最近はFIRE(経済的自立と早期退職)を目指している方が増えていますが、50代での早期退職は遅すぎるのでしょうか?
50歳は定年退職がちらつき始める年齢です。ゴールが見えているわけですから、そのまま会社員生活を送り続ける方が大半でしょう。
一方で、早くから老後の準備をされてきた方であれば、50歳前後で早期退職することは私はありだと考えます。
50歳であればまだ体力的に充実しています。定年退職まで待てないという方は、50代で一足先に自由な生活を満喫すればよいでしょう。
50代での早期退職はありなのか?
20代~30代で早期退職したという話を聞けば、50代では遅すぎて意味がないと考えるかもしれません。
しかし、遅すぎるなんてことは全くありません。なぜなら、日本人の平均寿命は年々伸びているからです。人生100年時代と言われる時代ですから、昔と比べて今の50代は若々しいのです。
現在の定年は60歳か65歳が一般的ですが、これからどんどん定年が伸びていくでしょう。
実際に年金の受給開始も60歳から65歳へと変更になりました。今の若い方であれば70歳からの受給開始なんてことも十分に考えられます。
つまり、50歳での早期退職がかなり早いと言われる時代がすぐそこまで来ているのです。
50歳での早期退職にはどの程度の資金が必要か?
それでは、50歳で早期退職するにはどの程度の資金が必要なのでしょうか?
仮に70歳から年金を受給できるとすれば、50歳から70歳までの約20年間を収入なしで過ごす必要があります。少なくともこの20年を「逃げ切る」だけの貯蓄が必要になります。
50代は20代~30代と比べて活動量は落ちてきます。ですから、そこまで多くの生活費が必要にはならないはずです。
単身世帯であれば、例えば月15~20万円程度の生活費を見ておく必要があるでしょう。
月の生活費:15~20万円
年間生活費:180~240万円
20年の生活費:3,600~4,800万円
一切資産運用をしないのであれば、3,600〜4,800万円の資産が20年間の生活のために必要になります。
一方で、投資で運用しながら取り崩すのであれば、70歳時点にかなりの資産を残すことができます。
例えば、50歳時点で4,000万円を保有している人が年率4%で運用しながら、毎年200万円取り崩していったらどうでしょうか?
なんと、70歳時点で2,200万円程度の資産が残ります。
仮に年金を月10万円もらえたとすれば、資産所得(80万円)と年金(120万円)で生活費200万円が確保できます。毎年200万円以内で生活すれば、資産が減らない状況をキープできます。
シュミレーション上は十分逃げ切ることが可能なのです。
早期退職のための資産を貯める難易度は?
上記でご紹介した早期退職のための資産を準備するのは大変だと思うかもしれません。
しかし、投資の必要性に早い段階で気づいて行動していれば、決して無理な金額ではありません。
仮に大卒23歳からの50歳までの28年間を会社員として働く場合を想定してみましょう。
この28年間に月5万円の投資を続けた場合、以下の通り3,600万円を確保することができます。
月5万円の投資:36,521,067円(年率5%のリターン)
確かに月5万円を投資に回し続けるのは楽ではありません。特に20代は給料が少なく難しいはずです。
しかし、最初は月2万円でも3万円でもよいのです。
資産形成を継続していくうちに投資へお金を回す生活スタイルが身についてきます。昇給などで給料が上がったら、徐々に投資資金を増やしていけばよいのです。
また、運良く退職金制度が充実しているのなら、もっと少ない投資額でも目標金額を達成できる可能性があります。
30代や40代での早期退職は月10万円以上の投資が必須ですが、50歳の早期退職なら現実的なレベルです。
50歳で早期退職すると損をしないのか?
50歳は会社での定年退職が見えてくる年齢でもあります。そうであれば最後まで会社にいたほうがよいと考えるものです。
その大きな要因が「退職金」です。
50歳で退職してしまうと定年までいればもらえるはずだった退職金が大きく減ってしまいます。ですから、定年まで我慢することで退職金をもらって辞めようと考えるのです。
一方で、退職金は厚労省が実施する「就労条件総合調査」によれば近年大きく支給額が低下しています。
終身雇用の崩壊が叫ばれている中で今後も退職金制度が維持され続けるとは考えにくいでしょう。
したがって、最後まで会社へしがみつく旨味はどんどん減っていくことが予想されます。
50代の10年間はまだまだ体が元気です。この10年間を仕事に費やすか自分のやりたいことをするかで人生の充実度が大きく変わるはずです。
まとめ
本記事では50歳での早期退職というテーマをまとめました。
50歳という年齢は定年が見えてくる年齢ですから、定年まで会社に勤めた方がよいと思うかもしれません。
しかし、しっかりと資産形成をして準備を進めてきた方なら早期退職という選択も悪くありません。50歳で早期退職すれば、体が元気なうちに会社以外の様々な活動をすることができます。
以上、ご参考になれば幸いです。