投資・資産形成

インデックス投資と高配当株投資を両方するのはありなのか?

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投資をしていると「インデックス投資」と「高配当株投資」という2つの投資手法について色々な意見を聞きませんか?

SNSなどのインターネット上では「インデックス投資の方が効率的」とか「高配当株投資は配当金をもらえるからよい」など様々な意見が飛び交っています。

一方で、「インデックス投資」と「高配当株投資」はどちらか一方しかしてはいけないのでしょうか?それとも併用してよいのでしょうか?

本記事ではそんな疑問に答えるべくインデックス投資と高配当株投資の特徴をご紹介するとともに、2つの投資手法を併用すべきかどうか解説していきます。

インデックス投資か?それとも高配当株投資か?

インデックス投資_高配当株投資_両方結論として、インデックス投資と高配当株投資の両方を併用することはありだと考えます。

ただし、1つ条件があります。それはインデックス投資をご自身の投資手法の中心とし、すでに老後資金確保の目処が立っていることです。

つまり、おすすめはインデックス投資からスタートし、その後ある程度余裕が出てきたら高配当株投資を加えていくことです。実は私自身もこのようなスタイルで投資をしてきました。

以下ではなぜ2つの投資手法を併用してもよいのかその理由を解説していきます。

各投資手法の比較

まずは「インデックス投資」と「高配当株投資」がどのようなものなのか、それぞれの特徴を確認していきましょう。

インデックス投資

インデックス投資は日経平均やNYダウと言った指数に連動するような投資成果を目指す手法です。

毎月のお給料から数万円などの一定額を投資に回し、インデックスファンド(指数に連動する投資信託)をコツコツ購入するような方法が一般的です。

日経平均であれば225社で構成されています。そのため、日経平均に連動するインデックスファンドを1つ購入するだけでも225社全体へ投資することが可能です。

インデックス投資は個別株投資とは違って市場全体へ分散投資できるのが特徴です。

メリット

🔸素人でもプロ並みの成果が得られる可能性が高い

このインデックス投資の特徴の1つが素人でもそれなりの成果を出せる点です。

インデックスファンドと対になるのがアクティブファンドです。

アクティブファンドはファンドマネージャー(投資の専門家)が様々な企業分析を行い、市場以上のリターン、つまりインデックス投資以上のリターンを目指す商品です。

一方で、投資本として有名な「敗者のゲーム」の中で解説されている通り、たとえ投資のプロだとしても市場平均に勝ち続けることは難しいのです。


敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)

要はインデックスファンドに勝ち続けるようなアクティブファンドはほぼ存在しないということです。

長期的に淡々とインデックスファンドを購入している個人投資家は日々労力をかけて分析している投資のプロにすら勝てる可能性が高いのです。

🔸資産を効率的に増やせる

インデックス投資は資産を効率的に増やすのに最適であると言えます。

優良なインデックスファンドの多くは配当を出さない銘柄が多く、運用収益は再投資されるため複利効果が期待できます。したがって、配当金の再投資を自分でする必要はなく、手間をかけずに資産を効率的に増やすことができます。

また、インデックスファンドであれば数百円単位から投資ができますので、購入金額の調整が容易で積立投資との相性も抜群です。

老後資金の確保などを目的に何十年も先に使うお金を貯めるのであれば、インデックスファンドをコツコツ買い続けることが最適解になりうるのです。

デメリット

🔸退屈でつまらない

一方で、インデックス投資は退屈でつまらないというデメリットがあります。

上述の通り、インデックス投資では詳細な企業分析などは不要です。やるべきことはただひたすら株価指数などに連動するインデックスファンドを購入し続けるだけです。

多くの証券会社では毎月数万円のような形で定期買付を設定することができます。

一度この設定をしてしまえば、その後は特にやることはありません。たまに積立額を変更する必要があるかもしれませんが、給料が基本一定な会社員であればその頻度も少ないでしょう。

