5,000万円は資産形成する上で一つの大きな区切りになる金額です。
5,000万円以上の金融資産を保有する方は野村総研の区分で「準富裕層」と呼ばれ、全世帯の9%程度しかいません。
1億円と言われるととてつもない金額のように感じますが、5,000万円なら一般的な給与水準の方でも時間をかければ到達できます。つまり、万人が目指せる世界なのです。
この5,000万円を投資の王道であるインデックス投資で運用するとどうなるのでしょうか?
本記事ではインデックス投資で5,000万円を運用した場合について解説していきます。
5,000万円はどうやって運用すればよい?
一般的におすすめなのはインデックス投資!
世の中には様々な投資手法がありますが、多くの方におすすめできるのが「インデックス投資」です。
インデックス投資は日経平均やニューヨークダウなどの指数に連動する投資成果を目指す手法です。
日経平均であれば日本株225社で構成されています。したがって、日経平均に連動する商品を購入すれば、間接的に225社を保有した状態と言えます。
225社全てが一度に倒産するようなことは考えにくいので、個別株と比較してリスクを抑えた運用が可能なのです。
また、このような指数に連動する成果を目指すインデックスファンドは100円などの少額から投資が可能です。
少額からコツコツ積立ができますので、会社員のようにある程度一定の労働収入を得ている方との相性が抜群です。
おすすめの銘柄
一口にインデックスファンドと言っても様々な銘柄があります。どのような銘柄へ投資するのがよいのでしょうか?
2023年時点では、全世界株式に連動もしくは米国株指数(S&P500指数)に連動する銘柄への投資が主流です。
世界中の株式に投資しておけば、その商品1つだけを保有しても十分分散投資が可能です。また、自分で銘柄の入れ替えを考える必要がないこともメリットです。
一方で、世界経済の中心である米国は近年その他地域を上回るパフォーマンスを記録してきました。厳選された米国株へ投資する方が全世界株式よりもリターンが高いと考える人もいるのです。
いずれにしても、これから投資を始める方ならこのどちらかの指数に連動する銘柄を選ぶことをおすすめします。
投資信託
投資信託であればeMAXIS Slim(イーマクシス スリム)シリーズの商品が人気です。
このシリーズは業界最安値水準のコストを追求するファンドです。
投資信託を保有すると一定の手数料を支払う必要があります。この手数料が高いとリターンの大部分を手数料で取られてしまう可能性すらあります。
ですから、基本的には手数料が安い銘柄を選定する方が投資家にとってメリットがあります。
eMAXIS Slimシリーズであれば、常に業界最安値水準をキープしてくれるので、安心して長期保有ができます。
全世界株式、または米国株(S&P500指数)に連動する商品には以下のような銘柄があります。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)は株式と同じようにリアルタイムで売買できるという特徴があります。また、多くの場合、投資信託と比較して経費率が安い傾向にあります。
日本の株式市場に上場する国内ETFだけでなく、米国市場に上場する米国ETFへも日本から投資が可能です。
1. 全世界株式へ連動する商品
米国ETF:VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)
国内ETF:2559(MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信)
2. 米国株へ連動する商品
米国ETF:VOO(バンガードS&P 500 ETF)
国内ETF:1655(iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF)
投資信託は分配金を出さない銘柄が多いですが、ETFであれば定期的に分配金を受け取ることが可能です。
分配金の受け取りを希望される方はETFへの投資が選択肢に入ってきます。
おすすめのポートフォリオは?
5,000万円をインデックス投資で運用するなら先にご紹介した銘柄へ投資してシンプルに運用するのがおすすめです。
個人的には全世界株式へ投資するインデックスファンドと現金のみのシンプルなスタイルを推奨します。
例えば、4,500万円を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で運用し、残り500万円は現金で保有するような形です。
1銘柄だけでは不安に感じるかもしれませんが、全世界株式に連動する投資信託を購入すれば世界の主要な企業数千銘柄へ分散投資していることになります。
複数の銘柄を保有すると管理が煩雑になりますから、思いきってシンプルに運用するのもありなのです。
どの程度のリターンが期待できるのか?
年率リターンはどれくらい?
株式インデックスファンドへ投資するなら、年率4~6%程度のリターンが期待できると言われています。
このリターンを当てはめた場合の5,000万円の資産推移を確認してみましょう。
4%/年 | 5%/年 | 6%/年 | |
---|---|---|---|
5年後 | 6,105万円 | 6,417万円 | 6,744万円 |
10年後 | 7,454万円 | 8,235万円 | 9,097万円 |
15年後 | 9,102万円 | 1億569万円 | 1億2,270万円 |
20年後 | 1億1,113万円 | 1億3,563万円 | 1億6,551万円 |
5,000万円を15年程度運用すれば1億円の大台に到達することがわかります。
また、投資期間が長くなるほど複利が効いて、資産の増加が加速していくことも分かります。
したがって、30代~40代などの若いうちに5,000万円を貯めることができれば、将来的にお金で困る心配はほぼないと考えてもよいのです。
ですから、5,000万円はセミリタイアやサイドFIREなどを意識する金額でもあります。
実際の変動はもっとダイナミック!
一方で、年率4~6%のリターンというのはあくまで平均のリターンでしかありません。
実際には1年で数十パーセント上がる年もあれば、逆に数十パーセント下がる年もあります。つまり、資産の増減は想像以上に大きくなるのです。
先にご紹介したeMAXIS Slimシリーズの投資信託(S&P500と全世界株式)の過去のリターンを使って資産の変動を確認してみましょう。
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | |
---|---|---|---|---|---|
全世界株式 | -375万 | 1,340万 | 450万 | 1,635万 | -280万 |
米国株式 | -390万 | 1,515万 | 60万 | 2,210万 | -315万 |
注:運用開始前のリターンはベンチマークのリターンで計算
2021年はコロナの翌年でかなりレアなケースではありますが、5,000万円を米国株へ投資していれば1年後になんと7,000万円以上にまで増えていた計算になります。
一方で、2018年の始めに投資したケースでは1年後に400万円程度減少していたことになります。
このように自身の年収以上に資産が変動するのが5,000万円を運用した場合の世界です。
SBI証券なら保有でポイントももらえる
投資信託で5,000万円を運用した場合、証券会社によってはポイントをもらうことができます。
例えば、SBI証券では投資信託の保有で毎月VポイントやTポイントなどを受け取ることができます。
先にご紹介したeMAXIS Slimシリーズの2銘柄を5,000万円保有した場合は毎月以下のポイントをもらうことができます。
全世界株式:約740ポイント
S&P500指数:約1,380ポイント
注:1ヶ月31日で計算、2023年10月16日時点
このように1ヶ月で1,000ポイント程度がもらえる計算です。
ポイントを日用品の購入などに当てれば節約にも貢献します。5,000万円を運用するとこう言ったポイントもバカにできないレベルになります。
まとめ
本記事ではインデックス投資で5,000万円を運用した場合を例に挙げて解説しました。
5,000万円をインデックス投資で運用した場合、自分の年収以上の資産変動があります。
また、年率5%程度のリターンで運用した場合でも、10年ちょっとで1億円の大台に届く可能性が十分あります。したがって、セミリタイアやサイドFIREが十分視野に入ってくる資産です。
若いうちにこのレベルまで資産を構築することができれば、お金で困る心配はほぼないでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。