「FIREを実現するために節約しすぎて、今の生活が全然楽しくない」

SNS上でこんな投稿を目にしました。

確かに資産形成にのめり込んでしまうと、このような状態に陥ってしまう可能性があります。

普通に月数万円の投資をするレベルでは、FIRE(経済的自立と早期退職)なんてできません。

その結果、給料の大半を投資に回してしまい、周りから見れば貧しい生活を送っているように見えるかもしれないのです。

そこで本記事では資産形成と今の生活のバランスについて解説していきます。

FIREを実現するのは難易度が高い!

まずFIREを実現することがどれだけ大変なのかを整理していきます。

FIREとは「経済的自立と早期リタイア」のことを言います。

投資を活用するなどして資産形成を行い、働かなくてもよいほどの資産を作ります。

そうすれば、会社を辞めて悠々自適に暮らすことができます。

このFIRE達成の1つの指標としてよく使われるのが、「年間生活費の25倍の資産」です。

例えば、年間400万円(月33万円)の生活費が必要な方であれば、400万円の25倍の1億円の資産を目標にするのです

投資の世界では、米国株や世界株式などへ連動する指数へ投資するインデックス投資を活用すれば、年4%程度のリターンが期待できると言われています。

したがって、1億円の4%である400万円を毎年取り崩しても、資産は減っていかない可能性が高いのです。

一方で、ここに大きな問題があります。

それはFIREに必要な資産を貯めることの難易度が非常に高いことです。

インデックス投資では年率4%程度の利益が狙えると言いました。

この4%のリターンで1億円を貯めるのに必要な年数と月の投資額の関係を以下に示します。

1億円貯めるの必要な月投資額

10年:679,458円

15年:407,402円

20年:273,948円

25年:195,882円

30年:145,452円

35年:110,759円

40年:85,847円

20年で1億円を貯めようとすれば、月30万円弱の投資が必要です。

特に若い方であれば、そもそも手取り30万円も受け取っていない方が大半でしょう。

仮に40年の期間を前提にした場合でも、月8万円以上の投資額が必要です。

しかし、働き始めてから40年後には、60代になっている方がほとんどです。

つまり、FIREを目指しているうちに定年を迎えてしまうのです。

現役世代は資産を増やすために給料の大半を投資に回さざるを得ない状況になるのです。

老後にある程度のお金は貯めたものの、「旅行へ行く気力もない」、「食べ物もたくさん食べれない」などお金を有効に使うことができないのです。

結果として、お金を有効に使えないつまらない人生になってしまうというものです。

資産形成はしなくてもよい?

それでは、資産形成なんてせずに好き放題お金を使えばよいのでしょうか?

答えはNoです。

なぜなら、それでは人生におけるリスクが高すぎるからです。

人生何が起こるか分かりません。

突然病気になって働けなくなるかもしれません。

子供ができれば子供を養育する義務だってあります。

転職や独立を検討する時が来るかもしれません。

そのような状況において、いくらかのお金があることは大きな強みになります。

仮にお金を使わなかったとしても、保有しているだけで精神面に大きな効果があります。

例えば、貯金ゼロの状態ではクビになることを恐れて上司の言うことを聞くしかありません。

けれど資産1億円あれば強気に出れるかもしれません。なぜなら、心の中でいつでも辞めてよいと考えられるからです。

したがって、FIREを目指す目指さないに関係なく資産形成は必須なのです。

資産形成はバランスが重要?

それではどのようにすれば、今の生活も充実し、未来への保険としての資産形成もできるのでしょうか。

ここでは著者が資産形成を通じて得た経験や知見から解説していきます。

資産形成は最初がきつい!

まず知るべきことの1つに、資産形成は最初の壁が高く非常に大変なことがあります。

投資で資産が増える感覚が得られるのは、それなりの資金を運用するようになってからです。

投資で数百万円を運用しているくらいでは、10%程度増えてもたかだか数十万円の増加です。

一方で、これが数千万円を運用するようになれば、10%は数百万円になります。

投資金額が大きくなると、自分の年収近くが一年で増えるかもしれないのです

そのため、最初の大きな壁を必死に乗り越えなければいけません。

お金がなかなか増えない時期を耐える必要があるのです。

ここを超えると複利の力でどんどん資産が増えていくフェーズに入ります。

この状態になってからお金を使っていくのが理想です。

資産形成に集中する時期を作るべき!

そのため、特に投資初期は資産形成に集中する時期が必要だと考えます。

著者は資産形成に集中する時期は、20代後半から30代が良いと考えています。

20代前半の仕事を始めた頃は給料が少ないです。加えて、若くパワーがある時期ですから、仕事以外にも遊んだり色々な経験をすることも大切です。

もちろん少額の投資をすることは必須ですが、自分の可能性を信じて資格取得や経験などへ自己投資をするのも一案です。

一方で、20代後半にもなると会社での自分の立ち位置などが見えてきます。

給料も少しずつ増えてきますから、この頃から資産形成へ集中し始めるのです。

私は30代で1億円の資産を達成していますが、資産数千万円くらいから少しずつ精神的に余裕が出てきました。

仮に30代で数千万円を投資で運用しているのであれば、その後は放置でも老後資金は問題ありません。

例えば、2,000万円を追加投資なしで運用し続けた場合、年率4%のリターンで20年後には約4,400万円になります。

ボーナスの一部だけは投資に回すとか、月数万円だけは投資を継続するなどすれば老後に1億円弱の資産を作ることもできるでしょう。

途中からお金は使っていくことも考えるべき!

一方で、年金も受け取れる老後に1億円もの資産が必要かどうかは微妙です。

仮に30代で数千万円の資産を運用するようになったのであれば、投資のペースを落とすことも一案です。

30代後半になってくれば子育てなど出費が嵩む時期です。この時期は給料の多くは生活費として消えていくでしょう。

ただし、今まで貯めた分は投資で運用され続けるので、長期ではお金がどんどん増えていきます

あるいはこの時点でFIREに向かって突き進みたいと考えるのであれば、資産形成集中期を延長します

そうすれば40代でのFIREが見えてきます。

著者が考える理想の資産形成

20代前半〜半ば:月数万円の積立投資を継続。人的資本や経験への投資も行う。

20代後半~30代半ば:資産形成集中期。できるだけ真剣に資産形成に取り組む。副業などにチャレンジするのもおすすめ。

30代後半〜:投資額を少しずつ減らしていき、給料は使ってしまう。ただし、FIREを本気で目指したいのであれば資産形成集中期を継続。

まとめ

本記事では資産形成と日々の生活のバランスについて解説しました。

資産形成は最初が非常に大変です。ここを乗り切るためには多少無理をする時期も必要です。

そこで自分のライフプランに合わせて資産形成集中期を作ることをお勧めします。

特に結婚等のライフイベントがない方であれば、20代後半〜30代くらいの一部の時期において、必死に資産形成に励むのもありでしょう。

そうすれば30代後半以降は稼いだ分は生活に全て使っていくことができます。

一方で、人によってはライフイベントの時期やキャリア形成が違うので、資産形成のやり方に正解はありません。

したがって、自分なりの投資スタイルを確立していく必要があるでしょう。

以上、ご参考になれば幸いです。