NISA(少額投資非課税制度)を活用して投資をするならどんな銘柄を選べばよいのでしょうか?
多くの方はランキング上位の人気銘柄を投資対象として検討されるでしょう。しかし、ランキング上位でも長期積立に向かない商品はたくさんあります。
そこで本記事では大手ネット証券であるSBI証券と楽天証券のNISAで購入されている人気銘柄のランキング(2023年7月)を解説していきます。NISAで投資する際の商品選定の参考にしていただければ幸いです。
なお、2023年6月のランキングは下記記事でもご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2023年7月のNISAランキング
2023年7月のSBI証券と楽天証券のNISAランキングは以下の通りです。
順位 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
2 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
3 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
4 | SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
5 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド | iFreeNEXT インド株インデックス |
6 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) |
7 | ピクテ-iTrustインド株式 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス |
8 | eMAXIS Slim国内株式(日経平均) | iFreeレバレッジ NASDAQ100 |
9 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | iFreeNEXTFANG+インデックス |
10 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | auAMレバレッジ NASDAQ100 |
出典:SBI証券HP及び楽天証券HPより作成。SBI証券は7月のつみたてNISAの積立設定金額ランキング、楽天証券は7月のNISAの積立設定金額ランキング。
SBI証券のランキングでは「ピクテ-iTrustインド株式」と「ニッセイ外国株式インデックスファンド」が新しくランクインしました。
先月のランキングでは日本株の好調を受けて国内株式を投資対象にする銘柄が多く含まれていましたが、今月は8位の「eMAXIS Slim国内株式(日経平均)」のみとなりました。
そして楽天証券のランキングには「iFreeNEXTFANG+インデックス」と「auAMレバレッジ NASDAQ100」の2銘柄が新規にランクインしました。
ランキング上位商品のご紹介
今月は楽天証券の9位にランクインした「iFreeNEXTFANG+インデックス」をご紹介していきます。
iFreeNEXTFANG+インデックス
「iFreeNEXTFANG+インデックス」は「NYSE FANG+指数」へ連動する投資成果を目指す投資信託です。
FANGは世界経済を引っ張る以下の米国企業の頭文字を取ったものです。
- Facebook (現Meta Platforms)
- Amazon.com
- Netflix
- Google (Alphabet)
これらFANGに6銘柄を加えた10銘柄が投資対象になります。米国市場に上場する中から厳選された企業へ集中投資する投資信託です。
一方で、信託報酬は年率0.7755%(税込)とかなり高めです。また、純資産総額は2023年7月末時点で約320億円とあまり多くないことにも注意が必要です。
iFreeNEXTFANG+インデックスの構成銘柄
「iFreeNEXTFANG+インデックス」の構成銘柄とその割合を下表に示します。
本投資信託は基本的に各企業へ均等に投資します。したがって、比率はどの企業もほぼ同じです。
FANG以外にもApple、Microsoft、NVIDIA、TESLAなど世界経済へ大きな影響を与える企業が並んでいます。
順位 | 銘柄 | 比率 |
---|---|---|
1 | META PLATFORMS INC CLASS A | 11.0% |
2 | NETFLIX INC | 10.1% |
3 | AMAZON.COM INC | 10.0% |
4 | NVIDIA CORP | 9.8% |
5 | TESLA INC | 9.6% |
6 | ADVANCED MICRO DEVICES | 9.5% |
7 | SNOWFLAKE INC-CLASS A | 9.3% |
8 | ALPHABET INC-CL A | 9.3% |
9 | APPLE INC | 9.1% |
10 | MICROSOFT CORP | 8.6% |
出典:iFreeNEXTFANG+インデックスの交付目論見書をもとに作成(2023年1月末時点)
セクター別の割合
次に「iFreeNEXTFANG+インデックス」のセクター別の投資割合を下表に示します。
情報技術やコミュニケーション・サービスと言ったテクノロジー系の企業が大部分を占めています。
順位 | セクター | 構成比 |
---|---|---|
1 | 情報技術 | 46.3% |
2 | コミュニケーション・サービス | 30.3% |
3 | 一般消費財・サービス | 19.6% |
出典:iFreeNEXTFANG+インデックスの交付目論見書をもとに作成(2023年1月末時点)
リターン
「iFreeNEXTFANG+インデックス」のリターンを下表に示します。
なお、比較対象のために人気投資信託である「eMAXIS Slim」シリーズの商品のリターンも一緒に示しています。
銘柄 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
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iFreeNEXTFANG+インデックス | 39.6% | 85.6% | 31.3% | -31.4% |
国内株式(日経平均) | 20.6% | 18.1% | 6.4% | –2.4% |
先進国株式 | 28.9% | 9.0% | 38.3% | 3.8% |
全世界株式(除く日本) | 27.5% | 9.0% | 34.1% | 2.3% |
全世界株式(オール・カントリー) | 26.8% | 9.0% | 32.7% | 2.1% |
全世界株式(3地域均等型) | 21.6% | 8.7% | 19.3% | -1.6% |
米国株式(S&P500) | 30.5% | 10.3% | 44.5% | 6.0% |
バランス(8資産均等型) | 16.3% | 1.0% | 16.0% | -0.5% |
新興国株式 | 18.4% | 8.8% | 8.7% | -8.5% |
他の銘柄と比較すると「iFreeNEXTFANG+インデックス」のリターンの変動の大きさがお分かりになるでしょう。
2019年や2020年は他の指数を圧倒するプラスのリターンを出しています。一方で、2022年は新興国株式よりもパフォーマンスは大幅に悪い結果でした。
このように大きな変動はあるものの、過去10年のデータでは大きなリターンが得られた指数でもあります。
まとめ
本記事では2023年7月のNISA人気ランキングをご紹介しました。また、楽天証券の9位にランクインした「iFreeNEXTFANG+インデックス」の詳細を解説しました。
「iFreeNEXTFANG+インデックス」は世界的に大きな影響力を持つ厳選された米国上場企業へ投資が可能な投資信託です。
投資銘柄は少なく集中投資になり各年のリターンの変動も大きいですが、この10年近くは大きなリターンを記録しています。基準価額の激しさが気にならないのであれば投資を検討しても面白いでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。