こんにちは、高校中退投資家Toshiです!
夢の配当金生活をスタートさせてから、株価の大暴落に遭遇したらどうすればよいのでしょうか。
不労所得である配当金で生活する「配当金生活」に憧れる人はたくさんいます。
しかし、配当金生活に突入した後に不景気になり暴落に巻き込まれてしまう可能性は大いにあります。
本記事では配当金生活における暴落との付き合い方について解説していきます。
株価の暴落時には配当金への影響は避けられませんが、極端に配当金が減るわけではありません。ほとんど変わらずに生活し続けることができるでしょう。
配当金生活で暴落が来たらどうすべきなのか?
配当金生活では「配当金」に生活資金を頼っていますから、減配になったら大変です。
特に不景気や株価の大暴落に遭遇したとき、配当金はどうなってしまうのでしょうか。
以下では、株価暴落時の配当金の下落を確認するとともに対策について検討していきます。
暴落時に配当金はどの程度減るのか?
それでは過去の暴落時にどの程度配当金が減配になったのかを確認していきましょう。
世界経済の中心である米国を投資対象にする人気商品を例に上げて、暴落時の配当金の減配や株価の暴落について考察していきます。
結論から言えば、多少は影響を受けるものの、配当金のダメージはかなり限定的であると言えます。
バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
VTIは米国の株式市場全体を投資対象にする上場投資信託(ETF)です。世界的に人気のETFで、純資産総額はトップスリーに入るほどの人気ファンドです。
① リーマン・ショックの場合
リーマン・ショックは、アメリカの投資銀行が経営破綻したことにより発生した世界的な金融危機です。
経営破綻は2008年9月に起こりましたが、その後もじわじわと株価が下がり続け、2009年3月に底値をつけました。
出典:Yahoo finance
リーマン・ショック時の株価(2008年9月時点)は62ドル/株程度でしたが、その後2009年3月に33.7ドル/株まで下落しました。結果として約46%も株価が暴落したことになります。
2008年9月の株価:62.63ドル/株
2009年3月の株価:33.70ドル/株→約46%の下落
一方でリーマン・ショック前後の年間配当金の推移は下記の通りです。
年間配当金の推移
- 2008年:1.255ドル/株
- 2009年:1.107ドル/株→約12%の減配
- 2010年:1.148ドル/株
- 2011年:1.233ドル/株
2009年の配当金は2008年との比較で約12%の減配でした。しかし、翌年の2010年には増配へと転じ、2011年には2008年と同水準まで回復しました。
② コロナショックの場合
次にコロナショックにおけるVTIの株価推移を確認してみましょう。
出典:Yahoo finance
2020年2月の株価と2020年3月の最低株価を比較すると約35%の暴落でした。
2020年2月:172.170ドル/株
2020年3月:111.910ドル/株→約35%の下落
また、コロナショック前後での年間配当金の推移を示します。2020年の年間配当金は2019年との比較で約5%の減配でした。2021年はまだ配当金が出揃っていませんが、2020年を上回るペースとなっています。
年間配当金の推移
- 2019年:2.9047ドル/株
- 2020年:2.7694ドル/株→約5%の減配
米国高配当株ETF(VYM)
次に配当金生活を目指す方に大人気の米国高配当株ETFです。
配当金生活を目指す人の多くは米国高配当株ETFのVYM、SPYD、HDVのどれかを保有しているでしょう。今回はもっとも運用実績のあるVYMを例に上げて確認していきます。
① リーマン・ショック
VYMのリーマン・ショック時の株価推移を下図に示します。
出典:Yahoo finance
VYMは2008年9月のリーマン・ショック発生時点から、2009年3月の底値までに約46%もの暴落を経験しました。下げ幅はVTIとほぼ一緒です。
2008年9月:42.67ドル/株
2009年3月:22.93ドル/株→約46%の暴落
次にリーマン・ショック発生前後における年間配当金の推移です。
2009年は2008年の配当金と比較して約19%の減配、2010年も2009年と比較して約7%の減配と2年連続で減配となりました。その後、2011年には2008年の配当金と同水準まで回復しています。
年間配当金の推移
- 2008年:1.443ドル/株
- 2009年:1.168ドル/株→約19%の減配
- 2010年:1.091ドル/株→約7%の減配
- 2011年:1.327ドル/株
結果として、2010年の配当金は2008年との比較で24%近く減配したことになります。
② コロナショック
次にコロナショック時におけるVYMの株価推移を下図に示します。
出典:Yahoo finance
2020年1月の最高株価と比較すると、3月の底値は約36%低い株価です。この下げ幅はVTIとほぼ同じです。
2020年1月:94.78ドル/株
2020年3月:60.97ドル/株→約36%の暴落
次にコロナショック前後のVYMの年間配当金の推移です。2020年の配当金は2019年と比較して増配をキープしました。2021年も9月時点までは前年を上回るペースで配当金が出ています。
年間配当金の推移
- 2019年:2.8418ドル/株
- 2020年:2.9061ドル/株
暴落時の株価推移や配当金推移から分かること!
