「米国ETFには様々な商品がありますが、どんな商品が人気なのでしょうか?」
本記事ではネット証券大手のSBI証券と楽天証券の2021年1月末時点の「米国ETF人気ランキング」をご紹介します。また、ランキング上位の商品について個別に解説していきますので、米国ETFを購入する際の参考にしていただければ幸いです。
なお、2020年12月末時点の「米国ETF人気ランキング」は下記記事でご紹介しました。興味のある方は是非ご覧ください。
米国ETF週間売買ランキング
SBI証券と楽天証券の2021年1月最終週の週間売買ランキングを下表に示します。
順位 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
1 | iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF(TLT) | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(SOXL) |
2 | iシェアーズ iBoxx USD投資適格社債 ETF(LQD) | バンガード S&P 500 ETF(VOO) |
3 | Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(SOXL) | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) |
4 | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) | バンガード トータルストックマーケットETF(VTI) |
5 | バンガード S&P 500 ETF(VOO) | Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF(TECL) |
6 | バンガード トータルストックマーケットETF(VTI) | iシェアーズ グローバル・クリーンエネルギー ETF (ICLN) |
7 | Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL) | ファースト・トラスト・NASDAQ ・クリーン・エッジ・クリーン・エナジー・インデックス・ファンド(QCLN) |
8 | Direxion デイリー テクノロジー株 ブル 3倍 ETF(TECL) | SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF (SPYD) |
9 | iシェアーズ 米国短期国債 ETF(SHV) | バンガード・米国高配当株式ETF(VYM) |
10 | ヴァンエックベクトルJPM新興国債券ETF(EMLC) | Direxion デイリーS&P500ブル3倍 ETF(SPXL) |
出典:SBI証券HP及び楽天証券HPより作成。SBI証券は1/25~1/29、楽天証券は1/24~1/30の週間売買代金ランキング。
SBI証券では債券へ投資するETFが4つ、株式に投資するETFが6つです。一方で、楽天証券では、全てが株式に投資するETFでした。
赤字で示した銘柄は両方のランキングに入っている銘柄ですが、いつもランキング上位に入るVOO、VTI、QQQなどが該当します。
なお、SBI証券の1位はTLTという米国債へ投資するETFで、下記記事でも個別に説明しています。
ランキングの所感
今月のランキングでは、5つのETFが両方のランキングに入っており、いつもに比べて重複が多い印象です。
楽天証券では、相変わらず米国高配当ETFであるSPYDやVYMがランクインしていますが、SBI証券では米国高配当ETFがランキングに入ることはあまりありません。
また、今月のランキングの特徴の1つが、楽天証券で1位、SBI証券で3位に、半導体株へ投資するSOXLがランクインしていることです。
楽天証券では、先月に引き続きクリーンエネルギーへICLN、加えてQCLNが入っています。アメリカで誕生したバイデン政権は、気候変動の分野に投資する可能性が高いですから、このような社会情勢も影響しているのかもしれません。
ランキング上位商品の紹介
それでは、ランキング上位に入っている銘柄をご紹介していきたいと思います。
今月は下記2つのETFについてご紹介します。両者のランキング上位に入ったSOXLとクリーンエネルギー関連企業に投資するQCLNです。
- Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(SOXL)
- ファースト・トラスト・NASDAQ ・クリーン・エッジ・クリーン・エナジー・インデックス・ファンド(QCLN)
Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(SOXL)
SOXLはその名の通り半導体セクターへ投資するETFです。上位銘柄にはIntelなどが入っています。また、商品名に「ブル3倍」とある通り、「ブル(レバレッジ)型ETF」と言われる商品です。
SOXLが投資する指数のパフォーマンスの300%の投資成績を目指しています。株価が上昇するときは、通常の3倍上昇するのでよいですが、逆に下がるときは3倍下がるリスクの高い商品です。
この商品が人気の理由は、おそらくここ最近のリターンが凄まじいからでしょう。コロナショックでの底値が65ドル/株くらいですが、2021年2月上旬の株価は560ドル/株程度になっています。この1年で実に8倍以上の株価に上昇しています。
なお、経費率は0.96%とかなり高い商品です。VTIやVOOのように定期積み立てをするような商品ではなく、投機目的の商品でしょう。
ファースト・トラスト・NASDAQ ・クリーン・エッジ・クリーン・エナジー・インデックス・ファンド(QCLN)
本銘柄は米国に上場するクリーンエネルギー企業に投資するETFです。太陽光発電、バイオ燃料及び新型電池などの製造や開発などに関わる企業へ投資しており、上位銘柄には電気自動車で有名なテスラが入っています。
QCLNも最近のパフォーマンスはよく、コロナショック時から現在までに4倍以上へと株価が上昇しています。2007年に設定された商品で、2007年から2019年までは10ドル〜30ドル/株くらいの株価だったのですが、2020年に急上昇して現在は80ドル以上の株価です。
ただし、信託報酬は0.60%でこちらも高めです。すでに株価がかなり上昇していますので、これから投資するのであれば高値を掴む可能性もあるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
やはり最近急激に株価が上昇しているETFはランキングの上位に入ってきます。ただ、現在は不景気の株高状態ですから、いつ一気に下落するかわかりません。
今回ご紹介したSOXLやQCLNはあくまで投機目的の商品になりますので、十分検討してから購入するようにしましょう。
個人的にはランキング上位に常に入ってくるVOOやVTIを定期積み立てするか、米国高配当株ETFであるSPYDをやVYMを購入するのがおすすめです。
来月以降も引き続き米国ETFランキングについて確認していきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。