性が広がる!
4,000万円の資産を達成すると、どのような生活ができるのでしょうか?
私は投資資金4,000万円程度と、簡単な労働や好きな仕事で数万円稼ぎながら生活していくのが最もコスパがよいと考えています。
なぜなら、給与所得には55万円の所得控除がありますし、事業所得でも青色申告特別控除額が65万円あるからです。
さらに給与所得などを合算した課税標準に対する基礎控除が48万円あります。つまり約100万円程度までの収入であれば基本的に所得税はかからないのです。
55万円(給与所得控除)+48万円(基礎控除)=103万円
アルバイト等で約9万円/月稼いだとしても課税される所得は0円になります。住民税は計算方法が少し異なりますが、それでもほぼ支払う必要はなくなります。
投資による不労所得で約13万円/月、簡単な労働で約10万円/月を稼げば、手取り23万円/月になります。国民年金等を支払ったとしても、月20万円くらいを自由に使うことができます。
節約生活が苦にならない方であれば、労働で稼ぐ金額を落としても生活できるでしょう。
上記のように、「4,000万円の資産を作る」ことで、柔軟に人生設計を立てることができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本気でFIREを目指すには相当な覚悟が入ります。最低でも月10万円、この金額を投資に回し続ける環境を作れるかがポイントです。
それでもどうしてもFIREを目指したいとお考えの方は、ぜひ一緒に頑張っていきましょう!
途中で挫折してもお金が減るわけではありません。FIREの達成を目指すことで、お金のことを考えるよいきっかけになると考えています。
以上、ご参考になれば幸いです。