これまでに見てきた暴落時の株価や配当金の推移から言えることは以下の通りです。
- 株価の暴落は避けられない
- 配当金はそう簡単に減配しない(数年の辛抱)
株価の暴落は避けられない
米国の代表的な株式ETFであるVTIやVYMは、コロナショックとリーマン・ショックで約35%~50%の大暴落を経験しました。
下げ幅は市場全体へ投資するVTIであろうが、高配当の銘柄へ投資するVYMであろうがほぼ同じでした。
つまり、株式へ投資している以上、暴落は避けられません。
一方で、リーマン・ショックでもコロナショックでもじっと待っていれば株価は元の水準まで回復しています。
したがって、一番やってはいけないのは慌てて売ってしまうことです。株価が下がったタイミングで売ってしまうことで、大きく損をする可能性があります。
配当金はそう簡単に減配しない(数年の辛抱)
VTIやVYMの過去の実績を見る限り、配当金はそう簡単に減配しません。
コロナショックでは米国高配当株ETFであるVYMは増配をキープしました。
もちろん100年に1度と言われたリーマン・ショックでは、10%~20%の減配を記録しています。株価と比較すれば下げ幅は小さいものの、ギリギリの配当金生活をしている場合は生活がかなり厳しくなります。
したがって、この時期は簡単なバイトを組み合わせるなどして減配分を補う必要があります。例えば、月20万円の配当金で生活している場合の10%〜20%は2万円~4万円/月程度です。これくらいの金額であればそれほど大変な話ではありません。
なお、数年待てば配当金は暴落前の水準に戻っています。100年に一度クラスの金融危機でこの程度のダメージなのです。よほどのことがおきない限り大幅な減配はないと考えてよいでしょう。
配当金生活に購入すべき銘柄
上記でご紹介した商品は全て上場投資信託(ETF)であり、個別株の話をしているわけではありません。例えば、VTIであれば約4,000銘柄で構成されている商品です。
リーマン・ショックやコロナショックで大幅な減配を記録した企業はたくさんあります。減配ならまだしも倒産した企業もたくさんあるのです。したがって、暴落のことを考えればやはり個別株への投資リスクは高いと言わざるを得ません。
そう考えると、おすすめなのは今回取り上げたようなETFになるでしょう。
特に米国には連続増配している企業がたくさんあり、日本と比較しても株主への還元に積極的です。今回紹介したVYMのような銘柄はそういった高配当でなおかつ増配している銘柄をバランスよく含んでいます。
米国高配当株ETFのような銘柄を保有しているのなら、暴落でも安心して配当金生活を送ることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では配当金生活で暴落に遭遇したらどうすべきか確認してきました。
株価の暴落は避けられませんが、配当金はよほどのことが無い限り大きな減配はありません。VTIやVYMのような優良銘柄であれば保有し続けることでまず問題ないでしょう。
もし仮にリーマン・ショックのような100年に一度クラス暴落が来てしまったら、数年生活水準を落とすか簡単なバイトで補填する必要があるでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。