「億り人」という言葉をご存じでしょうか?
億り人とは投資などによって資産1億円以上を保有している人を指します。
投資をしたことのない方でもこの億り人になりたいとお考えの方はたくさんいるでしょう。
プロではない一般の方が投資をするなら「インデックス投資」が主流になります。しかし、このインデックス投資で億り人に到達することはできるのでしょうか?
結論として、インデックス投資で億り人は十分目指せます。しかし億り人になるには時間がかかり、多くの方は定年を迎えてしまうでしょう。
インデックス投資とは?
まず「インデックス投資」とはそもそも何なのでしょうか?
インデックス投資とは「市場の動きを示す指数に連動を目指す投資手法」です。この指数のことをインデックスと言うため、インデックス投資と呼ばれます。
例えば、日本の株式市場では「日経平均」や「TOPIX」、米国であれば「S&P500」や「ニューヨークダウ」など様々な指数があります。これら指数は数百や数千といった銘柄で構成されています。
この指数に連動することを目指す投資商品(インデックスファンド)を購入していくのがインデックス投資です。
インデックス投資では、市場全体(日本市場や米国市場全体など)へ投資することになるため、個別株投資と比較して投資商品の値動きはマイルドになることが多いです。
詳細な分析や個別株の選定は不要であるため、初心者の方にもお勧めの投資手法と言えます。
インデックス投資で重要なこととは?
長期投資
インデックス投資で重要なことの1つが長期投資です。
株式市場では株価が高い時期もあれば低迷してしまう時期もあります。したがって、投資した時期の市場の状況に大きく左右されてしまいます。
また、株価の変動を当てること、つまりタイミングを見計らって投資をすることはプロでも難しいです。そのため、短期投資で成功し続けることは普通の方には無理です。
一方で、長期的な視点で見れば世界経済は成長し続けています。短期的には不況な時期もありますが、好景気不景気を繰り返しながら、全体として経済は成長し続けていくものと考えられます。
そのため、インデックス投資はコツコツと長期で継続することが重要です。
分散投資
もう1つ重要なポイントが分散投資です。
例えば、日本市場に連動するインデックスファンドだけを購入していたらどうでしょうか?
今後日本がどんどん成長していけばよいですが、日本株が低迷し続けたらあまりお金を増やすことができません。
そのため、ある特定の国だけへの投資は最適な判断とは言えないでしょう。できるだけ幅広い地域へ投資しておくことが重要です。
実際に億り人を達成された方がいる
一方で、このような「インデックス投資」のデメリットは爆発力がないことです。
個別株への投資であれば短期間で株価が何倍へも上昇することがありえます。
一方、インデックスファンドは指数全体(数百や数千などの銘柄)へ投資する商品であるため、価格の変動は個別銘柄と比較してマイルドな傾向にあります。つまり、短期間で大きく儲けることは難しい投資手法です。
そのため、「インデックス投資」で億り人になるのは難しいと考えるのが一般的です。
しかし、このようなインデックス投資でも実は億り人になっている方がいらっしゃいます。
みなさんもブログやSNSなどで目にしたことがあるかもしれません。中には30代や40代などの若い世代でなられる方までいるのです。
億り人になるためのシミュレーション
インデックス投資で「億り人」になった方は高い給料の会社に勤めている方で、一般的な給与レベルの人には無理だと考えるかもしれません。
そこでここではどの程度の投資額と期間があれば億り人になれるのかシミュレーションしていきます。
毎月の給料から投資資金を捻出
多くの方は会社員としてお給料をもらいながら、その一部を投資に回していくしかありません。
したがって、月数万円のような形でインデックスファンドをコツコツ購入していくことになるでしょう。
一般的に株式指数で構成されるインデックスファンドへの投資であれば、4~6%程度の年率リターンが期待できると言われています。
シミュレーションするとどうなる?
下表は毎月の投資額と億り人になるまでの期間をまとめた表です。
当然ですが、投資額が多ければ多いほど、リターンが高ければ高いほど億り人になるまでの期間は短くなります。
投資資金 | 投資リターン | ||
---|---|---|---|
4%/年 | 5%/年 | 6%/年 | |
1万円 | 89年 | 76年 | 66年 |
2万円 | 72年 | 62年 | 55年 |
3万円 | 63年 | 55年 | 48年 |
4万円 | 56年 | 49年 | 44年 |
5万円 | 52年 | 45年 | 41年 |
6万円 | 48年 | 42年 | 38年 |
7万円 | 44年 | 39年 | 36年 |
8万円 | 42年 | 37年 | 34年 |
9万円 | 39年 | 35年 | 32年 |
10万円 | 37年 | 33年 | 30年 |
「億り人」になれないことはない!
