1,000万円の金融資産を保有することは一つの大きな区切りになるでしょう。
1,000万円の金融資産があれば、投資などの資産運用を本格的に考えるようになります。
日々の生活に困っているわけではないため、ある程度のリスクを取って投資などができるからです。
そこで本記事では1,000万円から始める投資について、著者の経験も含めてその必要性や方法についてご紹介していきます。
1,000万円の資産を持つことの意味とは?
1,000万円という言葉を聞けば、かなりの大金だという感覚があるのではないでしょうか?
仮に月の生活費が20万円だとしても、4年間は無収入でも生活できる計算です。
家や車など大きな出費の想定がなければ、1,000万円のうちの大半は今すぐに使うお金ではないはずです。
つまり、1,000万もの資産があれば、多少のリスクを取れるようになった状態だと言えます。
実際に著者も1,000万円程度の貯金を保有した頃から投資を始めてみようかなという気持ちになりました。
一般人に取っては1,000万円は一つの節目になる金額なのです。
資産運用(投資)はますます重要になっていく!
2024年に入り、物やサービスの価格が上がるインフレを実感している方も多いはずです。
飲食店の価格設定が変わったり、スーパーで売られている商品の値段がどんどん上がっています。
このようなインフレは多くの方にとって死活問題です。
なぜなら、たとえそれなりの金融資産があったとしても、実際に購入できるものは減っていくからです。
例えば、今まで500円で購入できたものが徐々に値段が上がって1,000円になったとします。
この場合、現金の価値は半分になったとも言えます。
銀行に貯金しているだけでは、保有する金融資産の価値はどんどん下がってしまうのです。
老後資金は自助努力で確保が必要
老後資金の準備についてよく考えておく必要があります。
少子高齢化の影響もあり、国民年金保険料の納付期間を65歳まで延長する案や給付を受けられる年齢を遅くすることが検討されています。
仕事を辞めた後も保険料の納付が必要だったり、年金がもらえるまで無収入で過ごす期間が発生する可能性があるのです。
若い人の数に対して老人の人数が多いわけですから、当然と言えば当然の流れです。
したがって、老後資金は年金に頼らず自分でも準備を進めておく必要があります。
税制優遇制度の拡充は国からのメッセージ!
このような背景もあり、国からは老後資金などを準備するための税制優遇制度が提供されています。
具体的には確定拠出年金やNISA(少額投資非課税制度)です。
これらの制度を活用すれば、投資にかかる税金が免除されるなど多くのメリットがあります。
つまり、自助努力によってある程度の老後資金を準備してほしいとの国からのメッセージなのです。
したがって、資産運用してインフレから自分の資産を守る、あるいは老後資金はある程度自分で準備を進めておく必要があります。
銀行預金の利子は雀の涙ですから、投資と向き合っていくことは現代人にとって必須です。
1,000万円でどんな投資をすべきか?
それでは1,000万円からどのような投資を始めればよいのでしょうか?
投資と一口に言っても、投資対象には株、債券、金、不動産、仮想通貨など様々なものがあります。
しかし、あなたが長期的に資産形成に取り組むのであれば、基本的には株式を中心にした運用がよいでしょう。
以下ではなぜ株式への投資がよいのかその理由を説明していきます。
過去のリターンが高い
過去のデータで考えると、株式は最もリターンの高い投資対象の1つになります。
債券などと比較して株式が高いリターンであることは、投資の名著である「敗者のゲーム」でも述べられています。
もちろんその分株価の変動は大きいというデメリットはあります。
しかし、十分な投資期間を確保できるのであれば、株式を中心に運用しない理由はありません。
少額での取引が可能
株式への投資であれば、少額からの取引が可能です。
例えば、不動産であれば安くても数百万円単位での支出になるし、資金が少なければ優良物件を購入することは難しいでしょう。
また、1,000万円の資産のうち、大部分が不動産になってしまう可能性もあります。
一方で、株式は投資信託などを活用すれば100円から取引ができます。
少額から投資ができる株式は魅力的な投資対象になるでしょう。
手軽に分散投資ができる
投資信託などを活用すれば手軽に全世界の株式へ投資が可能です。
昨今は様々な銘柄が出ており、米国株や日本株、全世界の株式へ手軽に投資ができるようになりました。
こう言った銘柄を活用すれば、1つの商品を購入するだけで間接的に数百や数千銘柄を保有している状態を作れます。
もちろん、債券にも投資信託はあるし、不動産にも不動産投資信託(REIT)があります。
しかし、株式に関連する銘柄のバラエティの多さは群を抜いています。
手間がかからない
手間がかからないことも株式投資の魅力です。
売買はネット上で簡単にできますし、不動産のように難解な契約書も必要ありません。
また、株式の場合は、取引量が多いため流動性が高く、お金が必要になった際にすぐに売却が可能です。
税制優遇制度を活用できる
最近の話題といえば、新NISAの誕生です。
NISAでは総額で1,800万円まで非課税で運用ができます。
1,000万円程度の投資であれば十分この非課税枠内に収まりますから、まずはこちらの枠を埋めていくのが重要です。
NISAでは債券の購入もできますが、リターンの大きい株式であれば大きな税制メリットが得られる可能性が高いでしょう。
上述の通り、株式への投資には多くのメリットがあります。
したがって、まずは税制優遇制度であるNISAの投資枠である1,800万円を株式を中心に埋めることに専念すべきです。
その後、余裕があれば投資対象を広げていくのが賢い選択だと言えます。
1,000万円を運用する際の注意点とは?
