投資・資産形成

【米国高配当株ETF】結局HDV、SPYD、VYMのどれに投資すればよいのか?

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米国高配当株ETFにはHDV、SPYD、VYMがあるけど、どれに投資すればよいか迷っていませんか?

高校中退投資家Toshiはこれら3つの米国高配当株ETFを全て保有しています。一方で、これらの商品は銘柄が被っていたり、同じような値動きをするため、必ずしもすべての商品を保有する必要はありません。

本記事では、各高配当株ETFの特徴を比較しながら、どのような戦略で商品を選定すればよいのかご紹介します。

優良米国高配当株ETF

HDV:財務健全性が高い米国企業約75社へ投資

SPYD:S&P500で配当利回りの高い上位約80銘柄へ投資

VYM:米国の高配当銘柄約400社へ広く分散

どの米国高配当株ETFへ投資すればよいのか?

もちろん、投資に正解はありません。しかし、高配当株ETFへ投資されるということは、「配当金を受け取りたい」という気持ちが強いはずです。

その前提に立った時、投資の考え方は下記の通りシンプルにまとめることができます。この①と②の間でご自身の気持ちと合致する場所を探していくことになるでしょう。

おすすめの米国高配当株保有パターン

  1. すぐにでも配当金を増やしたい人/投資のモチベーションを上げたい人SPYDとHDVへ投資
  2. 配当金を使うのがまだ先の人/10年以上後のゴールを想定している人VYMへ投資

以下では、なぜこの2パターンがベースになるのかご説明していきます。

米国高配当株ETFの基本情報を比較!

まずは、米国高配当株ETFの基本情報を確認しましょう。

HDV SPYD VYM
設定年 2008 2015 2006
銘柄数 75 78 411
株価 94.89ドル/株 38.50ドル/株 101.09ドル/株
配当利回り 約3.5%~4% 4%以上 約3%
信託報酬 0.08% 0.07% 0.06%

注:HDV/SPYDは2021年3月末時点、VYMは2021年2月末時点の情報。株価は2021年3月31日時点のデータを基に作成。

銘柄数は、SPYD/HDVは80銘柄程度ですが、VYMは400銘柄以上と広く分散されています。信託報酬はどの銘柄も0.1%以下で大差ありません。どれも十分安い水準です。

配当利回りは購入時点の株価にもよりますが、下記図式が成り立つと考えて間違いありません。したがって、単純に今すぐ配当金が欲しいのであればSPYDへの投資が有力になります。

配当利回り:VYM<HDV<SPYD

投資銘柄は重複している?

次に各ETFの保有銘柄トップ10をまとめます。赤字で記載した銘柄が重複する銘柄です。HDVとVYMの上位銘柄が被っていることをご理解いただけると思います。

No. HDV SPYD VYM
1 Exxon Mobil Corp. HollyFrontier Corporation JPMorgan Chase & Co.
2 Johnson & Johnson Seagate Technology PLC Johnson & Johnson
3 JPMorgan Chase & Co. Hewlett Packard Enterprise Co. Procter & Gamble Co.
4 Verizon Communications Inc. People’s United Financial Inc. Bank of America Corp.
5 Chevron Corp. Valero Energy Corporation Intel Corp.
6 Procter & Gamble Co. ConocoPhillips Comcast Corp.
7 Altria Group Inc Hanesbrands Inc. Exxon Mobil Corp.
8 Merck & Co Inc Lincoln National Corporation Verizon Communications Inc.
9 Cisco Systems Inc Iron Mountain Inc. AT&T Inc.
10 Coca-Cola Fifth Third Bancorp Chevron Corp.

注:HDV/SPYDは2021年3月末j時点、VYMは2021年2月末時点の情報を基に作成。

TOP10銘柄以外も含めて考えると、VYMはHDVやSPYDに含まれるほぼ全ての銘柄を含んでいます。ただし、SPYDに含まれる不動産銘柄は除きます。

また、HDVとSPYDの比較では、15銘柄程度が被っています。

次にセクター別の情報をまとめます。SPYDの不動産セクターの割合が高いことが特徴的です。

No. HDV SPYD VYM
1 エネルギー 17.93% 金融 23.73% 金融 22.60%
2 ヘルスケア 16.53% 不動産 18.29% ヘルスケア 13.20%
3 生活必需品 15.46% エネルギー 14.58% 生活必需品 12.50%
4 金融 13.72% 公共事業 13.07% 資本財 9.90%
5 情報技術 11.14% 情報技術 6.63% 情報技術 9.20%
6 公益事業 8.10% 通信サービス 6.36% 公共事業 8.0%
7 通信サービス 6.56% 生活必需品 5.27% 通信サービス 7.7%
8 資本財 5.50% 素材 4.93% エネルギー 7.3%
9 一般消費財 3.37% 一般消費財 3.81% 一般消費財 5.8%
10 素材 1.26% ヘルスケア 3.34% 素材 3.80%