このシミュレーション結果から分かることは「時間さえかければ億り人になれる可能性は誰にでもある」ということです。
確かに月1万円などの少額の投資では億り人になるまでに寿命が尽きてしまう可能性が高いでしょう。
しかし、例えば6%のリターンがあった場合、月5万円の投資を継続すれば定年まで(約40年)には1億円に到達します。
新入社員のお給料では月5万円の捻出は大変ですが、うまく節約をすれば全く無理な金額ではありません。
また、給料が増えて余裕が出てきたのであれば、投資資金を増やしていけば良いだけです。そうすれば億り人になるまでにかかる期間を減らすことができます。
結婚して共働きであれば各々2.5万円の投資だけでも世帯で億り人に到達します。
それなりの給与水準の会社に勤めている方であれば月10万円近い投資が可能な方もいるでしょう。
つまり、インデックス投資で億り人になることは考えられることなのです。
どんな商品へ投資すればよいのか?
手数料が安い商品を選ぶ!
それではどんなインデックスファンドに投資をすればよいのでしょうか?
まず重要なのは手数料が安い商品を選ぶことです。
インデックスファンドは指数に連動することを目指す商品でした。したがって、連動する指数が一緒であれば、それら商品の中身はほぼ一緒です。
例えば、ジュースをコンビニとスーパーのどちらで買うか考えた時、スーパーの方が安いことが多いです。中身が同じであればスーパーで買った方がよいことになります。
つまり、中身が変わらないのであればできるだけ価格の安い商品を選ぶのがよいということです。
主流は全世界や全米株式
次にどの指数を選ぶべきかという点です。
現在インデックスファンドとして人気の商品は以下2つです。
- 米国株式のインデックスファンド
- 全世界株式のインデックスファンド
米国株式のインデックスファンド
1つ目は米国株式へ連動するインデックスファンドです。
「S&P500」という米国の優良500銘柄に投資する指数を聞いたことがある方も多いでしょう。
この指数を構成する銘柄には非常に厳しいルールが設けられており、優良企業しか入ることができません。また、米国は世界経済の中心でありグローバルに事業を展開する企業が多く含まれています。
ここ最近の米国のパフォーマンスが良かったこともあり、米国株式への投資が人気を集めています。
全世界株式のインデックスファンド
そしてもう1つが全世界株式へ連動するインデックスファンドへの投資です。
上述の通り、ここ最近の米国経済の調子は良かったですが、今後も同じように成長し続けるとは限りません。中国の経済も大きく成長していますし、人口が世界一になったインドが台頭してくるかもしれません。
このように考える方は、米国への集中投資ではなく全世界の株式を好んで購入されている方がいらっしゃいます。
お勧めの商品はこれ!
具体的にお勧めの商品を1つ選ぶのであれば、通称オルカンと呼ばれる以下の銘柄です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
どれか1つだけ保有するなら、やはり幅広く分散が効く全世界株式への投資がお勧めです。なぜなら、銘柄銘柄の変更についてあれこれ考えなくてよいからです。
その中でもオルカンは手数料が最安値クラスで、しかも多くの資金を集めている人気ファンドです。
したがって、投資の初心者の方が投資先に迷っているのであれば、まず第一候補として考えたい銘柄です。
まとめ
本記事ではインデックス投資で「億り人」へ到達できるかというテーマを解説しました。
インデックス投資で億り人になることは無理ではありません。しかし、そのためには新入社員から定年までせっせと投資にお金を回し続けなければいけません。
また、達成までに相当な年月が必要なため、億り人を達成する頃には老人になっている可能性が高いでしょう。
老後にお金持ちになっても使いきれずに死んでしまう可能性もあります。目標として億り人は区切りがよいですが、億り人にこだわらずにできる範囲で投資をしていくのがよいでしょう。
しかし、凡人でもできるインデックス投資だけでも億り人を目指せるというのは夢がありますね。
以上、ご参考になれば幸いです。