海外セミリタイアしたら、個人型確定拠出年金(iDeCo)はどうなってしまうのでしょうか?
高校中退投資家Toshiは、確定拠出年金を活用して老後資金の準備を進めています。
一方で、将来的には海外でセミリタイア生活をしたいという希望もあります。つまり、一時的に日本を離れて海外で生活するつもりです。その場合、iDeCoで運用してきた資金はどうなってしまうのか疑問が生じます。
本記事では海外へ移住して日本の「非居住者」になった場合のiDeCoの取り扱いについてご紹介します。2022年5月からは、海外に住んでいても継続利用が可能です。
iDeCoは海外に行くとどうなってしまうのか?
個人型確定拠出年金(iDeCo)は、加入者自らが運用するタイプの年金です。その運用成果に基づいて、将来の年金額が決まります。「自分年金」のようなものだと考えればよいでしょう。
下記記事でご紹介した通り、iDeCoは特に税金面で大きなメリットがあるお得な制度です。
iDeCoにはデメリットもある!
しかしながら、iDeCoには下記のようなデメリットがあります。
iDeCoのデメリット
- 手数料(口座管理料)がかかる
- 原則60歳まで引き落とせない
- 途中でやめられない
つまり、一度始めると途中でやめられない、しかも60歳まで引き落とせないというのです。
それでは、海外セミリタイアして海外へ住むことになったら、せっかく運用してきたお金は無駄になってしまうのでしょうか?
iDeCoの海外在住時の取り扱い!
実は2022年5月から海外居住者に有利な環境が整います。将来的に海外セミリタイアを考えている人にとっては朗報です。
非居住者におけるiDeCoの取り扱い
今まで:iDeCoの口座は維持できるものの、掛け金の追加拠出ができない
2022年5月以降:任意加入被保険者として国民年金に加入していれば、iDeCoの継続拠出が可能!
今までは、日本から出国して「非居住者」になると、口座は維持できるものの掛け金の拠出はできませんでした。これはかなりの痛手です。
なぜなら、iDeCoの口座維持には手数料がかかるからです。海外に住んでいる間は、口座維持のために手数料だけが取られ続ける状態が何年も続くことになります。
一方で、2022年5月以降は、日本在住時と同様にiDeCoの継続拠出が可能になります。ただし、任意加入保険者であるという条件付きです。
任意保険加入者は、「任意に国民年金に加入し保険料を納めること」を言います。例えば、留学などで海外に一時的に住んでいる人が保険料を支払い続けるケースです。未納期間があると将来もらえる年金が減ってしまうのでこのような制度があります。
日本在住でも国民年金が未納だとiDeCoには加入できません。つまり、海外在住だろうが条件はほぼ一緒になりました。
老後を海外で迎えたらどうなるのか?
日本に戻ってくるつもりだったけど、海外生活が楽しくて老後も海外で過ごしたいと思う方もいるかもしれません。
その場合も、海外にいながら国民年金やiDeCoの受け取りが可能です。
もちろん、受け取るための手続きは必須ですから注意が必要です。国民年金の請求手続きについては日本年金機構のHPに記載されていますので参考にしてください。
いずれにしても、「今まで支払ってきた掛け金が無駄になってしまう」と心配する必要はなさそうです。
所感
正直なところ、海外に住むとiDeCoは不利になってしまうのではないかと不安でした。しかし、海外生活中も問題なく継続できそうなので一安心です。
私のように一時的な海外出国(将来的に日本に戻る可能性が高い人)する方、例えば留学する人や海外転勤がある人なども、安心してiDeCoに加入できるでしょう。
セミリタイアすると厚生年金から外れて国民年金のみになります。そうなると、将来もらえる年金はかなり少なくなります。iDeCoのようなお得な制度を活用して、老後の準備を進めていきましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。