セミリタイアは誰でも達成することができるのでしょうか?
最近はFIRE(経済的自立と早期退職)やセミリタイアに興味を持つ方が増えてきています。しかし、多くの方は「自分にはセミリタイアなんて無理だ!」と考えがちです。
本記事では「セミリタイアは誰でも目指すことができるのか?」というトピックについて解説していきます。
セミリタイアを目指すことは実はお金の面ではそんなに大変なことではありません。
セミリタイアは誰でも目指すことができるのか?
セミリタイアは誰でも目指すことができます。ただし、強い意志が必要です。
長期間に渡ってセミリタイアしたいという強い意志を持ち続けるられるかどうかがポイントになります。この強い意志さえあれば、誰でもセミリタイアを達成することができるのです。
以下では、その理由について説明していきます。
セミリタイアの敷居は低い
セミリタイアとは「仕事を定年前に辞めて、自由な時間を楽しみながら生活する」ようなスタイルのことを指します。
ただし、フルリタイアとは違って仕事を完全に辞めるわけではありません。アルバイトなど簡単な仕事をして生活の足しにするような生活スタイルがセミリタイアです。
フルリタイアするためには株や債券などの配当や利息、いわゆる不労所得で生活費の全てを賄う必要があります。したがって、相当な資産が必要です。
一方で、セミリタイアなら生活費の一部を労働で補うことを想定していますから、フルリタイアに比べて必要資金はぐっと少なくなります。
最低限必要な資金は3,000万円!
簡単な労働を組み合わせた生活を送るつもりなら、最低限必要な資金は3,000万円です。
投資の世界には「4%ルール」というものがあります。これはリタイア時の資産の4%を取り崩していく手法です。詳しくは割愛しますが、株などのリターンは平均して4%/年以上を期待できるので、仮に4%の資産を取り崩していったとしても資産がなくならない可能性が高いのです。
この場合、3,000万円の資産があれば、以下の通り月10万円の金融所得を得ることができます。
3,000万円×4%=120万円
120万円÷12ヶ月=10万円
総務省の家計調査によれば、単身世帯における月の平均生活費は15万円程度だと言われています。
月10万円を金融所得から得られるのであれば、たった5万円/月を稼げば生活することができる計算です。
パートナーがいればもっと生活費が必要ですが、その場合はお互いが5万円/月ずつ稼げば10万円/月になります。金融所得との合計で月20万円の生活費を確保できますので、何とか生活することは可能でしょう。
セミリタイア資金は30年あれば十分作れる!
それでは、どの程度の時間と労力で3,000万円のセミリタイア資金を作ることができるのでしょうか?
米国全体の株式へ投資するVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)という人気商品がありますが、2001年の設定以来の平均リターンは8%/年以上です。
最近の米国株のリターンは高すぎるため、以下では控えめに5%/年のリターンを想定します。この場合、3,000万円の資金を作るために必要な毎月の積立額と年数の関係を示したグラフは以下の通りです。
毎月2万円の積立ではセミリタイアまで40年もの期間が必要ですから、大卒で働き始めたら定年(65歳)になってしまいます。
一方で、月3万円の投資ができれば、セミリタイアまでの年数は33年までに短縮されます。したがって、50代のうちにリタイアができるでしょう。
更に増やして月5万円の投資資金が確保できれば、40代でのセミリタイアも見えてきます。
これ以上の投資資金を確保できれば更に期間を短縮できますが、当然それなりの給料を得ていることが前提になります。
長期間我慢できるかがポイント!
上述の通り、投資資金が少なければセミリタイアまで何十年という期間が必要です。
令和元年民間給与実態統計調査によれば、会社員の年収は436万円であると言われています。この場合、扶養家族の有無によっても変わりますが、月の手取りは20万円ちょっとになります。
したがって、平均的な給与水準の方が投資資金5万円を確保しようとすれば、月15万円で生活することになります。
上述の通り、単身世帯の月の平均生活費は15万円程度ですから、生活自体は問題なくできるでしょう。しかし、ほぼ贅沢をしない生活を数十年続ける必要があります。
仮に給料が手取り20万円に届かなかったとしても、3万円や4万円の投資資金を作れば、50代でリタイアすることは可能です。したがって、誰でもセミリタイアを目指すことができるのです。
月10万円や20万円の投資資金を用意しろと言われれば、高収入の一部の方しか無理でしょう。しかし、たった月数万円であれば決して難しい話ではありません。ただし、何十年も質素な生活を続けたいかという問題があります。
セミリタイアは目指すというのは、受験勉強を数十年やり続ける、あるいはダイエットを何十年やり続ける、そんなレベルの話なのです。それでもセミリタイアをしたいという気持ちがあるのなら、誰だって目指すことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
投資資金は数万円でよいのですから、セミリタイアは誰でも目指すことができます。一方で、投資資金が少ないとセミリタイア達成までは何十年という期間が必要です。
長期間に渡って同じ目標に向かって走り続けるられるかどうかが大きなポイントになるでしょう。したがって、セミリタイアは誰でも目指せるものの、かなり難易度が高くなります。
以上、ご参考になれば幸いです。