注:HDV/SPYDは2021年3月末時点、VYMは2021年2月末時点の情報を基に作成。

3つの高配当株ETFのリターンはどうか?

それでは、肝心の各商品のリターンはどうでしょうか?

以下に2016年3月末から2021年3月末時点までの株価推移を示します。SPYDは設定が2015年末であるため、同時期で比較可能な2016年以降としました。

出典: Yahoo Finance

HDV SPYD VYM
2016年3月末株価 78.36ドル/株 32.018ドル/株 69.35ドル/株
2021年3月末株価 94.89ドル/株 38.5ドル/株 101.09ドル/株
5年リターン 3.90%/年 3.76%/年 7.83%/年

VYMの株価上昇が他の2つと比較して高いことが分かります。もちろん、過去5年のデータを比較したものですから、今後を保証するものではありません。しかし、株価の上昇という観点からはVYMのパフォーマンスがよいことが分かります。

VYMのリターンとその他2つの商品とのリターンには4%近い開きがあります。配当利回りに4%もの差はありませんから、配当込みで考えてもVYMのパフォーマンスが最もよいことになります。

米国高配当株ETFは増配も期待できる!

次に過去の配当金の増配率を確認しましょう。「配当金を受け取り続ける」ために米国高配当株ETFを購入するわけですから、重要なのは配当金です。

2016年→2020年の増配率

HDV:7.22%/年 ≒ VYM:7.13%/年 > SPYD:1.90%/年

2016年以降、HDVとVYMは毎年増配しており、7%/年近い増配率を記録しています。一方で、SPYDは2%/年弱しかありません。しかも、2017年と2020年は減配でした。

仮に将来この増配率が継続したと仮定します。2021年3月末時点の株価で購入した場合の配当利回りと年間配当金の推移をシミュレーションした結果です。

購入株価に対する配当利回りは、2028年にVYMがSPYDを上回ります。つまり、長期でVYMを保有することで、配当利回りにおいてもSPYDを上回ることになります。

米国高配当株ETFの購入戦略

上記で示した通り、過去の株価上昇や配当利回り、増配などを総合的に考えれば、一番パフォーマンスがよいのはVYMです。

「リタイアは今すぐではなく10年以上先!」

「リタイアするまでは配当金は基本使わない!」

このように考えている人はVYMの購入がおすすめです。特に年齢が若い方などに向いているかもしれません。

一方で、VYMは配当利回りが低く、配当金が増えている実感を得ることが難しいです。

「今すぐ配当金を増やしたい!」

「多少リターンが下がっても配当金をたくさん受け取りたい!」

このように考える人はHDVとSPYDの両方を購入していくのがおすすめです。

HDVとSPYDの銘柄数は80程度しかありません。2つのETFの重複は15銘柄程度ですから、2つを組み合わせることで投資セクターの偏りなどを調整できます。

しかし、どちらかにしなければいけないということではありません。今すぐ配当も欲しいし、将来の増配も考えておきたい、そう考えた結果、私のようにすべてのETFを購入する人が出てくるのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では3つの米国高配当株ETFの特徴やリターンの比較を行い、どの商品を購入すればよいのか、考え方を示しました。商品選定の1つの基準にしていただければ幸いです。

米国高配当株ETFであるHDV、SPYD、VYMはどれもよい商品です。VYMはトータルリターンがよいし、HDVは増配もあって配当利回りもそこそこ、SPYDは配当利回りが素晴らしいです。どのETFも過去5年では10%前後のリターンを見せています。

ですから、どの商品を購入しても失敗ではありません。ご自身の置かれている状況を考えて、納得できる投資割合を模索していけばよいでしょう。

以上、ご参考になれば幸いです。

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