フィリピンのREIT市場が活性化しているのをご存知でしょうか。
以前、下記記事でフィリピン初となるREITの上場についてご紹介しました。
実は2021年3月19日に、フィリピンで2例目となるダブルドラゴン・プロパティーズ(DoubleDragon Properties Corp.)のREITが上場します。
本記事ではこのダブルドラゴンのREITと、フィリピンのREIT市場の魅力についてご紹介していきます。
ダブルドラゴンのREIT (DDMP REIT, INC)が上場します!
フィリピンのダブルドラゴン・プロパティーズという不動産ディベロッパーが、「DDMP REIT, INC」というREITを上場させます。
「DDMP REIT, INC」は3月19日の上場を予定しており、IPO(新規公開株)の価格は1口当たり2.25ペソです。日本円に換算すればたった約5円と激安です。調達額は総額で約150億ペソで、日本円で300億円以上を見込んでいます。
親会社であるダブルドラゴン・プロパティーズは、CityMallというショッピングモールを中心にホテルやオフィス賃貸など手広く事業を展開する不動産ディベロッパーです。「DDMP REIT, INC」の上場により集めた資金を活用して、オフィスやホテルの開発を行う予定です。
また、ダブルドラゴン・プロパティーズのHPによれば、2021年と2022年の配当利回りは5%以上を見込んでいるそうです。
AREITとのDDMP REIT, INC
フィリピンREITの第1号であるAREITと、今回上場するDDMP REIT, INCについて比較してみましょう。
AREIT | DDMP REIT, INC | |
---|---|---|
上場日 | 2020年8月13日 | 2021年3月19日 |
価格(1口当たり) | 27ペソ | 2.25ペソ |
調達額(ペソ) | 約140億ペソ | 約150億ペソ |
調達額(円) | 約314億円 | 約335億円 |
注:1ペソ=2.24円で計算
DDMP REIT, INCは、以前ご紹介したAREITの調達額約140億ペソを超える規模です。また、DDMP REIT, INCのほうが1口当たりの金額が小さいことが分かります。
AREITの現在の状況は?
先に上場したAREITの株価や配当はどうなっているでしょうか?
AREITの公募価格は1口当たり27ペソでしたが、現在は33ペソ付近(2021年3月10日時点)まで上がっています。
また、現在までに3回の配当がありましたが、3回の合計金額(1.32ペソ)は現在の株価の4%程度に相当します。
AREITの配当記録
- 2020年9月:0.59ペソ/口
- 2020年12月:0.34ペソ/口
- 2021年3月:0.39ペソ/口
このように、REITはその性質上利益の大半を配当にすることになっていますから、高い配当利回りが期待できます。インカムゲイン(配当)狙いの投資家にとっては非常に魅力のある商品でしょう。
活性化するフィリピンREIT市場!
AREITとDDMP REIT, INC以外にも、複数のREITがフィリピン証券取引所へ上場申請を進めています。今後も様々な会社のREITが登場するでしょう。
日本と違いフィリピンは平均年齢が若く、今後も人口増加が長年期待できる国です。人がどんどん増えていくわけですから、不動産の需要もどんどん上がっていきます。
聞いた話では、オフィスの賃貸契約などで、毎年数%賃料をあげていくことを契約に盛り込むそうです。日本では考えられませんが、それほど不動産の需要が高いのです。
このようにフィリピンのREIT市場は魅力のある投資先の1つになるでしょう。
フィリピンREITを購入するには?
2021年3月時点では、日本からフィリピンREITを購入するのは難しそうです。
日本でフィリピン株を多く扱っているのは「アイザワ証券」です。REITの親会社である「DoubleDragon Properties Corp.」や「Ayala Land, Inc.」など主要なフィリピン株の購入は可能です。
一方で、現時点では「AREIT」や「DDMP REIT, INC」は購入できません。また、アイザワ証券では株の購入手数料が最低5,500円かかるなど、手数料が高いことも気になります。
フィリピンの証券会社に口座開設する手もある!
どうしてもフィリピンREITへ投資したい方は、フィリピンの証券会社に口座を開設するのも1つの手です。
日本在住で口座開設が可能な証券会社としておすすめなのが、「AB Capital Securities」です。
AB Capital Securitiesの魅力はなんと言っても、下記のように日本語で取引ができることです。英語が苦手な方も扱いやすいと思います。
AB Capital Securitiesの日本語の取引画面
口座開設のサポートをしている業者もいますので、興味がある方は問い合わせてみるとよいでしょう。
ただし、海外の証券会社や銀行口座の開設は管理が非常に大変です。いざという時に海外に出向く必要がありますし、英語でのやり取りが必要になるケースもあります。
あくまでも、私のようなマニアックな人間以外は不要であることはお伝えしておきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はフィリピンで2例目となるダブルドラゴン・プロパティーズのREITについてご紹介しました。
フィリピンREITはまだまだ規模が小さいですが、今後大きく成長するポテンシャルを秘めています。日本やアメリカ以外にも様々な投資先がありますから、フィリピンのような勢いのある国もぜひ抑えておきたいところです。
今後も様々なREITが上場予定ですから、また情報を得ましたらご紹介していきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。