ここでは1,000万円で投資をスタートする際に考えるべき注意点についてご紹介していきます。
当然ながら、株式投資にはメリットだけでなくデメリットもあります。
そこで以下では著者がこれまで株式投資をしてきた経験を基に注意点を解説していきます。
少額から始める
よく言われることですが、少額から投資を始めることです。
株式投資は仮想通貨などと比較すれば価格変動はマイルドですが、債券などと比較すれば大きく変動します。
そのため、投資に慣れていない方は株価の値動きに恐怖を覚えてしまう可能性があります。
著者も最初はかなり少ない金額から投資を始めて、徐々に投資額を増やしていきました。こうすることでスムーズに投資に慣れることができました。
したがって、いきなり大きな金額を動かすのは得策ではありません。
月数万円などの形で投資をしながら徐々に投資額を増やしていくのがよいでしょう。
インデックス投資を中心にする
指数に連動する成果を目指すインデックス投資から始めることです。
日経平均やニューヨークダウのような株式指数に連動する投資成果を目指すインデックスファンドを投資対象にするのです。
最近は米国の優良企業で構成されるS&P500指数や全世界株へ連動する指数へ低コストで投資できる商品が出てきています。
こう言った銘柄への投資をご自身のポートフォリオの中心にすることが重要です。
著者は個別株や優待目当ての投資をしたことがありますが、結果はインデックス投資に大きく負けています。
おとなしくS&P500指数へ投資しておけばよかったと後悔しています。
積立投資を活用する
投資は短期で結果を出せるほど甘くありません。
ですから、個人投資家は老後資金など長期的な視野で資産形成に取り組んでいくべきです。
長期で継続する際に重要になるのが、いかに投資を習慣化して当たり前にするかと言う点です。
積立投資の設定をして、毎月の給料の一部を投資に回していくのがよいでしょう。
こうすることで投資を生活の一部にしていくのです。
税制優遇制度をしっかり使う
できる限り税制優遇制度を有効活用することです。
2024年から始まった新NISAですが、実は2014年からNISA制度は存在します。
つまり、2024年から投資を始めた方よりも、それ以前から投資している人の方がたくさんの非課税枠を使えたことになります。
実際に著者も旧NISAを活用した結果、毎年数十万円単位で節税ができています。
税制は毎年のように変更が検討されています。
今後も制度の見直しは定期的に行われるでしょうから、使えるものはどんどん使っておくことが重要です。
まとめ
本記事では1,000万円から始める投資について解説しました。
1,000万円の金融資産をお持ちの方であれば投資を始めるのに最適な時期です。
長期的に資産形成をするなら最初は株式投資を中心にするのがよいでしょう。
また、インデックス投資の積立投資を税制優遇制度であるNISAを活用して始めるのがおすすめです。
非課税枠は1,800万円ありますから、NISAを使い切る頃には投資にも十分慣れているはずです。そこからさらに余力があれば、ご自身の投資の幅を広げていけばよいのです。
以上、ご参考になれば幸いです。