高校中退投資家Toshiは世界でも有数の銀行である「HSBC香港」に銀行口座を開設しています。HSBC香港には日本からアクセスできない投資商品も多数あるのです。
「HSBC香港のような世界的な銀行ではどのような商品が人気なのでしょうか?」
本記事では、HSBC香港で毎月公表されている人気ファンドについて考察します。それらの人気ファンドを考察することで、「世界的な投資の潮流」を掴むことができるはずです。
なお、下記記事で2020年9月のHSBC香港ファンドランキングをご紹介しました。本記事は2020年10月版の人気ファンドの解説です。
HSBC香港おすすめファンドランキング 2020年10月版
HSBC香港のホームページで紹介されている人気ファンドを下表にまとめます。
2020年10月は11ファンドが人気商品として紹介されていますが、先月のランキングと全く同じでした。2020年7月以降、人気ランキングに変動はありません。
2020年10月の人気ファンド
HSBC カテゴリー | ファンド名 |
---|---|
Greater China Equity | JPM GREATER CHINA |
Domestic Equity – China | JPMorgan China Pioneer A-Share Fund |
Asian Fixed Income | Fidelity Funds Asian Bond Fund |
Asian Fixed Income | HSBC Asian Bond Fund |
Asian Fixed Income | HSBC CIT-HSBC Asia High Income Bond Fund |
Asian Fixed Income | Blackrock Global Funds-Asian Tiger Bond Fund |
Asian Fixed Income | BlackRock Asian Tiger Bond Fund |
Asian Fixed Income | JPMorgan Asian Total Return Bond |
US Fixed Income | AB – American Income Portfolio |
Multi Asset | UBS (Lux) Key Selection SICAV China |
Multi Asset | Amundi HK – Balanced Fund |
出典:HSBC香港HPより作成
人気ファンドを確認すると、HSBC香港では債券ファンドが人気が高いことが分かります。また、株式ファンドでは中国を投資対象とするものが入っています。
先月に引き続き、人気ファンドのコロナショックからの値動きについて考察していきます。
コロナショックから現在までの値動き
人気ファンドがコロナショックで底値をつけてから、どのように基準価額が変動してきたのかを下表にまとめます。2020年3月の底値を0%とした場合の基準価額の上昇率を示します。
ファンド名 | 3月→6月 | 7月→10月 | 11月 |
---|---|---|---|
JPM GREATER CHINA | 37.94% | 28.21% | 12.61% |
JPMorgan China Pioneer A-Share Fund | 35.75% | 28.34% | 7.10% |
Fidelity Funds Asian Bond Fund | 13.00% | 2.49% | 2.78% |
HSBC Asian Bond Fund | 9.07% | 2.24% | 1.80% |
HSBC CIT-HSBC Asia High Income Bond Fund | 10.27% | 3.36% | 2.26% |
Blackrock Global Funds-Asian Tiger Bond Fund | 12.23% | 2.74% | 2.02% |
BlackRock Asian Tiger Bond Fund | 12.32% | 2.74% | 2.04% |
JPMorgan Asian Total Return Bond | 9.83% | 3.08% | 1.80% |
AB – American Income Portfolio | 16.54% | 2.56% | 3.41% |
UBS (Lux) Key Selection SICAV China | 16.65% | 8.41% | 3.77% |
Amundi HK – Balanced Fund | 21.41% | 5.80% | 13.48% |
出典:HSBC香港HPより作成
どのファンドも底値をつけてから6月末までの間に一気に基準価額を戻しました。
その後、債券ファンドでは7月から10月の間に大きな上昇は見られません。一方で、株式ファンドは7月以降も順調に基準価額を上昇させています。
11月は米国の大統領選の影響もあり、たった1ヶ月の間に10%以上上昇したファンドもあります。債券ファンドの伸びは大きくありませんが、それでも7月→10月の4ヶ月間の上昇を超えるレベルです。11月は全体的に好調であったと言えるでしょう。
次にコロナショックでの下落率と現在までの回復度合いを比較してみます。
ファンド名 | 下落率 | 3月→11月 | 差分 |
---|---|---|---|
JPM GREATER CHINA | 22.28% | 78.76% | 56.48% |
JPMorgan China Pioneer A-Share Fund | 18.65% | 71.19% | 52.54% |
Fidelity Funds Asian Bond Fund | 12.23% | 18.27% | 6.04% |
HSBC Asian Bond Fund | 10.19% | 13.11% | 2.92% |
HSBC CIT-HSBC Asia High Income Bond Fund | 12.66% | 15.89% | 3.23% |
Blackrock Global Funds-Asian Tiger Bond Fund | 12.55% | 17.01% | 4.46% |
BlackRock Asian Tiger Bond Fund |
12.60% | 17.10% | 4.50% |
JPMorgan Asian Total Return Bond | 10.68% | 14.71% | 4.03% |
AB – American Income Portfolio | 17.86% | 22.51% | 4.65% |
UBS (Lux) Key Selection SICAV China | 14.38% | 28.83% | 14.45% |
Amundi HK – Balanced Fund | 21.22% | 40.69% | 19.47% |
出典:HSBC香港HPより作成
11月の株価が好調であったこともあり、全てのファンドがコロナの暴落前と比較して高い基準価額をキープしています。
特に中国株式へ投資するファンドの成績がよく、暴落前と比較してすでに50%以上も高い水準にあります。その次に成績がよいのが、複数の資産クラスへ投資する2つのファンドで、暴落前と比較して10%を超える水準です。
債券を投資対象とするファンドは、下落前との比較で3〜6%程度高い状態でしかありません。
所感
いかがでしたでしょうか。
2020年10月の人気ファンドは、2020年7月以降全く変動はありませんでした。先月に引き続き、債券ファンドが最も多く人気ファンドに入っていました。
一方で、中国株へ投資するファンドの成績が圧倒的によい結果となっています。やはり株式ファンドの方がハイリスク、ハイリターンな商品です。
11月は米国の大統領選挙後に大きく株価が上昇しました。12月にはワクチンの使用許可が下りる可能性もあります。どのような値動きを見せるのか、引き続きHSBC香港の人気ファンドを分析していきたいと思います。
以上ご参考になれば幸いです。