「QQQという米国ETFを耳にしたことはありませんか?」
QQQはSBI証券や楽天証券の米国ETFの売買ランキングで常に上位に入る商品です。また、数ある米国ETFの中でも総資産額で5本の指に入るほどの人気商品です。
QQQの魅力はなんと言ってもその高いリターンです。今後もこのリターンが継続するとは考えにくいですが、米国株へ投資をするならぜひチェックしておきたい商品です。
本記事では、QQQ(インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF)の特徴や魅力についてご紹介していきます。
驚異のパフォーマンス!QQQの魅力を徹底解説!
QQQは1999年に運用を開始したETFで、「ナスダック100指数」へ連動するように設計されています。
この「ナスダック100指数」は、その名の通りナスダックに上場する100銘柄で構成された指数です。
米国には「S&P500」や「ニューヨークダウ」など様々な指数がありますが、ナスダック100指数の大きな特徴は金融銘柄を含まないことです。
また、米国以外で設立された会社でも、ナスダックへ上場している場合は指数に含まれます。ただし、該当する銘柄は数銘柄だけですから、ほぼ米国企業への投資と考えてよいでしょう。
QQQに含まれる銘柄
それでは、QQQに含まれる銘柄について確認していきましょう。
QQQに含まれる銘柄トップ10の割合を下表に示します。比較のために、米国の優良企業500社で構成されるS&P500指数へ投資するVOOも併せて示します。
QQQ | VOO | |||
---|---|---|---|---|
銘柄 | 割合 | 銘柄 | 割合 | |
1 | Apple | 10.95% | Apple | 5.8% |
2 | Microsoft | 9.5% | Microsoft | 5.3% |
3 | Amazon | 8.32% | Amazon | 4.2% |
4 | Tesla | 4.24% | Alphabet | 3.9% |
5 | 3.78% | 2.2% | ||
6 | Alphabet ‘C’ | 3.62% | Tesla | 1.5% |
7 | Alphabet ‘A’ | 3.31% | Berkshire Hathaway | 1.5% |
8 | Nvidia | 2.69% | JPMorgan | 1.3% |
9 | PayPal | 2.31% | Johnson & Johnson | 1.2% |
10 | Intel | 2.11% | Visa | 1.1% |
注:QQQは2021年3月末、VOOは2021年4月末時点の情報を基に作成。Alphabet ‘C’は議決権なしのAlphabet株、Alphabet ‘A’は議決権ありのAlphabet株を意味します。
まず、QQQは上位銘柄の割合がVOOよりも高いことが分かります。トップ10の企業だけでその割合はなんと50%を超えます。つまり、QQQの株価はこのトップ10企業の成績に大きく影響されることになります。
Apple、Microsoft、AmazonなどのGAFAMは両方の商品に含まれます。一方で、その他の銘柄については多少違いが見られます。
上述の通り、QQQには金融株のJP morganは含まれません。また、VOOに含まれるクレジットカードで有名なVisaやコロナワクチンも開発したJohnson and Johnsonなども、ナスダック100指数自体に含まれていません。
- QQQは金融銘柄を含まない
- QQQのトップ10銘柄の割合は高い
セクター別の割合
次にセクター別の割合についてまとめた表を示します。
No. | セクター | 割合 |
---|---|---|
1 | 情報技術 | 48.11% |
2 | 通信サービス | 19.15% |
3 | 一般消費財 | 18.23% |
4 | ヘルスケア | 6.39% |
5 | 生活必需品 | 5.09% |
6 | 資本財/公共事業 | 2.81% |
注:2021年3月末時点の情報を基に作成。
情報技術と通信サービスの合計で約7割に達します。QQQの投資対象はほぼIT系だと考えてよいでしょう。
その次に多いのは一般消費財ですが、このセクターにはAmazonとTeslaが含まれます。2社の合計で約12.5%ですから、ほぼこの2銘柄で大部分を占めています。
また、先程ご紹介したとおり、ナスダック100指数自体に金融株が含まれていないため、金融セクターは0%です。
- QQQはIT系への投資割合が高い
株価の変動とリターン
さて、肝心の株価の動きを見てみましょう。
ITバブルの頃(2000年)に一度株価が下がる時期がありましたが、その後は右肩上がりで株価が上昇しています。特に2012年以降の伸びは凄まじいものがあります。
そして、直近10年のトータルリターンは、なんと20%/年近くあります。約4年で2倍になる計算です。
S&P500に投資するVOOの同時期のリターンが14%/年程度ですから、QQQはS&P500のリターンを圧倒しています。
この10年のQQQのリターンは「良すぎた」と考えた方がよいでしょう。
その他
QQQの経費率は0.20%/年とそこまで高いわけではありません。
VOOの経費率0.03%/年と比較すると少し高めですが、米国ETF全体で考えれば十分に安い水準です。
また、配当利回りは0.5%程度と低めです。QQQは株価の上昇、つまりキャピタルゲインを狙う商品です。
高校中退投資家はQQQへの投資は見送り
圧倒的なトータルリターンを誇るQQQですが、投資対象としてありでしょうか?
高校中退投資家Toshiは下記理由からQQQへの投資を見送るつもりです。
- この10年のリターンが良すぎた
- 売りどきが難しい
- QQQの投資銘柄はすでに購入済み
QQQは株価の上昇が期待できるものの、IT系企業への集中投資です。このセクターのリターンが下がるようなことがあれば、一気に株価が下落するリスクがあります。
また、QQQの直近10年のリターンは良すぎました。今後数十年このリターンが継続するとはさすがに思えませんので、他の銘柄へ乗り換える時期の判断が非常に難しいです。
また、高校中退投資家はVTという全世界の株式へ投資する商品を保有しています。この商品はQQQの投資対象であるAmazonやAppleなども投資対象に含んでいます。あえて追加でQQQへ投資する必要性がない状況です。
年率20%のリターンは魅力的ですが、このリターンがずっと継続するわけではありません。セミリタイアがもう少しまで見えているので、個人的には5〜6%/年のリターンで十分と考えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では圧倒的なパフォーマンスを誇るQQQについてご紹介しました。
QQQはIT系への集中投資であり、トップ10の銘柄で50%以上に達します。集中投資の側面が強いですが、優良ETFであることに間違いはありません。
今後もQQQに含まれる銘柄が高いパフォーマンスになるとお考えの方にとっては、有力な選択肢になります。QQQへの一括投資はおすすめできませんが、ご自身のリスクの許す範囲で投資を検討してもよいでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。