投資・資産形成

VT一本だけで世界中の株式へ投資する戦略!

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ご自身のポートフォリオがぐちゃぐちゃになっていませんか?

投資を始めるとあれもこれも様々な銘柄を購入したくなるのが普通です。

その結果、保有銘柄はどんどん増えていってしまいます。

一方で、一つの銘柄だけを保有していれば、ポートフォリオはシンプルだし管理も楽です。

全世界の株式へ投資ができる銘柄にVT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)があります。

もしどれか1つの銘柄しか投資できないのであれば、このVTへの投資が1つの選択肢になるでしょう。

VT一本だけでもよい!

VT一本だけで世界中の株式へ投資する戦略VTは全世界40カ国以上の約10,000の株式へ投資が可能な銘柄です(2024年7月末時点)。

定期的に銘柄の入れ替えをしてくれるので、手間をかけずに世界中の株式へ分散投資が可能です。

VTの特徴を以下に示します。

VTの特徴

  • 世界40カ国以上、約10,000銘柄へ投資
  • 経費率は0.1%/年以下と激安
  • 2008年から15年以上の運用実績
  • 世界最大級の資産運用会社であるバンガードの商品
  • 純資産総額は約38,000百万米ドル

注:2024年7月時点の情報

世界各国の約1万もの株式へ分散投資ができるにも関わらず、経費率はたった0.07%/年です。

仮に100万円を保有していても、1年間の費用はたった700円でしかありません。

また、VTの純資産額は5兆円を超えるレベルにあり、十分なお金を集めていると言ってよいでしょう。

VT一本だけへ投資する問題点

VTは優れた銘柄であるものの、欠点がないわけではありません。

VTだけを保有していると言えば、以下のようなデメリットについて指摘されるでしょう。

償還の恐れがある

実はVTはそこまで人気のある銘柄ではありません。

例えば、米国全体へ投資するVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)や、S&P500指数へ投資するVOO(バンガードS&P500ETF)などは60〜70兆円とVTの10倍以上もの純資産総額があります。

世界的には全世界の株式へ投資するよりも、世界経済の中心である米国株への投資が一般的です。

人気がそこまでない銘柄の問題は途中で経費率が上がったり、上場廃止になる恐れがある点です。

せっかくVTへ集中投資しても、上場廃止になれば一旦売却して別の銘柄を選定し直す必要が出てきます。

株式100%なのでリスクが高い

全世界へ分散投資ができると言っても、投資対象は株式のみです。

したがって、価格変動は債券などと比較して大きくリスクは高めです。

資産形成期にはリターンの高い株式への投資だけでもよいかもしれませんが、問題は年齢を重ねてお金を使うフェーズに近づいている方々です。

このような方々にとっては、株式のみへ投資するVTはリスクが高すぎる可能性があります。

現金を厚めに保有するなど微妙な調整が必要になってきます。

米国以外の割合が低すぎる

米国株以外への投資割合が少なすぎる点です。

VTは2024年7月末時点で米国への投資割合が約60%と大部分を占めます。

一方で、米国の次に投資割合の高い日本はたった6%しかありません。

このように米国以外の投資割合が極端に低く、これなら米国株だけへ投資すればよいとの意見もあるのです。

分配金が出る

メリットにもデメリットにもなり得るのが分配金を出す点です。

無配の投資信託とは違ってVTは四半期ごとに分配金を出すため、これがデメリットになる場合があります。

なぜなら、分配金の受け取りにより一旦税金を支払う必要があるからです。

特に資産形成期は受け取った分配金を再投資してどんどん資産を増やすのが一般的です。

それなら分配金を出さない銘柄で運用した方が効率的に資産を増やせる可能性があります。

二重課税の問題がある

米国市場に上場する銘柄であることもあり、少し面倒な点があります。

それが二重課税の問題です。

上述の通り、VTは分配金を出す銘柄ですが、分配金の受け取り時には10%の現地課税がかかります。その後、日本の税金約20%が差し引かれる形です。

その結果、合計で約28%もの税金を払うことになります。日本の税金だけなら約20%ですから大きな差です。

もちろん外国税額控除というシステムがあり、確定申告で一部の税金を取り戻すことは可能です。

しかし、還付される金額は収入等に左右されるため、税制面での不利は否めません。

その他の銘柄一本はどうか?

世の中にはVT以外にも様々な優良銘柄があります。

特に日本人に人気の高い銘柄に米国全体へ投資するVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット)や高配当株へ投資するVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)などがあります。

これらの銘柄一本へ投資するのはどうなのでしょうか?

VTI

VTIへの投資は世界経済の中心である米国へ集中投資することになります。

そのため、VTIの問題は米国経済の調子が悪い場合です。

近年は米国株が好調であったため、米国株へさえ投資していれば大きく資産を増やすことができました。

一方で、米国のこの調子がずっと続くとは限りません。

特に若い方々は何十年と投資を続けていくことになります。

数十年後の世界でどの国の調子がよいかなんて誰にも予想はつかないでしょう。

他国との争いなどで大きな規制を受けて、大ダメージを受けることがあるかもしれません。

一つの国へ集中投資するのは得策とは言えないのです。

VYM

VYMのような高配当株ETFへ集中投資する方法です。

高配当株ETFは配当利回りが高いため、受け取った配当だけを生活の原資にする配当金生活にはもってこいの商品です。

配当金だけを使う生活なら保有する株の売却も必要ないため、リタイア後の運用面のハードルが低くなります。

しかし、高配当株の場合は成長性の高いグロース株が排除されるため、トータルリターンで劣る可能性があります。

長期で運用するならグロース株を含むVTIやVTなどの銘柄の方がよいと言えるでしょう。

VT一本を保有する投資戦略

世界中の株式へ分散投資ができるVTをひたすら購入する戦略は1つの解になるでしょう。

あれこれ考えずに以下の方針で購入し続ければよいからです。

  • 半年〜1年程度の生活防衛資金を確保する
  • 余剰資金でひたすらVTを購入する
  • 目標金額までは分配金は再投資、その後は分配金を使っていく

VTの分配金利回りは2%程度あります。

したがって、数千万円規模の運用額になればそれなりの分配金を受け取れます。

例えば、2,500万円を運用していれば、年間50万円ほどの分配金まで育つのです。

老後資金の目標額へ到達したら、分配金を使っていくことで現役時代の生活も充実させることができます。

投資信託でも構わない

最近はオルカンと呼ばれる全世界の株式へ投資できる投資信託も出てきています。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

オルカンは分配金を出さないため、VTの欠点の1つである分配金について気にする必要がありません。

分配金は自動で再投資されるため、効率的に資産を増やすことができます

また、信託報酬はVTよりも安い水準になっていますし、大手ネット証券を中心に取り崩しのための定率売却サービスなども出てきています。

したがって、オルカンのような全世界株へ投資する無配の投資信託も選択肢に入るでしょう。

いずれにしても、ポートフォリオをシンプルにしたいのであれば、全世界株へ投資するVTのような銘柄への投資は理にかなっています。

以上、ご参考になれば幸いです。

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