小金持ちになったと言える1つの基準が金融資産5,000万円の保有です。
野村総研によれば、金融資産5,000万円以上1億円未満を「準富裕層」と位置づけています。この準富裕層に到達すれば、独身の方ならフルリタイア、家族持ちでもセミリタイアが可能なレベルになります。
ここまで資産を増やすことができたのなら、株式一本ではなく少し違った分散を考えても良い時期です。
そこで、本記事では準富裕層に到達したら、次のステップとしてやっておくべき分散についてご紹介します。
今回ご紹介することをしっかり準備しておけば、よほどのことがない限り人生を生き抜いていけるでしょう。
準富裕層から考えるべき分散!
人の欲というものは恐ろしいものです。資産5,000万円を達成すれば今度は6,000万円へ、6,000万円を超えれば7,000万円へとどんどん資産を増やしたくなります。
しかし、5,000万円を投資に回すことができれば、人が生きていく最低限のお金を作ることが可能です。
5,000万円×4%=200万円(月16.7万円)
注:資産を4%で取り崩した場合の資産所得。
ここからは金融資産の増大だけを追求するのではなく、どんな社会変化にも対応できるより強固な体制を構築していくことに力を入れるべきです。
以下に準富裕層へ到達したら考えたい分散についてご紹介します。
- コモディティへの投資
- 法人の設立
- 海外口座の開設
- 居住地の分散
- iDeCoの活用
コモディティへの投資
まず考えておきたいのが、金などの現物を保有しておくことです。
コロナショックで各国政府が紙幣を大量に刷ったこともあり、お金の価値がどんどん下がっています。
こんな時に強いのが金(ゴールド)です。特に現物の金貨や金の延べ棒を保有しておけば、円の大暴落があった際に心強いです。お金以外に高く売れるものを持っておけば、預金封鎖のような事態にも対処できるからです。
もちろん、金だけでなく高級時計などを保有しておくことも一案でしょう。
しかし、大量に保有すると盗難のリスクも生じます。そのため、何かあったときに一時的に凌ぐ手段として、金貨などを少し保有しておくことがおすすめです。
法人の設立
法人を設立、つまり自分の会社を設立しておくことも有効です。
大きな事業をする必要なんてありません。自分の資産の一部を法人へ移して、資産運用をすればよいだけです。いわゆる「資産管理会社」の設立です。
法人は個人とは違う税率が適用されますし、経費をうまく使えば税率を限りなく0に抑えることができます。
また、個人に対しては今後増税されていくでしょうが、法人に対しては低い税率をキープする可能性が高いです。なぜなら、日本の法人税が高ければ、みんな海外に出て行ってしまうからです。国際的な競争力を維持するためにはある程度法人税を低く抑えなければいけません。
したがって、法人を設立しておけば、個人への大幅な増税があった場合に法人を活用してうまく税率をコントロールすることができます。
準富裕層は個人資産を十分に持っているわけですから、法人を設立して大きな変化にも対応できる環境を構築すべきです。
海外口座の開設
いざとなったら海外で生活することも想定しておくべきです。
日本は借金まみれの国であり、日本の財政が置かれている状況は厳しいと言わざるを得ません。また、少子高齢化の影響もあり、日本経済はますます厳しい状況に追い込まれていくでしょう。
日本がどんどんだめになっていく可能性を考えて、海外の銀行口座や証券口座を保有しておきたいところです。
なぜなら、仮に海外へ移住すると、日本の銀行や証券会社はほぼ使えなくなってしまうからです。
海外の口座なら海外移住した場合にも継続利用ができますし、香港やシンガポールのように投資に係る税金が非常に低い国もあります。日本が機能しなくなった場合を想定して、海外の口座を1つ保有しておくと安心です。
居住地の分散
色々な場所に長期滞在して自分が住める場所をどんどん増やすことも重要です。
大事なのは「何かあった場合に別の場所でも問題なく住める」という状態を作ることです。
例えば、東京育ちで東京しか住んだことがない方は非常に危険です。なぜなら、震災などで東京に壊滅的なダメージが生じてもすぐに他の街に移住できないからです。
もっと言えば、日本の経済が悪化して公共サービスも大幅に低下したら、海外に住んだほうがよいなんてことになるかもしれません。その際に「海外でも平気です」という人のほうがこの厳しい世の中を生き残る確率は格段に上がります。
色々な場所に長期滞在してみて、自分がどんなところに住めるのか確認しておくことがおすすめです。
海外に興味がある方であれば、ビザの取得なども準備しておくとよいでしょう。
iDeCoの活用
個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用して、老後の資金を確保しておくことをおすすめします。
FIREを目指している方はiDeCoを利用せずに投資をしている人も多いはずです。なぜなら、iDeCoは老後まで引き落とすことができない資産だからです。
FIREを達成するような方は十分な資産があるわけですから、わざわざ老後まで引き出せないiDeCoを活用する必要はあまりありません。
一方で、iDeCoには別のメリットもあります。それが「自由財産」であることです。つまり、基本的に差し押さえが禁止なのです。
人生何が起きるか分かりません。何かのトラブルに巻き込まれて金融資産をすべて失うかもしれません。そんな時にiDeCoの資産があるのとないのとでは老後の生活に雲泥の差が出てきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
金融資産5,000万円までは株式一本への投資でよいというのが私の考えです。
一方で、一旦金融資産5,000万円に到達してしまえば、後は不測の事態に備えて今回ご紹介したような様々な分散をしておくことをおすすめします。
そうすれば、日本が未曾有の事態に巻き込まれても何とか生き延びることができるでしょう。
資産5,000万円に到達したら、次のステップとして何があっても生き延びられる強固な体制を構築していきましょう。
以上、ご参考になれば幸いです。