セミリタイア生活

セミリタイア/早期リタイアする人にも重要?退職所得をしっかり理解しよう!

皆さんは退職所得についてきちんと理解されていますか?

「退職金が出る会社じゃないから私には関係ない!」

「自営業だから退職金とは無関係!」

「セミリタイア/早期リタイアを目指しており、どうせ大した退職金なんてもらえない!」

実は上記のような方々も退職所得について理解しておく必要があります。なぜなら、個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金を一時金で受け取る場合、退職所得として扱われるからです。

本記事では、誰もが抑えておくべき退職所得の基礎についてご説明します。また、セミリタイアを目指す方がiDeCoを受け取る際の退職所得控除額について、事例を交えてご紹介していきます。

セミリタイア/早期リタイアにも退職所得の理解は必須!

退職所得と言えば、会社から受け取る退職金をイメージする方が大半ではないでしょうか。

実は退職金だけでなく「確定拠出年金」も退職所得に含まれる場合があります。

確定拠出年金では、60歳以降に「年金」もしくは「一時金」として受け取ることができます。その際の所得の分類は下記の通りです。

  • 一時金での受取り→退職所得
  • 年金での受取り→雑所得(公的年金等の雑所得)

つまり、確定拠出年金に加入されている方は、退職所得についてしっかりと理解しておかないと、受け取りの際に税金で損をする可能性があるのです。

退職所得の基本を理解しよう!

では、退職所得の計算方法について確認していきましょう。

退職所得の基本計算式は下記の通りです。

退職所得=(収入金額−退職所得控除額)x1/2

収入金額から差し引くことができる「退職所得控除額」が重要です。「退職所得控除額」は下記計算式で決定されます。

20年以下:40万円 x 勤続年数

20年超:800万円+70万円 x (勤続年数ー20年)

つまり、勤続年数が増加すればするほど、どんどん退職所得控除額が増えていく仕組みです。特に20年を超えると1年で70万円も枠が増えます

退職所得控除額の事例

  • 10年勤務:退職所得控除額 400万円
  • 20年勤務:退職所得控除額 800万円
  • 30年勤務:退職所得控除額 1,500万円

この範囲内の退職金を受け取るならば、税金を支払う必要はありません。仮に控除額を超えた場合も、半分(1/2)だけが税金の計算をする所得としてカウントされます。

セミリタイア後の確定拠出年金の控除額!

それでは、セミリタイアした場合を例にあげて、退職所得控除額を確認してみましょう。

セミリタイアした際に会社から受け取る退職金はかなり少なくなるはずです。なぜなら、通常退職金は勤続年数が長くなるほど急激に増えていくシステムになっているからです。

したがって、セミリタイア時の退職金の税金は、深く考える必要はありません。非課税の方が大半です。

確定拠出年金を一時金で受け取るとどうなるか?

次に確定拠出年金を「一時金」として60歳時点で受け取る際の税金を考えます。

会社に所属しながらiDeCoや企業型確定拠出年金を運用している場合、退職所得控除額の計算が少し複雑になります。

退職所得控除額計算のポイント!

退職金の受取りから14年以内→重複期間を考慮する必要あり

退職金の受取りから15年以上→確定拠出年金の加入年数で計算

以下では、2つの事例を挙げて説明していきます。

  事例1:退職金の受取りから14年以内の場合

  • 50歳で退職して退職金を受け取った(ただし、退職控除額を使い切った場合)
  • 確定拠出年金は会社在籍中の30歳から開始
  • 確定拠出年金を60歳で一時金として受け取る

事例1は、会社で退職金を受け取ってから10年後に、確定拠出年金を一時金として受け取ります。

問題になるのは30歳~50歳までの20年間の取り扱いです。この場合、会社在籍中の重複期間を差し引いて退職所得控除額を決定する必要があります。

通常の控除枠:20年×40万円+(30年-20年)x 70万円=1,500万

重複期間(30歳〜50歳):20年×40万円=800万

退職所得控除枠:1500万円ー800万円=700万

なぜなら、確定拠出年金を受け取る14年以内に退職金を受け取った場合は、重複期間を考慮しなければいけないというルールがあるからです。

前年以前4年内(確定拠出年金の老齢給付金として支給される一時金の支払を受けた年分は前年以前14年内)に他の支払者から支払われた退職手当等(以下「前の退職手当等」といいます。)がある場合に、本年分の退職手当等の勤続期間と前の退職手当等の勤続期間との重複期間

出典:国税庁ホームページより

  事例2: 退職金の受取りから15年以上経過した場合

  • 40歳で退職して会社から退職金を受け取った
  • 確定拠出年金(iDeCoまたは企業型)は会社在籍中の30歳から開始
  • 確定拠出年金を60歳で一時金として受け取る

事例2では、40歳に会社から退職金を受け取ってから、確定拠出年金を受取るまでに15年以上経過しています。

先程の14年以内のルールに当てはまりませんので、退職所得控除枠は確定拠出年金を開始した30歳~60歳までの30年間で計算できます。

20年 x 40万円+70万円 x(30年ー20年)=1,500万円

事例1と事例2では確定拠出年金に同じ30年間加入しているにも関わらず、事例2の方が倍以上の退職所得控除枠がある結果となりました。1,500万円の控除枠があれば、ほぼ無税で確定拠出年金を受け取ることができるでしょう。

事例1のケースで税金を抑えるためには、65歳以降(15年以上経過)まで待ってから一時金として受け取るなどの対応が必要です。

セミリタイアを目指すならiDeCoは意外と使えるかも

セミリタイア/早期リタイアを目指すなら、確定拠出年金は活用すべきではないという意見があるのも事実です。

確定拠出年金のお金は老後まで使えませんから、現在の不労所得を増やすことにつながりません。つまり、セミリタイアを達成する時期が遅くなるということです。

しかし、下記記事でもご紹介しましたが、iDeCoや企業型確定拠出年金を活用することで、老後の年金をカバーすることができます。

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更に、今回ご紹介したとおり、会社を退職から15年以上が経過していれば、大きな退職所得控除枠を確保でき、税制上有利な立場でお金を受け取れます。

つまり、確定拠出年金は、値上がり益も非課税、受け取り時もほぼ非課税、さらに会社員時代は所得税や住民税を抑えることが可能です

たとえ、セミリタイアや早期リタイアを目指している方でも活用の価値がある制度です。

退職所得控除額は今後変更される可能性あり!

ただし、今後税制が変わる可能性があることも頭に入れて置かなければいけません。

今回ご紹介した「退職所得」はかなり優遇されています。例えば、40年勤めた方の退職所得控除枠はなんと2,200万円まで達します。

退職所得控除額:20年×40万円+20年×70万円=2,200万円

仮に3,000万円という高額な退職金を受け取ったとしても、退職所得はたった400万円です。

退職所得:3,000万円ー2,200万円x1/2=400万円

老後2,000万円問題をはるかに超えた金額を無税で受け取ることができます。

このように退職所得は恵まれすぎているという意見があり、度々税制の変更について議論されています。おそらく、将来的には退職所得の控除枠は下がるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

退職所得は退職金を貰える会社員の方だけではなく、確定拠出年金を運用されている方全員が知っておくべきものです。

加えて、40代以下の早い時期にセミリタイアすれば、確定拠出年金の受取り時の退職所得控除額をかなり大きくできます。このような制度をしっかり理解しておけば、老後資金について恐れる必要はなくなります。

もちろん、重税される可能性もあるので、今後の税制については注視する必要があるでしょう。本ブログでも制度の変更があればご紹介していきます。

以上、ご参考になれば幸いです。

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