「海外で銀行口座を開設することは可能でしょうか?」
海外に銀行口座を開設することで、様々な投資商品にアクセスすることができ、資産運用の幅がぐっと広がります。一方で、近年はマネーロンダリングの関係もあり、その国に住んでいない「非居住者」が銀行口座を開設することは難しくなっています。
高校中退投資家Toshiは、「非居住者」でも口座開設が可能な数少ない国である香港で、数年前に銀行口座を開設しました。本記事では、私が香港で口座開設した体験談についてご紹介したいと思います。
HSBC香港とは?
香港には数多くの銀行がありますが、日本人が口座開設を目指す銀行として人気なのが「HSBC香港」です。
HSBC(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited)は、イギリスに本社を置く世界最大級のメガバンクで、世界の80カ国以上に支店を持っています。残念ながら日本からは撤退してしまいました。
HSBCは2019年における総資産の銀行ランキングでトップ10に入っており、三菱UFJ銀行よりもランキング上位に位置しています。
順位 | 国名 | 銀行 |
---|---|---|
1 | 中国 | 中国工商銀行 |
2 | 中国 | 中国建設銀行 |
3 | 中国 | 中国農業銀行 |
4 | 中国 | 中国銀行 |
5 | アメリカ | JPモルガン・チェース |
6 | アメリカ | バンク・オブ・アメリカ |
7 | アメリカ | ウェルズ・ファーゴ |
8 | アメリカ | シティグループ |
9 | イギリス | HSBCホールディングス |
10 | 日本 | 三菱UFJ銀行 |
HSBCプレミア口座の魅力
HSBC香港には預金平均残高によって、下記の通り複数の口座クラスが設定されています。日本人が口座開設できるのは、アドバンス口座以上となりますので、最低でも約300万円ほどを預け入れる必要があります。
口座クラス | 預金平均残高 | 預金平均残高 |
---|---|---|
Jade | HKD 7,800,000 | 109,200,000円 |
Premier | HKD 1,000,000 | 14,000,000円 |
Advance | HKD 200,000 | 2,800,000円 |
Personal Integrated | HKD 0 | 0円 |
注:1HKD=14円で計算
特にプレミア口座以上になると多くのメリットがあります。例えば、ATMでの現金の引き落とし手数料が無料になったり、専用のラウンジが使えたりします。
また、特に魅力的な特典が、他国のHSBCの支店へ口座開設ができるようになることです。通常はほとんどの国で「非居住者」は口座開設ができませんが、香港でHSBCのプレミア口座を開くことで、世界各国の銀行に口座開設が可能になります。
なお、口座開設後にPersonal Integratedへダウングレードもできるようです。ただし、投資金額が小さくなりますので、その程度の資産規模しかない方は、口座の開設自体が不要でしょう。
口座開設の事前準備
口座開設サポート業者の選定
HSBC香港の口座開設サポートをしている業者はそれなりにあります。
インターネットを使って検索すると、いくつかの業者を見つけることができるでしょう。ただし、業者の評判などの情報はあまり出てきませんでした。私の場合は、とりあえず有名そうな数社にコンタクトしました。
メールでやり取りした結果、サポート代は大体どこも同じくらいで、「HKD4,000~5,000(日本円で5万~7万円)」程度です。サポート内容はどこも同じであるため、メール対応が一番よいところを選びました。
必要書類の準備
口座開設に必要な書類は下記3点です。
- パスポート
- マイナンバーカード
- 現住所を証明するもの
①と②は元々持っていましたが、③の「現住所を証明するもの」の取得が大変でした。具体的には、「銀行の残高証明書」か「国際免許証」のどちらかを取得することになります。
日本の銀行では英語の書類を発行するのに時間とお金がかかる場合が多く、私は「国際免許証」を準備することにしました。
国際免許証はパスポート、運転免許証、写真1枚と手数料(私の時は2,350円)で申請ができます。取得時間は混み具合にもよりますが、2時間程度かかったと記憶しています。ちなみに国際免許証は1年間有効です。
現地渡航日の決定
会社員である私にとっては、事前に現地渡航日を決定することはかなり難しい作業でした。
サポート業者からは、銀行に事前予約をするため、2ヶ月前くらいには渡航日を知らせるよう依頼がありました。
HSBC香港は土曜の午前中は営業していますが、非常に混むため平日を設定するように勧められます。多くのサラリーマンは数ヶ月前に有給を使用する日を決定するのは至難の技でしょう。
会社を休むことが難しい方は、日本の祝日を狙うのがよいかもしれません。日本が祝日でも香港は違いますので、銀行も営業しています。
英会話の練習
サポート業者より送られてきた「銀行員からの想定質問集」を参考に、英会話の勉強をしました。
想定質問はそこまで難しいものではなく、「自分の誕生日」、「パスポート番号」、「口座を開設する目的」などです。
ただし、英語にアレルギーがある方は、事前に解答を作って暗記しておくとよいかもしれません。
まとめ
本記事では、HSBC香港の銀行口座開設のために行った準備についてご紹介しました。
特に「現住所を証明するもの」の取得に手間がかかります。運転免許試験場は休日に営業していない可能性もありますので、時間には余裕を持って準備を進める必要があります。
また、人によっては英会話の練習も気になるところかもしれません。このあたりは、「現地口座開設編」の記事も参考にしながら準備を進めていただくのがよいかと思います。
海外銀行口座の開設メリットの記事です。