サラリーマンが投資をしていると聞くとどんな印象を持つでしょうか?
「サラリーマンが投資で大損した!」などのネガティブな記事が多いので、同僚に投資をしていると話せば、ギャンブル好きだと思われるかもしれません。
サラリーマンは会社が税金の処理をしてくれるため、ほとんどのケースで確定申告をする必要がありません。また、厚生年金に加入しているので、将来もらえる年金も自営業の人と比較して高くなります。
このような環境から、サラリーマンが「お金」について真剣に考える場面は非常に少ないのが現状です。
しかし、私は「サラリーマンこそ率先して投資をやるべき」だと考えています。本記事では、サラリーマンが投資をするべきその理由について解説していきたいと思います。
サラリーマンこそ投資をするべき理由
多くのサラリーマンは、自分は投資とは無縁だと考えているかもしれません。大損をするかもしれないし、ギャンブルのようなものだと考えているでしょう。しかし、サラリーマンこそが投資を避けられない職業の1つだと考えています。
主に下記3つの理由が挙げられます。以下では各理由についてそれぞれ説明していきたいと思います。
- 給料が安定している
- 給料に限界がある
- 精神面にも良い影響がある
給料が安定している
サラリーマンは、基本的に毎月の給料が一定で、多少の不況に見舞われても給料はほとんど変わりません。
つまり、家計管理がしっかりできていれば、毎月一定額を投資に回し続けることが容易な環境にあります。「積立投資」との相性がめちゃくちゃよいのです。
自営業ではそうはいきません。その月の売上によって、給料は大きく変動します。景気が良い時は大きく収入が伸びるかもしれませんが、そう言った局面では株高の可能性が高いです。
毎月一定の給料が入ってくるサラリーマンこそ、景気に左右されずにコツコツ積立投資をすることができます。
給料に限界がある
サラリーマンの給料には限界があります。どんなに頑張っても1,000万円~2,000万円のオーダーでしょう。大半の人は数百万円の年収でやりくりしながら人生を送ることになります。
私も最近昇給がありましたが、1年頑張って勤めても月額報酬の増加はたった1万円程度でした。しかもここから税金が引かれるため、給料の増加は1万円未満です。
豊かな生活を送るには、「投資」を組み合わせることで、手取りを増やしていくことが必須です。
株式の期待リターンを5%だと考えれば、100万円の投資で5万円/年、つまり月額4,000円以上の給与アップと同等の効果が得られます。もう100万円プラスできれば、8,000円/月となり、ほぼ1年間の給料の増加と同じです。
最初は種銭作りが大変ではありますが、数年我慢して投資を継続できれば、「投資のリターンと給料アップでさらに投資の種銭を確保できる」という好循環が生まれるはずです。
精神面にも良い影響がある
会社に勤めるサラリーマンにとって、「会社」は絶対的な存在です。
たとえ嫌な上司がいたとしても、我慢して言うことを聞くしかありません。勢いで会社を辞めてしまえば露頭に迷うためです。
一方で、株式投資をすることで、「会社」以外からお金を得ることができます。これは精神面に大きなメリットがあります。会社に100%依存していないわけですから、心の安定を得ることができます。
また、ずっと同じ場所に身を置いていると、その組織の考えに染まってしまい、新しいことへチャレンジすることを恐れてしまいます。
しかし、「会社」以外からお金を得ることを体験することで、副業へのチャレンジが前向きになったり、社外活動へ視野を広げることができるようになります。
サラリーマンが投資で失敗する理由
「サラリーマンが投資で大損した」という記事をよく目にします。そういう記事を見ると、確かに不安になり投資は怖いものだと考えてしまうかもしれません。
では、なぜサラリーマンは投資で失敗してしまうのでしょうか?
