セミリタイア生活を安心して過ごしたくないでしょうか?
そうであればおすすめなのが増配株への投資です。
増配株には大きな魅力があります。それは毎年のように受け取る配当を増やすことができることです。
受け取る配当金が増えていけば生活はどんどん楽になっていきます。そのため、セミリタイア生活での金銭面での失敗を防ぐことができるでしょう。
本記事では増配株でセミリタイア生活を目指すことについて解説していきます。
セミリタイアを増配株で目指すということ
増配株とは配当を増やしている銘柄を指します。
多くの場合で、連続増配株、つまり毎年配当を増やしている企業を言います。
実は世の中には20年、30年と長期にわたって配当を増やし続けている企業が存在するのです。
このような増配株を保有することには夢があります。なぜなら、毎年着実に配当金が増えていくからです。
みなさんは会社からのお給料が増えているでしょうか?
昇給があっても社会保険料の増加などによって手取りはほぼ増えない状況が続いているのではないでしょうか?
一方で、増配株を購入してただ保有しているだけで、受け取る配当は年々増えていくのです。
安定的に配当金を増やしたいのであれば、増配株への投資には大きなメリットがあります。
セミリタイアで増配株を保有するメリット
増配株を保有してセミリタイアを目指すことには、以下のようなメリットがあるでしょう。
株価に一喜一憂せずに済む
株価は大きく変動することがあります。2024年8月に日本株が大暴落したことは記憶に新しいでしょう。
一方で、配当は株価の変動と比較して安定しているという特徴があります。
セミリタイア生活では収入源が資産所得に依存するため、投資元本を切り崩して大きくお金を減らすような行為は避けなければいけません。
最悪なのは暴落時に取り崩しが必要になるケースです。
しかし、増配株であれば株価の変動に関係なく安定的に配当を受け取れるので、株価の変動に神経質になる必要はありません。
ただ増配株から受け取る配当を使って生活していればよいのです。
生活が年々楽になる
増配株なら年々生活が楽になるというメリットがあります。
若いうちならなんとでもなります。体も動くし、新しいことへの適応力もあります。
一方で、年齢を重ねるとそういった能力はどんどん落ちてきます。
新しいことにチャレンジしたり、新しい生活に適応するのが億劫になります。
増配株なら徐々に配当金が増えていくので、若いうちは少し働きながら生活し、配当金が増えてきたら配当だけの生活へ切り替えることができます。
リターンが比較的高い
増配銘柄は高配当株と比較してリターンが高い傾向にあります。
例えば、米国の高配当株ETFであるHDVと増配銘柄であるVIGのリターンを比較してみましょう。
2024年7月末時点の10年リターン
HDV:8.43%/年
VIG:11.88%/年
4%近い配当利回りのあるHDVは高配当株投資家にとって魅力的な銘柄の1つになります。
しかし、配当を多く出す銘柄は成熟企業が多いため、大きな値上り益が期待できない傾向にあります。そのため、トータルリターンでは大きく劣る傾向にあります。
一方で、VIGのトータルリターンは12%/年近くあり、S&P500指数へ投資するVOO(約13%/年)に負けず劣らずのリターンを誇ります。
このように増配銘柄であれば、大きくリターンを落とすことなく配当を増やし続けることができます。
セミリタイア生活で増配株を保有するデメリット
一方で、増配株への投資にはデメリットがあるのも事実です。
配当を増やすまでに時間がかかる
その1つがそれなりの配当を受け取るまでに時間がかかることです。
増配銘柄には配当利回りが低い企業も含まれます。
高配当株であれば配当利回りは3%を超えますが、増配株では1~2%というケースも多くあるのです。
したがって、それなりの配当を受け取るには相当な投資資金が必要になります。
仮に入金力がなければ、ある程度の配当を受け取るまでに長い年月が必要になるでしょう。
老後にお金を残しすぎる
老後にお金を残しすぎる可能性があるのもデメリットになるでしょう。
増配株は着実に配当を増やせるだけでなく、株価の上昇もそれなりに大きいのが特徴です。
そうなるとどこかで元本を売却しない限り資産は増大し続けることになります。
子供などへ資産を残す必要がない方にとっては、デメリットになる可能性があります。
増配株のおすすめ銘柄
増配株を自分で選定して購入するのは手間がかかる作業です。
そこで管理が簡単なのがETF(上場投資信託)を活用する手です。
日米の個別株へ投資する手もありますが、まずは以下のようなETFへの投資から始める方がよいでしょう。
バンガード・米国増配株式ETF(VIG)
増配銘柄としてまずおすすめしたいのが、米国市場に上場するVIG(バンガード・米国増配株式ETF)です。
VIGは米国の10年以上連続増配企業へ投資ができる銘柄です。
トータルリターン:11.88%/年
銘柄数:約300
注:2024年7月31日時点
上述の通り、直近の10年リターンは10%を超えており、しかもVIGの構成銘柄は300銘柄以上になります。
VIGへの投資だけで米国の増配銘柄を幅広く保有することが可能です。
iシェアーズ米国連続増配株ETF(銘柄コード:2014)
国内に上場するETFにも面白い銘柄があります。
それが2024年に上場したばかりのiシェアーズ米国連続増配株ETF(2014)です。
投資対象はDGROという米国ETFです。DGROはVIGとは違って、5年以上の連続増配企業へ投資する銘柄です。
トータルリターン:12.09%/年
銘柄数:約400
注:2024年7月31日時点
VIGとほぼ同じリターンで、かつ400銘柄以上へ投資ができます。
東証へ上場していることから円で購入でき、分配金も円で受け取ることができます。
配当貴族/配当王
配当貴族や配当王という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
配当貴族や配当王はVIGが投資対象にする10年連続増配企業よりもさらに厳しい基準を満たす銘柄です。
配当貴族:25年以上連続増配
配当王:50年以上連続増配
最近ではこれらの企業へ投資できるETFや投資信託が出てきています。
25年や50年もの長期にわたって配当を増やしている企業ですから、よほどのことがなければ減配はないでしょう。
一方で、厳しい基準であることもあり銘柄数は100を下回ります。
さらに信託報酬もVIGや2014と比較すると高めである点には注意が必要です。
まとめ
本記事では増配株への投資でセミリタイアすることについて解説しました。
増配株を保有していれば、年々受け取る配当金が増えていくので、安心してセミリタイア生活が送れます。
年々生活が楽になっていくので、老後の備えとしても効果を発揮するでしょう。
そのため、増配株への投資で配当金生活ができるレベルになればもう怖いものはありません。
資産も配当も増やしながら安心したセミリタイア生活を送れるでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
配当成長株への投資を勧める本もありますので、ご興味がある方は読んでみるのも面白いでしょう。