「インフラファンド」という商品をご存知でしょうか?
本ブログでは以下の記事でおすすめの「インフラファンド」についてご紹介しました。
「インフラファンド」は高い配当利回りが期待でき、かつ暴落にも強いため、配当金生活との相性が抜群です。
一方で、日本の「インフラファンド」が置かれている状況が少し変わってきました。
本記事では2023年時点で配当金生活におすすめなインフラファンドについてご紹介していきます。
配当金生活に不向き?インフラファンドを取り巻く環境が変化!
昨年「インフラファンド」をご紹介した時点では7つの銘柄が上場していました。
その後、2022年の中頃から状況が変わってきました。7つのうちの1つである「日本再生可能エネルギーインフラ投資法人」が2022年8月22日に上場廃止になったのです。
更におすすめファンドとしてご紹介した「タカラレーベン・インフラファンド」も2023年2月に上場廃止を予定しています。私も保有していたのですが、売却を余儀なくされました。
したがって、今後は以下の5つのインフラファンドしか購入できなくなります。
銘柄 | 時価総額 |
---|---|
いちごグリーンインフラ投資法人 | 7,331百万円 |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 | 47,675百万円 |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 16,581百万円 |
エネクス・インフラ投資法人 | 32,289百万円 |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 33,990百万円 |
注:時価総額は2023年1月6日時点の情報を基に作成
上場廃止の理由としては再生可能エネルギー発電設備等に関する法制度の変更、出力抑制の増加、自然災害など様々な点が挙げられています。
また、7銘柄から5銘柄と減ったため、ただでさえ小さかった市場規模は更に小さくなりました。
時価総額は5銘柄の合計でも1,400億円程度しかありません。今後は他の銘柄も上場廃止に追い込まれるかもしれません。
したがって、インフラファンドを配当金生活のポートフォリオのメインにするのは得策ではないでしょう。
2023年時点のインフラファンドを徹底比較
一方で、既存の「インフラファンド」が高い利回りを維持できるのであれば、サテライトの投資先としては面白いでしょう。
下表にはインフラファンド5銘柄の現在の株価と配当利回りを示します。
銘柄 | 株価 | 分配金 | 利回り |
---|---|---|---|
いちごグリーンインフラ投資法人 | 71,500円 | 4,248円 | 約5.9% |
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人 | 124,000円 | 7,450円 | 約6.0% |
東京インフラ・エネルギー投資法人 | 92,300円 | 6,298円 | 約6.8% |
エネクス・インフラ投資法人 | 92,100円 | 6,000円 | 約6.5% |
ジャパン・インフラファンド投資法人 | 90,200円 | 5,903円 | 約6.5% |
注:株価は2022年12月末時点。利回りは2022年または2021年の年間分配金を基に算出。
「いちごグリーンインフラ投資法人」を除いて6%以上と高い利回りがあります。しかし、こちらには元本の取り崩しに当たる「利益超過分配金」も含まれています。
そこで、以下では各銘柄の詳細について整理し、どの銘柄へ投資すべきなのか確認していきます。
1. いちごグリーンインフラ投資法人
「いちごグリーンインフラ投資法人」は2016年12月に上場したファンドです。「タカラレーベン・インフラ投資法人」が上場廃止になれば、最も古いインフラファンドになります。
一方で、時価総額は約73億円と5銘柄の中で最も少ない金額になります。
過去の分配金推移を下図に示します。オレンジ色の利益超過分配金の割合が高いのが特徴です。分配金のうち半分以上は元本の取り崩しである利益超過分配金です。
物件数はこの1年で変更はなく15物件です。沖縄と北海道の割合が高いのが特徴です。
2. カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」は2017年10月に上場したファンドです。時価総額は500億円弱で5銘柄の中で最も高い金額です。
カナディアン・ソーラー・インフラグループは世界中で太陽光発電に関わる事業を展開しており、自社グループでパネルの製造などもしている点が強みです。
分配金の推移を見ると利益分配金の割合が高いことが分かります。特に2022年6月期は利益超過分配金なしの配当でした。
物件数は昨年と変わらず25物件を保有しています。地域別で九州地方の割合が高いのが特徴です。
3. 東京インフラ・エネルギー投資法人
「東京インフラ・エネルギー投資法人」は2018年9月に上場したファンドです。時価総額は165億円程度と「いちごグリーンインフラ投資法人」の次に少ない金額です。
過去の分配金推移を下図に示します。最近になって利益分配金の割合が高くなっているように見えますが、まだ安定している印象はありません。
合計で11物件を保有し、地域別では九州が約40%、東北が約30%と高くなっています。
4. エネクス・インフラ投資法人
「エネクス・インフラ投資法人」は2019年2月に上場したファンドです。2022年3月に北海道の物件を1つ取得し、合計で9物件を保有しています。
分配金は毎年6,000円/口程度ですが、利益超過分配金の割合が高くなっています。なお、2022年からは年2回の分配金支払いへと変更されました。
地域別では東海地方が約6割と高くなっています。
5. ジャパン・インフラファンド投資法人
「ジャパン・インフラファンド投資法人」は2020年2月に上場した7つのインフラファンドの中で最も新しい銘柄です。
一方で、すでに36物件を保有しており、5つの中で最も多い物件を保有しています。
各年で利益分配金の割合が高い状態をキープできています。他の銘柄よりも上場は遅かったものの、すでに約340億円と「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」に次ぐ時価総額です。
「ジャパン・インフラファンド投資法人」は物件数も多くバランスが取れているのが特徴です。各地域にまんべんなく物件を保有しており、最も多いエリアでも北陸地方の24.3%です。
配当金生活におすすめのインフラファンドはどれか?
上記を踏まえた2023年1月時点のおすすめインフラファンドは以下銘柄です。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人
「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」は利益超過分配金の割合が低く、分配金の大半が利益分配金に該当します。また、時価総額も500億円と5つの銘柄の中で最も高い金額です。
一方で、インフラファンドの銘柄は7つから5つへと減ってしまいました。インフラファンド自体が下火ですから、ポートフォリオのメインとして考えるのはリスクが高いでしょう。
あくまでポートフォリオのアクセントとして少し保有するのがおすすめです。
まとめ
本記事では配当金生活におすすめなインフラファンドについてご紹介しました。
2022年には2つの銘柄が上場廃止を発表し、購入できるインフラファンドはたった5つになってしまいました。市場規模も小さくポートフォリオのメインにすることはおすすめできません。
一方で、高い配当利回りが期待できるのも事実です。過去の実績からはしっかりと利益を出しており時価総額が最も高い「カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人」がおすすめです。
配当金生活のポートフォリオの一部へインフラファンドを検討してみてはいかがでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。