みなさんは「インフラファンド」をご存知でしょうか?
「インフラファンド」は、日本では太陽光発電事業を投資対象とする商品です。知名度こそ低いものの、高い配当利回りを狙えます。なおかつ暴落にも強いお勧めの商品です。
高校中退投資家TOSHIも、2年ほど前に「インフラファンド」を購入して長期保有しています。コロナショックにおいても株価や配当金は安定しています。
本記事では「インフラファンド」の魅力や、配当金生活との相性についてお伝えてしていきます。
「インフラファンド」は投資先の1つとして十分検討の価値があるでしょう。
配当金生活に「インフラファンド」はおすすめ!
一定割合という条件つきではありますが、「インフラファンド」をご自身のポートフォリオに組み込むことは非常におすすめです。
「インフラファンド」は不動産投資信託(REIT)に近い形態で運営されます。投資家から集めたお金をインフラに投資し、そこから生まれた収益を投資家へ分配する仕組みです。
本来は空港や道路など様々な投資先があるのですが、日本では太陽光発電事業へ投資する商品のみです。
「インフラファンド」への投資には多くの魅力がありますが、個人的には下記3つが特に重要であると考えます。
- 高い配当利回り
- 株価の安定性
- 分散が効く
①高い配当利回り
投資銘柄にもよりますが、6~7%近い配当利回りを期待できます。配当金生活を送る方にとっては、「配当」が命ですから、高い配当利回りはやはり魅力的です。
株式で6~7%の配当利回りの優良銘柄を見つけるのは至難の技です。もちろんそれくらい高い配当利回りの銘柄もありますが、買ったとたんに株価が下落するかもしれません。なぜなら、高い配当を支払わなければ株価を維持できない理由があるからです。将来性が懸念されているJTや、業績が悪化している日産などがその例でしょう。
「インフラファンド」は不動産投資信託(REIT)と同じように、利益の90%以上を投資主に分配することで、法人税が免除される仕組みがあります。これも高い配当利回りを維持できる要因です。ほぼ全ての利益を配当として出すわけですから、基本的には株式よりも高い配当利回りを期待できます。
②株価の安定性
上述の通り、日本における「インフラファンド」の投資対象は太陽光発電事業です。なぜ太陽光発電事業かというと、再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」があるためです。
この制度では、太陽光発電や風力発電などにより発電された電気を、国によって一定期間、一定価格で買い取ることを保証しています。したがって、収益自体は実績発電量に連動して決定されることになります。
私は「インフラファンド」を2年近く保有していますが、「インフラファンド」の株価は非常に安定しています。コロナ禍においても株価は好調であり、配当金への影響もありませんでした。これも国の保証があるからで、不況の影響を受けにくいという特徴があります。
③分散が効く
「インフラファンド」の安定性は、他の投資商品にはない特徴です。例えば、株式は株価の変動が非常に大きく、不況の影響をモロに受けます。配当金についても、高配当米国ETFのSPYDが大幅に減配したことを別記事でご紹介しました。
また、不動産投資信託(REIT)もコロナの影響で、株式以上に大幅に下落しました。在宅ワークが推奨されるなどライフスタイルの変化もあり、人口が減っていく日本では不動産への投資はますます難しくなるでしょう。
こういった中でも、「インフラファンド」は異彩を放っています。株価の大きな上昇は見込めないものの、株価と配当金の安定性が非常に高いのです。ご自身の投資対象に「インフラファンド」を一定割合組み込むことで、不況に強いポートフォリオを構築することができるでしょう。
「インフラファンド」の銘柄
「インフラファンド」の投資対象は、本来は幅広く、道路や空港などにも及びます。海外ではこれらを投資対象にした商品もあるようですが、日本ではまだあまり普及していません。
2020年10月時点で上場している「インフラファンド」は、全部で7銘柄だけです。
銘柄名 | 上場日 | 株価 |
---|---|---|
タカラレーベン・インフラ投資法人 | 2016/06/02 | 120,200円 |
いちごグリーンインフラ投資法人 | 2016/12/01 | 57,000円 |
日本再生可能エネルギーインフラ投資法人 | 2017/03/29 | 103,400円 |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 | 2017/10/30 | 125,900円 |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 2018/09/27 | 93,400円 |
エネクス・インフラ投資法人 | 2019/02/13 | 104,500円 |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 2020/02/20 | 98,200円 |
注:株価は2020年10月6日現在
10月6日現在の株価は、1口あたり5.7万円から12.6万円です。したがって、最低投資額は6万円程度になります。
100円から購入できる投資信託と比較すれば高いですが、株式と比較すればお手頃な部類に入るのではないでしょうか。
これらの「インフラファンド」は、他の株式と同じように指値や成り行きの注文を出して購入することができます。
「インフラファンド」のデメリット
一方で、「インフラファンド」に投資するデメリットについても考えてみたいと思います。
主に懸念事項として挙げられるのは下記2点です。
- 固定価格買取制度が期限付き
- 売買代金が少ない
①固定価格買取制度が期限付き
「固定価格買取制度」が20年の期限付きという点です。
上述した通り、国が一定価格で電気を買い取ることを保証しているのですが、20年の期限付きになります。つまり、20年後にはどの程度の買取価格になるか分からないのです。少なくとも将来的に収益が低下することは間違いないでしょう。
一方で、20年も先のことは誰にもわかりません。例えば、20年後の米国や日本の株式市場をどう予想できるでしょうか?
個人的には、「20年も」保証されているという点は中長期的な観点からは、メリットになるのではないかと考えています。
②売買代金が少ない
簡単に言えば、「取引が活発にされていない」ということです。
「インフラファンド」の知名度は低いので、必然的に取引をする人も少なくなります。
どのような問題が生じるかというと、売りたい時に希望価格で売れない可能性があります。売却時に購入したい人が少なければ、想定よりも安く売らなければいけない可能性が出てきます。
長期で保有するのであればそこまで問題にならないと思いますが、リスクの1つであることに間違いはないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「インフラファンド」は株価が非常に安定しており、かつ高い配当利回りを見込める商品です。また、株式や不動産などと違った値動きをしますので、分散の観点からも面白い商品です。
したがって、ポートフォリオの一定割合を「インフラファンド」に投資することは十分おすすめできます。
近年は、米国株への集中投資が主流になってきているように思えます。しかし、コロナショックによる株価の下落や大幅な減配を考えると、「インフラファンド」のような商品へ一部投資しておくことも一案ではないでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。