不労所得で生活する配当金生活は誰しもが憧れるものではないでしょうか?
配当金生活は仕事で収入を得るわけではなく、株式の配当をベースに生活するスタイルです。そんな配当金生活ですが、よく危険だと言われます。
なぜなら、失敗する可能性があるからです。収入源が配当しかないわけですから、資産運用がうまくいかない場合は生活に困ってしまいます。
本記事では配当金生活がどんなときに危険なのかご紹介していきます。配当金生活を目指している方はぜひご覧いただければ幸いです。
夢の配当金生活はどうして危険なのか?
配当金生活では仕事をする必要はありませんから、毎日を自由に自分の思うままに過ごすことができます。
しかし、当然ながらそんな配当金生活は危険をはらんでいます。配当金に頼り切った生活をしているわけですから、想定外の事態に陥った際には生活が破綻してしまう可能性があります。
以下では、どんな事態において配当金生活が危険になるのか説明していきます。
① 暴落時/不況時
まず第一に考えられるのが、リーマン・ショックやコロナショックなどの暴落や不況になった時です。
確かにたとえ株価が大暴落しても、配当金の減配は株価ほどのダメージを受けません。しかし、一時的(数年)に配当金の減配が予想されます。
特に個別株を中心に投資されている方は危険です。不況時には減配どころか無配(配当なし)になる可能性すらあるからです。
大きな減配になると生活資金が不足する恐れがあります。そうなると他に収入源がないため、保有する株や債券を売却するしかありません。
しかし、株を売却してしまえば次年度の配当金は少なくなります。このようにして負の循環が生まれるのです。
暴落⇒配当金の減配⇒生活資金の不足⇒株の売却⇒配当金の減少
② 増税になった時
次に考えられるのが増税などによる影響です。
最近誕生した岸田内閣では金融所得に対して増税する意向を示しています。
配当や株の売買にかかる税金は約20%ですが、これを25%や30%へと増税するつもりのようです。
当然ながら税引き後の配当が減ってしまうわけですから、配当で生活費を賄うことができず、生活が破綻してしまう可能性があります。
もちろん、他に所得がないのであれば、総合課税で申告することで税率を下げることもできます。
また、日本株へ投資されている方なら配当控除を活用できますので、確定申告すれば手取りはそこまで下がらないかもしれません。
しかし、税制度はいつ変更されるか分かりません。日本の財政は厳しい状況にありますので、大幅な増税により厳しい状況に追い込まれる可能性があります。
③ 家族の間でトラブルが生じた時
家族の問題も大きなリスクになる可能性があります。
例えば、離婚した場合は財産分与しなければいけない可能性があります。資産の大部分を婚姻生活中に築き上げたのなら、ある程度の財産分与は必要でしょう。
そうなれば金融資産を取り崩すしかありません。その結果、十分な配当金を確保できなくなってしまいます。
離婚だけでなく、親の介護のための費用や身内の借金など家族の間では様々な問題が発生します。家族と良好な関係を築いておくことも重要なのです。
④ 高利回りな商品ばかりに投資している時
とにかく配当金を増やすことに集中してしまい、高利回りな商品ばかりを買い集めているケースです。
確かに5%~6%と言った高利回りな商品は魅力です。つい手を出したくなる気持ちは十分に分かります。
しかし、こういう商品は高い配当金を支払わなければ株価を維持できないから高い配当金を出しているのです。
長期的に見るとどんどん株価が下がっていく、あるいは業績が苦しくなり減配を繰り返す可能性が多いにあります。
配当金生活を始めた頃はよかったものの、どんどん資産が減少していき、途中で配当金生活が破綻してしまう可能性があります。
どんな対策が有効なのか?
上記でご説明したようなリスクを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?
やはり手堅い戦略を取るしかありません。大きなところで以下2つをご紹介します。
① ある程度の余裕は確保しておく
配当金生活に突入する際にギリギリの資金で突入しないことです。
例えば、月の生活費が15万円なら17万円~18万円の配当金を確保できれば多少減配があってもなんとか耐えられます。
また、不況や暴落を想定して、少し現金を厚めに保有しておくことも有効です。
米国や全世界へ投資する優良な商品を保有されているのなら、数年で減配した配当金が回復する可能性が高いです。
数年生き延びられる生活資金を現金で保有しておくことがおすすめです。
② いざとなったら働く
生活資金が足りなくなったら働くことです。確かに多くの方は働きたくないから配当金生活を目指しているのでしょう。
しかし、月数万円でもよいから労働収入があると、配当金生活成功の確率を上げることができます。たとえ、配当が減配になったとしても、労働収入で補完することが可能です。
何もフルタイムで働く必要はありません。月数万円でよければ、アルバイトを数日すればよいだけです。最近ではウェブ上で完結する仕事やウーバーイーツのように手軽にできる仕事もあります。
会社員時代の収入を確保するのは困難であるものの、お小遣い稼ぎ程度であればいくらでも手段はあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では配当金生活がどんなときに危険なのかご紹介しました。
余裕のない状況で配当金生活に突入すると、いざ何かあった時に生活が厳しくなります。しかし、少しだけ余裕を持って配当金生活に突入できればリスクをかなり軽減できます。
また、簡単な労働で稼ぐことは配当金生活の失敗を防ぐことに繋がるでしょう。大きく稼げなくてもよいので、自分ができる範囲でやるのがおすすめです。
確かに配当金生活には危険があるものの、やはり毎日を自由に使えるのは魅力です。今回ご紹介したようなことを念頭に入れて配当金生活を目指していきましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。