会社を辞めて自由気ままに生きるセミリタイアや配当金生活を目指している方が増えています。
セミリタイアを目指している方の多くはセミリタイア資金が足りるかどうかを念入りにシミュレーションされているでしょう。
しかし、セミリタイア生活の成功を考える上で見落としがちなことがあります。
それが親の介護です。
みなさんのご両親がいつまでも元気でいるとは限りません。将来的に親の介護のために大きくプラン変更しなければいけない可能性があるのです。
そこで本記事ではセミリタイアと親の介護という視点で考えていきます。
介護は突然やってくるもの!
著者は幸いにも親の介護が必要な状況には陥っていません。
しかし、友人や親族の中には急に親の介護が必要になった方がいます。話を聞くと口を揃えてまさかこんなことになるなんてと言います。
確かに30代の自分の親はかなり高齢で、正月などに帰省するとかなり老けたなと心の中で思うことがあります。
年齢を考えれば当然ですし、自分も将来歩む道ですから仕方ないことです。
しかし、問題は親の介護が必要になるかは最後まで分からない点です。
突然倒れてそのまま亡くなってしまうケースもあるでしょうし、要介護状態で長期間面倒を見る必要があるかもしれません。
なお、厚生労働省の調査によれば75歳くらいから介護が必要な人の割合が大幅に増えます。
性別や今後の寿命の伸びなども影響しますが、ご両親がこの年齢付近の方は覚悟が必要です。
介護がセミリタイア生活に与える影響とは?
それでは介護がセミリタイア生活にどのように影響するのでしょうか?
以下では重要なトピックをいくつかピックアップしていきます。
移動が制限される
親の介護が必要になれば、親と同居するか親の近くに住む必要が出てきます。
したがって、セミリタイア後に海外を放浪しようとか、旅行で色々な場所に行こうと考えている人は生活スタイルの再考が求められます。
介護で定期的に面倒を見なくてはいけないため、気軽に長期旅行などには行けません。田舎などに移住するという希望も一時的に諦める必要があるでしょう。
移動の制約が発生することで、当初想定していたセミリタイア生活の実現が難しくなる可能性があります。
金銭的な負担が出てくる
介護のお金についても考えなければいけません。
ご両親に金銭的な余裕がなければ介護費用の負担が発生します。最悪の場合、親のために再度労働の必要が出てくるかもしれません。
もちろん親がしっかりと貯蓄されている方であれば問題ないでしょう。
それでも、間接的に収入が減る可能性は考慮する必要があります。
なぜなら、介護のためにセミリタイア生活で想定していた仕事ができなくなる可能性があるからです。
当初のシミュレーションでは十分なセミリタイア資金だと思っていたものの、介護に対応するために資金ショートしてしまう可能性があります。
精神面での負担が発生する
セミリタイアを目指す理由の1つに自分の時間や自由な時間の確保を挙げる方も多いはずです。
しかし、セミリタイア生活に親の介護が入ると、介護で多くを埋め尽くされてしまい、時間の余裕がなくなる可能性があります。
真面目な方に限って積極的に介護に関与して介護疲れを感じる方が多いのはよく聞く話です。
仕事を辞めて自由が手に入ると考えていたのに、親の介護でセミリタイア生活を心から楽しめなくなるかもしれないのです。
兄弟との関係性に左右される
兄弟がいらっしゃるなら介護がトラブルの種になる可能性があります。
兄弟で親の介護を分担する場合、「あなたは時間があるんだからいいでしょ?」という話になりかねません。
兄弟間で平等に介護を負担しあうなんて無理な話です。かと言って相続で話をつけようとすれば揉める原因になるかもしれません。
こう考えるとたとえ仲のよい兄弟だったとしても、セミリタイアしていることを言うかどうかは慎重にすべきです。
やりたいことを先送りにしない
親の介護が必要になるか分からないし、負担の程度もその人の置かれた状況によって大きく変わります。
もし幸いにも現在介護の問題がないのであれば、やりたいことは先送りにしないことが重要です。
例えば、海外への移住を検討しているのなら両親が元気なうちが良いでしょう。地方移住や田舎暮らしなどをしたいのなら先送りにせずにどんどんすることです。
なぜなら、時期を逃すとできなくなることはよくあるからです。
著者も海外セミリタイアを検討していましたが、海外のビザ制度は目まぐるしく変わっています。
コロナ以降はビザの取得難易度が大幅に上がってしまい、移住できる国に制限がかかってしまいました。
その結果、今は日本を拠点に時々海外へ行くようなスタイルがベターだと考えるようになっています。
このようにその時にやりたいと思っても、時期がずれるとできなくなったり方針転換が必要になります。
ですから、親の介護でプラン変更する前にできることはどんどんやっていくのがよいでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。