その結果、暇に耐えきれずに様々な投資商品を購入したり、別の投資手法に手を出したりしてリターンを下げてしまうのです。

🔸資産を溜めすぎてしまう

そして、資産を溜めすぎてしまうこともデメリットになり得ます。

インデックスファンドは基本的に配当を出さないため、使う時は自分で売却して現金化する必要があります。

一方で、増えたり減ったりしている評価額を見ながら、売却して使っていくことは非常に難しいです。

なぜなら、売却した後にすぐに評価額が上がってしまえば、なぜもう少し待てなかったんだろうと後悔することが容易に想像できるからです。

その結果、なかなか売却の決断ができずに、使う時期を逃してしまう可能性があります。

若くて体力のある年代にお金をひたすら溜め込んでしまい、老後に使いきれないくらいのお金を保有している方はたくさんいるのです。

高配当株投資

高配当株投資は配当利回りの高い株式を購入していく手法です。

日本の東証に上場する企業であれば配当利回りの平均はだいたい2%前後になります。

それよりも高い配当利回りである3%や4%と言った銘柄を買い集めていくのです。

もちろん、配当利回りが高くてもすぐに配当を減らしてしまう銘柄では持続性がありません。

したがって、企業分析をして配当を出し続ける体力のある企業を選定したり、株価が一時的に下がったタイミングを見計らって銘柄を購入することが重要です。

インデックス投資と比較してハードルが高い投資手法と言えるでしょう。

メリット

🔸キャッシュフローが強化できる

高配当株投資のメリットはキャッシュフローを強化できることです。

みなさんの多くは会社から毎月振り込まれる給料に依存して生活しています。一方で、高配当株投資をして会社以外から配当金が定期的に入ってくる環境を構築できると生活に大きなゆとりができます。

例えば、月3万円の配当金を受け取れるようになったらどうでしょうか?

水道光熱費や食費など生活費の一部を配当金で賄うことができるようになりますから、生活がだいぶ楽になるはずです。

🔸モチベーションの維持に効果的

また、定期的に配当金を受け取ることで投資を続けるモチベーションを維持できます。

インデックス投資だけをしていると評価額の変動しかありません。

徐々に資産が増えていることは理解できるかもしれませんが、投資をすることで自分の生活が良くなっている実感がありません。数字が変化するだけで普段の生活にはなんら影響がないからです。

