資産が徐々に増えていくとどのような心境の変化があるのでしょうか?
著者は2023年に準富裕層(資産5,000万円)に到達しましたが、資産形成を始めた頃は先輩ブロガーの記事を貪るように見ていました。
そして「自分にも彼らのように数千万円の資産があったらいいのにな〜」とよく考えていたものです。
本記事では著者が資産を増やしていく過程でどのように心境が変化していったのかご紹介していきます。
TOSHIの自己紹介
- 投資歴約8年の30代サラリーマン投資家
- 米国ETFを中心に世界中の株式へ分散投資
- 2023年に純金融資産5,000万円(準富裕層)を達成
資産別の心境の変化
私の場合は資産が増えるにつれて考え方や心境が徐々に変化していきました。
以下では6つの資産額別に分けてその時の状況や心境についてご紹介します。
- 100万円
- 500万円
- 1,000万円
- 2,000万円
- 3,000万円
- 5,000万円
① 金融資産100万円
実は著者は大学を卒業して会社へ入社する時点ですでに100万円以上の貯金を保有していました。
大学を卒業するまでに受け取ったお年玉や成人のお祝い金などは基本全て貯金していました。
それまでは貯金をすることが正しく、素晴らしいものだと勘違いしていたのです。
もちろんこれらのお金は自分で稼いだものではないので、自分がお金を保有しているという感覚は全くありませんでした。
後にこのお金は親の車の購入資金として全て返金しました。
② 金融資産500万円
500万円の資産は会社員生活をスタートしてから2年程度で達成しました。
多くの方はこの最初の数百万円の資産形成に苦労されているはずです。
しかし、私の場合はここはほとんど苦労せずに到達しました。
一番大きかったのは会社の寮に住んでいたことにより、家賃がほぼ発生していなかったことです。
それに加えて、仕事が激務すぎて休日は睡眠を最優先にしていました。
休日に趣味や飲み会でお金を使うことはほとんどなく、たまに同期と飲みに行くくらいでした。したがって、気づいたらお金が貯まっていたのです。
この頃は仕事がきつかったのですが、少しずつ資産が増えていくことが嬉しくなっていた頃です。
会社の同期と話していても自分の方が貯蓄額がずいぶん多かったので、変な優越感に浸っていました。
ただ、当然ながら会社を辞められるなんて考えられないし、精神的に楽になったという感覚は一切ありませんでした。
③ 金融資産1,000万円
そして、その数年後には資産が1,000万円に到達しました。
やはり大台に到達したことは嬉しく、休日に通帳を見てニヤニヤしていたことを覚えています。
一方で、仕事はますます忙しくなる一方で、ストレスもどんどん増えている状況でした。
このままこの会社で定年まで勤めるのは厳しいなと考え始めた頃です。だからと言って転職するスキルはないし、能力も高くない、やっていることは雑用ばかりで仕事はつまらなく、悶々とした日々を送っていました。
そんな中、1,000万円という大台を超えたことでお金の勉強を始めようと考え、投資にも興味を持つようになりました。
いくつかお金に関わる本を読んだのですが、その中で以下の本に感銘を受けました。
超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!
この本はインデックス投資を推奨する本で、投資を全く知らない私にとっては運が良かったとしか言いようがありません。
1,000万円の資産を超えて少し経ったくらいからこの本を参考に投資をスタートさせました。
④ 金融資産2,000万円
その後、投資を始めてからすぐに2,000万円へ到達しました。
投資にどっぷりとハマってしまい、今まで貯めてきたお金はほとんど投資に回しました。
しかも、相場環境がかなり良く、どんどんお金が増えていったのです。
また、投資の情報を発信する先輩ブロガーの記事を読んで知識も徐々に蓄積していきました。
ここでセミリタイアやFIRE(経済的自立と早期退職)という言葉を知り、これこそが自分が目指す道だと考えたのです。
ただ、この段階でも「仕事を辞められる!」とかそういう感覚はありませんでした。
お金は増え始めましたがまだまだスピードは遅く、「もしここで仕事を辞めたら人生詰んでしまう」と考えていました。
まだセミリタイアやFIREという言葉ははるか向こうにある状態でした。
⑤ 金融資産3,000万円
資産3,000万円は資産形成で1つの区切りになる金額です。
なぜなら、野村総研の定義では資産3,000万円以上をアッパーマス層とそれ以下の資産しか保有していない層を明確に分けているからです。
2021年の調査ではアッパーマス層以上の世帯は20%ちょっとです。ここには退職金を受け取った年齢の高い方々も含まれますので、30代でここへ到達したのであればかなり資産を持っている方です。
この頃になると明確に自分はお金を持っている方だという気持ちが出てきました。
3,000万円を4%で運用すれば120万円(月10万円)の資産所得が得られますから、自分の中でもセミリタイアに必要な最低資産として考えていました。
一方で、この頃にコロナショックに遭遇します。
資産が大きく下落する局面に遭遇し、やはりもう少しお金があった方が安全だという考えに変わりました。
コロナの影響で在宅勤務が導入されたことで、仕事のストレスが軽減されたこともラッキーでした。
セミリタイアの予行演習をしながら、セミリタイア資金を増やすことができたのです。
この頃はもう少しだけ働こう、ゴールはもうすぐだと自分に言い聞かせていました。
⑥ 金融資産5,000万円
金融資産5,000万円は私にとって大きな区切りとなる資産でした。
年率4%のリターンで運用できれば年間200万円の資産所得になり、著者の年間支出とほぼ一致します。
仕事はいつでも辞めていいな、気持ちが続くところまで頑張ったらもうそれでいいかもしれない、と思うようになったのです。
今まで張り詰めていたものがすっと抜け始めました。
今までは言われるままに仕事を引き受けてきましたが、仕事量が多い場合には強く断るようにしています。
それで文句を言うのであればいつでも辞めますというスタンスです。
精神面でかなり余裕が出てきたものの、この状態でもなお会社員生活は苦痛であることに変わりはありません。
心境の変化のまとめ
著者の心境の変化をまとめましたが、あくまでこれは私が感じたことです。
私の場合は独身の30代でまだ老後は先ですが、支出のコントロールは容易な立場にあります。
資産額別の心境の変化は属性や年齢によっても大きく異なるはずです。
振り返ってみるとやはり投資を始めたことが転機になりました。
相場が良かったこともあり、資産増加のスピードが早く、これなら将来会社をやめられるかもと徐々に思い始めました。
そして、金融資産5,000万円へ到達した頃から一気に気持ちが楽になりました。もういつでもセミリタイアを実行できるなと感じたのです。
実は資産5,000万円を突破してからも、2024年時点の円安の影響もあり資産はぐんぐん増えています。
お金の急激な増加を見ると、もしかして1億円を目指せるかもと欲が出てきたのも事実です。
でも億り人になるまで会社員を続けているか分かりません。独身の私にとってはそこまでのお金はいらないからです。
会社からの仕事に対する要求が高まり、自分には無理だと考えればスパッと会社をやめてしまうでしょう。
準富裕層(5,000万円以上1億円未満)の現在の私はそんな心境で首の皮一枚会社に残っている状態です。
以上、ご参考になれば幸いです。