こんにちは、TOSHI(@dropoutinvestor)です!
インフラファンドへの投資に興味はないでしょうか?
本ブログでは配当金生活との相性が良いインフラファンドについて、毎年各銘柄の最新情報をご紹介しています。
本記事では2025年1月時点のインフラファンド市場をアップデートするとともに、配当金生活におすすめなインフラファンドをご紹介していきます。
インフラファンドとは?
インフラファンドとは、投資家から集めた資金を再生可能エネルギー発電施設、道路、空港などのインフラに投資し、そこから生まれた収益を投資家へ分配するファンドです。
インフラファンドに似たスキームにREIT(Real Estate Investment Trust)があります。こちらは投資対象が不動産で、賃貸収入などを投資家へ分配する仕組みになっています。
日本で上場するインフラファンドは基本的に太陽光発電事業へ投資する商品になります。
インフラファンドへ投資するメリット
インフラファンドへ投資するメリットの1つが高い分配金利回りです。
日本で上場するインフラファンドからは5%以上の高い分配金を受け取ることが可能です。
株式であれば3~4%以上の配当利回りがあれば高配当株と言われますので、インフラファンドの分配利回りがいかに高いかご理解いただけると思います。
また、インフラファンドは不況に強いという特徴があります。
これは再生可能エネルギーである太陽光発電に固定買取制度があることが影響しています。国によって一定期間、一定価格で電力を買い取ってもらえるので安定した収益が期待できます。
インフラファンドへ投資するデメリット
一方で、インフラファンドへの投資にもデメリットはあります。
その一つが固定買取制度が期限付きである点です。固定買取制度が終了してしまえば大幅に収益が下がる可能性があります。
また、日本のインフラファンドの市場は小さく、投資市場が未成熟である点も懸念点の1つです。すでにいくつかの銘柄は上場廃止になっています。
2025年時点のインフラファンドを徹底比較
2025年1月時点で日本に上場するインフラファンドはたった5つしかありません。
銘柄 | 時価総額 |
---|---|
いちごグリーンインフラ投資法人 | 4,479百万円 |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 | 34,514百万円 |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 8,452百万円 |
エネクス・インフラ投資法人 | 27,236百万円 |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 19,326百万円 |
注:2024年12月30日時点の情報を基に作成
時価総額が一番高いカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人でさえ350億円ほどしかありません。
次にこれら5銘柄の株価と配当利回りを示します。
銘柄 | 株価 | 分配金 | 利回り |
---|---|---|---|
いちごグリーンインフラ投資法人 | 43,500円 | 4,065円 | 約9.3% |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 | 76,400円 | 7,525円 | 約9.8% |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 47,150円 | 5,722円 | 約12.1% |
エネクス・インフラ投資法人 | 48,900円 | 5,989円 | 約12.2% |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 44,000円 | 6,000円 | 約13.6% |
注:株価は2024年12月末時点。分配金利回りは直近1年分の分配金より算出。
どの銘柄も9%以上とかなり高い配当利回りになっています。
ここまで分配金利回りが上がっているのは、2024年にインフラファンドの株価が大きく下落したからです。
この詳細な理由は分かりませんが、株式等への資金流出や太陽光パネルのリサイクル義務化による収益悪化などが影響していると言われています。
以下では各銘柄の詳細についてご紹介していきます。
1. いちごグリーンインフラ投資法人
「いちごグリーンインフラ投資法人」は2016年12月に上場したファンドです。5つのインフラファンドの中でも最も歴史のあるファンドです。
一方、時価総額は約45億円と5銘柄の中で最も低くなっています。
上場してから現在までの分配金推移を下図に示します。
オレンジ色の利益超過分配金の割合が高いのが特徴です。どの年も半分以上は利益超過分配金です。
利益分配金のみで分配金利回りを計算すると約3.9%まで下がります。
物件数は昨年と変わらず15物件です。地域別の発電量の割合としては北海道と沖縄が30%ずつと高くなっています。
2. カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」は2017年10月に上場したファンドで、いちごグリーンインフラ投資法人の次に古いインフラファンドです。
時価総額は約345億円で5銘柄の中で最も大きい銘柄です。
なお、カナディアン・ソーラー・インフラグループは世界中で太陽光発電に関わる事業を展開しており、自社グループでパネルの製造などもしている点が強みです。
過去の分配金推移を以下に示します。
「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」は大半が利益分配金となっています。
そのため、利益分配金のみでの分配金利回りは約8%といちごグリーンインフラ投資法人を大きく上回ります。
物件数は2024年6月時点で31物件で、九州地方の割合が高いのが特徴です。
3. 東京インフラ・エネルギー投資法人
「東京インフラ・エネルギー投資法人」は2018年9月に上場したファンドです。
時価総額は約85億円と「いちごグリーンインフラ投資法人」の次に小さい規模です。
過去の分配金推移を下図に示します。
利益分配金の割合は各期で大きく変わりますが、最近は約半分が利益超過分配金になっています。
利益分配金のみで分配金利回りを計算すると約6.3%です。
2024年6月決算時点の物件数は昨年と同じで23物件です。地域別での発電割合は比較的分散されています。
4. エネクス・インフラ投資法人
「エネクス・インフラ投資法人」は2019年2月に上場したファンドです。
2023年6月に公募増資を行い、現在は12物件を保有しています。そのうちの1つは風力発電所です。
分配金は下図の通り毎年6,000円/口程度を想定しています。なお、2022年からは年2回の分配金支払いへと変更しました。
近年では半分以上が利益超過分配金で、利益分配金のみで計算した分配金利回りは5.4%程度まで下がります。
5. ジャパン・インフラファンド投資法人
「ジャパン・インフラファンド投資法人」は2020年2月に上場した5つのインフラファンドの中で最も新しい銘柄です。
一方で、物件数は2024年11月時点で61物件と5つのインフラファンドの中で最も多く、物件の地域分散を積極的に進めているのが特徴です。
各年の分配金推移を下図の通りです。
利益分配金と利益超過分配金の割合は各決算によってかなり異なります。
2024年は利益分配金の方が若干多く、利益分配金のみの分配金利回りは7%程度と高い水準です。
配当金生活におすすめのインフラファンドはどれか?
著者のおすすめのインフラファンドは昨年と変わらず以下の銘柄です。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人は利益分配金の割合が他の銘柄と比較して高くなっています。
そのため、利益分配金のみで計算した分配金利回りも約8%と5つの中で最も高いです。
もちろん、必ずしも利益超過分配金が悪いわけではありません。インフラファンドは基本的に保有資産は発電設備で減価償却が大きくなる傾向にあるからです。
しかし、「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」は利益超過分配金の割合が少なく、新規物件の取得などにも積極的に動いています。
今後も安定的に分配金を出す可能性が高い銘柄になるでしょう。
投資割合は少なめにしておくのがおすすめ
インフラファンドへの投資割合は少なめにしておいた方が無難でしょう。
インフラファンドは「不況に強い」、「安定した分配金が期待できる」などのメリットがあります。
一方で、2023年には何度も出力制御が実施されており、収益に大きな影響を与えています。また、2024年には大幅に株価が下落しました。
したがって、最大でもポートフォリオの5%程度くらいまでにしておくのがおすすめです。あくまでインフラファンドへの投資はサブ的な位置付けです。
以上、ご参考になれば幸いです。