下記では、私が考えるサラリーマンが投資で失敗する理由について解説していきます。
個別株への投資
投資を初めてすぐに個別株へ手を出す方が多いように感じます。
巷で人気の投資対象を調べてみると、高配当株のJTであったり、株主優待がお得な銘柄だったりします。確かにこのような商品への投資にもメリットはありますが、個別株は購入のタイミングが難しく損をする可能性もあります。
つまり個別株投資は、初心者というよりは中級者向けの投資だと考えます。雑誌などの情報を鵜呑みにして、さほど考えずに購入するのは非常に危険です。
不動産投資
不動産投資に手を出して失敗するパターンです。サラリーマン、特に大企業へ勤めている場合は、ローンを組みやすく、不動産投資がしやすい環境にあります。
不動産投資は成功した場合に大きなリターンを得られるので、雑誌やネットなどで多くの成功事例が紹介されています。
しかし、不動産投資は投資金額が大きいため、失敗した場合の損失もかなり大きくなります。加えて、少子高齢化の進む日本では、住宅の需要も下がるわけですから、優良な物件を選ぶためにはそれなりに時間と労力が必要です。
しっかり情報収集ができる人や投資の勉強が継続できる人でなければ、簡単に手を出してよいものではありません。
投資金額が大きすぎる
定年間近あるいは退職してから比較的大きな金額をいきなり投資へ回してしまうケースです。投資に慣れていないうちからリスクを取りすぎることが問題でしょう。
よく言われるのが、退職金を元手に投資を始めて失敗したケースなどです。現役サラリーマンでも50代半ばくらいになれば、子供がある程度独立したり、給料がそれなりの金額になるはずです。したがって、投資へ回すお金を確保することが比較的容易になります。
特に投資とは無縁の生活を送ってきた場合は危険です。自分のリスク許容を理解していない状態でいきなり大金を投資してしまうと、株価の値動きに耐えられません。多くの人は「お金」の値動きに平常心ではいられなくなります。
インデックスファンドの積立投資をすればよい
ではサラリーマンはどんな投資をすればよいのでしょうか?
個別株投資、不動産投資が決して悪いわけではありません。しかし、投資のスタート時点としては完全に間違っています。
サラリーマンがまずやるべき投資の答えは下記の通りです。
「全世界型の株式インデックスファンド」へ毎月一定額「積立投資」する。
この投資手法でも十分に平均点が狙えます。上述の通り、サラリーマンは毎月一定額の給料が入ってくるというメリットがあります。そのため、毎月数万円などの一定額を積立投資していくやり方が合っています。
また、投資対象は全世界型の株式インデックスファンドがよいでしょう。「インデックス」とは指数のことを指し、日本であれば日経平均やTOPIXなどが該当します。
インデックスファンドはこれらの指数と連動するように幅広い株式が購入されています。したがって、個別株のようなリスクの高さはありません。
また、全世界の株式へ投資するインデックスファンドであれば、一国への集中投資を避けられます。現在はアメリカの一人勝ち状態ですが、この状況がいつまで続くか分かりません。今後株価が上がる国を言い当てるのは至難の技ですから、全世界の株式を購入すればよいのです。
個人的には、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)のような商品がお勧めです。世界中の株式約8,000銘柄へ投資をする商品で、時価総額に応じて銘柄の入れ替えも自動で対応してくれます。詳細は下記記事でもご紹介しています。
また、最近では「つみたてNISA」などの投資の優遇制度もあります。このような制度を積極的に利用するのもよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事でご説明した通り、サラリーマンこそ積極的に投資をするべきだと確信しています。
私自身もサラリーマン投資家ですが、投資を始めたことによって物事の捉え方や考え方が大きく変わりました。たとえ、セミリタイアを目指さなかったとしても、精神的に有利な立場で仕事を継続できます。きっと、人生の選択肢を増やしてくれるでしょう。
失敗をできるだけ避けるためにも、できれば若いうちから徐々に投資に慣れていくことをお勧めします。少額から投資を初めて、趣味にしたいと感じたのであれば、個別株や不動産などへ広げていきましょう。
大抵の方には本記事でご紹介した「インデックスファンド」の積立のみでよいはずです。
以上ご参考になれば幸いです。