一方で、配当金を受け取ることで着実に生活が改善されることを実感できるはずです。

精神的にもゆとりができますし、もっと配当金を増やそうというモチベーションを保てます。

デメリット

🔸資産形成時には不利になる可能性

高配当株投資は資産形成時には不利になる可能性があります。

資産形成時は配当金を受け取っても、受け取った配当金を再投資しなければ大きく資産を増やすことができません。

一方で、配当金は受け取ると約20%の税金を支払う必要があるのです。したがって、配当をあまり出さない銘柄と比較して効率が落ちます。

配当金は使ってしまうのならよいですが、そうでないのなら配当をあまり出さないインデックス投資をしていた方がよいという考え方もあるのです。

🔸初心者には難しい

また、投資初心者には難しい点もデメリットの1つです。

当然ながら個別株投資はリスクが高く、初心者としてはハードルが高いです。

また、最低限の分析が必要になるため、投資を始めたばかりの方にとっては難しいと感じるかもしれません。

よくあるのは納得した分析をせずに適当に購入した株が暴落して後悔するケースです。その結果、投資を始めてすぐに痛い目に遭って投資をやめてしまうのです。

インデックス投資と高配当株投資の併用がおすすめな理由

インデックス投資と高配当株投資にはそれぞれメリット/デメリットがありますが、両方のいいとこ取りをするのがおすすめです。

もちろん、インデックス投資と高配当株投資を両方やるのか、片方だけにするのか、これは自分が納得しているのであればどちらでも構いません。

また、その人の年齢や置かれている状況、家族構成など様々な要素が影響します。

したがって、万人に共通の答えを用意することはできません

しかし、多くの方にとっては、インデックス投資をコアにしつつ高配当株投資を組み合わせていくスタイルがよいでしょう。

インデックス投資をコアにすべき

投資を始める理由は人それぞれですが、多くの方にとって老後資金の確保などが上位に来るはずです。

つまり、将来の備えのために投資をしているのです。そうであればやはりインデックス投資に分が上がります。

効率的にお金を増やせるし、難しい分析や高度な知識もいらないからです。

一方で、老後資金の確保は実はそこまで難しくありません

インデックス投資で株式ファンドを購入しているのであれば、5%/年前後のリターンを狙うことは十分可能だと言われています。

この場合、2019年に話題になった老後2,000万円を達成するのに必要な投資資金は以下の通りです。

年利5%で運用した場合に必要な投資額

30年投資:24,031円/月

35年投資:17,605円/月

40年投資:13,106円/月

若いうちから取り組むのであれば、たった月数万円の投資でも十分老後の準備ができるのです。

どれだけのお金を老後のために準備したいのかは人により異なります。しかし、投資に慣れてくれば、多くの方は老後資金の確保の道筋をイメージできるようになるでしょう。

高配当株投資を組み合わせる

上述の通り、インデックス投資が軌道に乗ってくると老後資金の準備はそれほど難しくないことが分かってきます。

このまま月2万円の投資を続ければ老後資金は十分!」などと考えるようになるかもしれません。

そういった状態になったのであれば、高配当株投資を組み合わせるのも1つの手です。インデックス投資は継続しつつ、一部の投資資金は高配当株投資へと割り振るのです。

そうすることで配当金を受け取ることができ、日々のキャッシュフローの強化ができます。

そこで受け取った配当金は生活費の一部にするのもよし、趣味や交際費にして生活を充実させるのもよいのです。

そうすれば将来の備えとともに現在の生活も充実させることが可能です。

このようにインデックス投資と高配当株投資を組み合わせることで、現在の生活環境の向上と将来への備えの両方を実現することができます。

私が両方の投資手法を併用する理由

かくいう私もインデックス投資と高配当株投資の両方をしています。

インデックス投資では全世界株式へ投資する銘柄を中心に投資をしています。

VTの評価額がついに2,000万円を突破!VT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)という全世界の株式に投資可能な商品をご存知でしょうか?高校中退投資家ToshiはこのVTへの投資で老後資金の準備をしてきました。最近の株高と円安によって、老後資金の目標にしていた2,000万円に一気に到達しました。本記事ではVTの評価額が2,000万円に達した詳細についてご紹介していきます。VTへ投資されている方、投資を検討されている方は必見です。...

すでに老後資金(2,000万円)の見通しは立ったため、現在はキャッシュフローの強化を目的に配当金を増やすことに注力しています。

特に米国高配当株ETF(VYM、SPYD、HDV)は株主還元に積極的な米国の高配当株へ分散投資ができるのでおすすめです。

高配当株投資のネックである企業分析もこれらETF(上場投資信託)を活用すれば、あまり必死になってやる必要はないのです。

両方の投資手法を併用してよかった

実際に2つの投資手法を使ってみて、2つの投資手法を併用することはありだと考えています。

インデックス投資では株価が上がろうが下がろうがひたすら積立投資をして何十年も先の老後へ備えています。

また、高配当株投資は株価下落のタイミングなどを見計らって行うことで、配当金を着実に増やせています。

高配当株投資だけでは株高でなかなか投資ができずに焦ってしまいますし、インデックス投資だけでは暴落時になぜもっと購入しなかったんだろうと後悔してしまいます。

2つの投資手法を併用することでお互いをうまく補完することができているように感じています。

まとめ

本記事ではインデックス投資と高配当株投資を併用すべきかどうかというテーマで解説しました。

まずはインデックス投資で老後資金確保の道筋を作ることが先決です。余裕が出てきたら高配当株投資も組み合わせ、投資のモチベーションをキープしつつ現在の生活も充実させていくのがよいでしょう。

私個人の経験からもインデックス投資と高配当株投資を併用することで、投資を長く続けるモチベーションを維持できています。

ご自身のライフプランや置かれている状況にもよりますが、両方の投資手法の併用を検討してみてはいかがでしょうか。

以上、ご参考になれば幸いです。

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