配当金生活には一体いくらの配当金が必要になるのでしょうか?
当然ながら配当金はあればあるだけ安心を得られます。少ない配当金で生活をしていた場合、何か予想外の出来事が起きれば生活が破綻してしまうからです。
ある程度安定した配当金生活を送るなら、月20万円、つまり年間240万円の配当金こそが一つの目安になるはずです。
本記事では月20万円(年間240万円)の配当金を目指す意義とそれだけの配当金を得るために必要な投資資金について考察していきます。
月20万円の配当金を得ることは簡単ではありませんが、目指す価値は多いにあるでしょう。
月20万円の配当金は目指す価値あり!
1. 月20万円あると何ができるのか?
まずは月20万円の配当金が生活費として十分なのかどうか確認していきましょう。
総務省が実施した家計調査によれば、単身世帯の1ヶ月の支出は15万円~16万円程度(2014年〜2021年)で推移しています。
月20万円という金額はこの金額を大きく上回る金額ですから、平均的な生活は十分可能な金額と考えてよいでしょう。
税や社会保険の支払いを含めても問題なし
会社を辞めて配当金生活に突入すると会社から天引きされて支払っていた社会保険料や税金を自分で支払う必要があります。
例えば、令和4年度の国民年金保険料は以下の通りです。
国民年金保険料:月額16,590円
国民健康保険料や所得税、住民税は所得に応じて金額が決定されます。所得が少ない配当金生活ではそこまで大きな負担を考える必要はありません。
したがって、月15万円の生活費に加えて社会保険料や税金類を支払ったとしても月20万円あれば十分お釣りが来るのです。
配当金生活なら家賃を大きく下げられる
配当金生活では働く必要がないため、工夫次第で生活費を大きく落とせる可能性があります。
その代表例が家賃です。
職場への通勤がなくなるわけですから、駅近にこだわる必要がありません。また、わざわざ都市部に住む必要もないでしょう。
地方都市への移住であれば、東京などの首都圏と比較して大きく家賃を下げることができます。例えば、福岡市であれば人気の博多区でも家賃相場は6万円以下です。
人気エリア | エリア | 家賃相場 |
---|---|---|
1位 | 福岡市博多区 | 5.5万円 |
2位 | 福岡市中央区 | 5.8万円 |
3位 | 福岡市東区 | 4.5万円 |
4位 | 福岡市南区 | 4.9万円 |
5位 | 福岡市早良区 | 5.1万円 |
6位 | 福岡市西区 | 4.9万円 |
7位 | 福岡市城南区 | 3.9万円 |
出典:SUUMOの福岡県の家賃相場・賃料相場情報より(2022年10月23日時点)
駅から少し外れた地域や小さめの部屋を借りれば、家賃相場より低い賃料で借りることができます。したがって、東京の半分の家賃で生活することも可能でしょう。
余裕のある生活ができる
上記から月20万円の配当金があれば、単身世帯が生活する上で基本的に困ることはありません。
もちろん月20万円は豪遊できるほど余裕がある金額ではありません。しかし、配当金生活では時間的な余裕があるわけですから、以下のように節約をしつつも生活の質を高めることができるでしょう。
- 価格の安い時期に旅行する
- 図書館等の公共施設を有効に活用する
- 自炊をして食生活を見直す
2. 月20万円の配当金を得るために必要な資金
それでは月20万円の配当金を達成するのはどの程度の難易度なのでしょうか?
当然ながら相当難しいと言わざるを得ません。
例えば、配当利回り3.75%(税引後約3%)の銘柄へ投資した場合「8,000万円」もの資金が必要です。
8,000万円×3%=240万円(月20万円)
実際には非課税口座を活用したり、確定申告により必要な投資資金を下げることは可能です。
- 日本株なら配当控除が使える
- 総合課税で申告する
- NISA口座を活用して投資する
それでも7,000万円程度の投資資金は必要と考えておいたほうがよさそうです。当然ながらこのような大金を用意するのは簡単な話ではありません。
配当金は増配されていく
一気に7,000万円~8,000万円の投資資金を用意できる人なんてまれです。
したがって、一般的にはコツコツ投資をしながら配当金月20万円を目指していく必要があります。
ここで一つ朗報があります。それは、「投資対象を間違えなければ配当金は増配されていく」ことです。
配当金が毎年のように増配されていけば、月20万円の配当金へ到達する過程でどんどん生活は楽になっていきます。
この状態を作れれば、投資へのモチベーションを維持しながら月20万円を目指すことができます。
投資対象はどうすればよい?
それではどんな投資対象が考えられるでしょうか?
おすすめは日本と米国の高配当株を併用するスタイルです。
- 米国高配当株ETFであるVYMを定期購入
- 日本の高配当株(個別株)をスポット買い
米国の利回りの高い銘柄へ投資するVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)は2011年から10年以上連続で増配している銘柄です。加えて、株価もこの10年で2倍程度まで上昇しており値上り益も狙える商品です。
日本の高配当株の方は株価下落時にコツコツ買い集めるのがおすすめです。株価の上昇は米国株のような力強さをあまり期待できないため、株価が下落して利回りが高くなった時を狙って投資するのです。
どの程度の投資期間が必要なのか?
月20万円の配当金を受け取るまでにどの程度の投資期間が必要なのでしょうか?
月12万円の投資(年率5%リターン)を25年継続
→約7,000万円
月12万円もの投資を25年間も続けなければ、7,000万円まで運用額を増やすことはできません。ゴールのハードルは非常に高いのです。
ただし、先程ご紹介したような手法を継続すれば、時間はかかるものの月20万円の配当金へと着実に近づいていけるでしょう。
3. ちょっとだけ働くという手もある
月12万円の投資を継続することが難しいことは理解しています。特に若いうちは給料の大半を投資につぎ込むことになってしまいます。
そこで無理のない範囲で働くという方法もあります。簡単な仕事で月5万円などを稼げば、配当金生活に必要な資金を5,000万円~6,000万円程度まで減らすことが可能です。
6,000万円×3%=180万円(月15万円)
たった少しの労働を組み合わせるだけで、必要な投資資金を2,000万円近くも減らすことが可能です。
まとめ
月20万円の配当金があれば配当金生活を送るのに十分な生活資金を得ることができます。
これだけの配当金があればストレスなく配当金生活を送ることができるでしょう。
一方で、配当金生活に必要な投資資金は高額であり、月10万円以上の投資をしても25年もの年月がかかる計算です。決してハードルは低くありません。
しかし、月20万円を目標に掲げて、月3万円、5万円、10万円と徐々に達成していけば生活はどんどん楽になっていきます。月20万円の配当金生活は高いハードルではあるものの、十分目指す価値がある目標です。
以上、ご参考になれば幸いです。