こんにちは、高校中退投資家TOSHI(@dropoutinvestor)です!
NISA(少額投資非課税制度)を活用して投資をするならどのような銘柄を選べばよいのでしょうか?
多くの方はランキング上位の人気銘柄を投資対象としてまず検討されるでしょう。しかし、ランキング上位でも長期積立に向かない商品はたくさんあります。
そこで本記事では大手ネット証券であるSBI証券と楽天証券で購入されている人気銘柄のランキング(2023年10月)を解説していきます。NISAで投資する際の商品選定の参考にしていただければ幸いです。
なお、2023年9月のランキングは下記記事でもご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
2023年10月のNISAランキング
2023年10月のSBI証券と楽天証券のNISAランキングは以下の通りです。
順位 | SBI証券 | 楽天証券 |
---|---|---|
1 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
2 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
3 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 楽天・全米株式インデックス・ファンド |
4 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 楽天・S&P500インデックス・ファンド |
5 | ピクテ- iTrust インド株式 | 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド |
6 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド |
7 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) |
8 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | iFreeNEXT インド株インデックス |
9 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | eMAXIS Slim先進国株式 |
10 | eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド |
出典:SBI証券HP及び楽天証券HPより作成。SBI証券は10月のつみたてNISAの積立設定金額ランキング、楽天証券は10月のNISAの積立設定金額ランキング。
SBI証券では赤字で示したiFreeシリーズの2銘柄が新しくランクインしました。
楽天証券の方は「楽天・S&P500インデックス・ファンド」と「楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド」が新たにランクインしています。
こちらの商品は両ランキングの1位と2位のeMAXIS Slimシリーズの商品に対抗して、10月末に設定されたばかりの新しい銘柄です。
ランキング上位商品のご紹介
今月は楽天証券の10位にランクインした「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」をご紹介していきます。
LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド
「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」はバンガード社が運用するインデックスファンドへ投資を行うことで、世界各国のさまざまな資産へ分散投資を行う商品です。
バンガード社は世界最大級の資産運用会社で低コストの商品を出すことで知られています。
米国株へ投資するVOOやVTIと言った米国ETFの名前を聞いたことがある方も多いでしょう。本ファンドはそのようなバンガードの優良銘柄へ自動で投資してくれる商品です。
なお、資産配分は以下を目安としています。
株式:55%
債券:35%
REIT:10%
REITは不動産投資信託のことを指しますので、この銘柄1つで株式、債券、不動産へ投資可能なバランスファンドです。
2015年より運用されている商品であるものの、純資産額は2023年11月時点で135億円程度しかありません。
ランキング上位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は1兆円を超える運用額ですからその差は歴然です。
また、信託報酬は0.6135%とかなり高めの水準です。eMAXIS Slimシリーズであれば0.1%程度の信託報酬ですので、約6倍も手数料を払う計算です。
目標配分比率
「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」の詳細な目標配分比率は下表の通りです。
対象クラス | 目標比率 | |
---|---|---|
株式 | 日本株式 | 10.0% |
米国株式 | 24.0% | |
欧州株式 | 12.5% | |
日本を除くアジア太平洋株式 | 3.0% | |
新興国株式 | 7.5% | |
債券 | 米国債券 | 10.0% |
米国短期インフレ連動国債 | 10.0% | |
欧州(ユーロ圏)債券 | 10.0% | |
新興国債券 | 3.0% | |
REIT | 米国REIT | 6.5% |
米国以外REIT | 3.5% |
出典:LOSA長期保有型国際分散インデックスファンドの月次レポート(2023年9月)を基に作成
さまざまな資産クラスへの分散投資を目指していることが分かります。
最も割合が高いのは米国株式の24%です。他の投資信託の場合は半分以上が米国株というケースもありますので、投資対象が世界中に分散されていると言ってよいでしょう。
組入銘柄
「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」の組入銘柄を下表に示します。
順位 | 銘柄名 | 比率 |
---|---|---|
1 | バンガード・S&P500・ETF | 24.1% |
2 | バンガードFTSEヨーロッパETF | 12.5% |
3 | バンガード・ショート-ターム・インフレーション-プロテクテッド・セキュリティーズ・インデックス・ファンド | 9.9% |
4 | バンガード・ジャパンストック・インデックスファンド | 9.9% |
5 | バンガード・ユーロガバメントボンド・インデックスファンド | 9.8% |
6 | バンガード・トータルボンドマーケット・ETF | 9.8% |
7 | バンガード・FTSEエマージングマーケッツ・ETF | 7.4% |
8 | バンガード・リアルエステイト・ETF | 6.5% |
9 | バンガード・リアルエステイト(米国を除く)・ETF | 3.5% |
10 | バンガード・エマージングマーケッツガバメントボンド・ETF | 3.0% |
出典:LOSA長期保有型国際分散インデックスファンドの交付目論見書を基に作成(2023年6月時点)
1位は米国のS&P500指数へ投資するVOOです。そして2位はヨーロッパ株へ投資するVGKです。
こう言った優良銘柄へ自分で投資することも可能ですが、為替の問題や投資割合の調整などの手間がかかります。本銘柄なら自動で割合を調整してくれるというメリットがあります。
リターン
「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」のリターンを下表に示します。
なお、比較対象のために人気投資信託である「eMAXIS Slim」シリーズの商品のリターンも一緒に示します。
銘柄 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|
LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド | 17.6% | 4.1% | 22.4% | -3.6% |
国内株式(日経平均) | 20.6% | 18.1% | 6.4% | –2.4% |
先進国株式 | 28.9% | 9.0% | 38.3% | 3.8% |
全世界株式(除く日本) | 27.5% | 9.0% | 34.1% | 2.3% |
全世界株式(オール・カントリー) | 26.8% | 9.0% | 32.7% | 2.1% |
全世界株式(3地域均等型) | 21.6% | 8.7% | 19.3% | -1.6% |
米国株式(S&P500) | 30.5% | 10.3% | 44.5% | 6.0% |
バランス(8資産均等型) | 16.3% | 1.0% | 16.0% | -0.5% |
新興国株式 | 18.4% | 8.8% | 8.7% | -8.5% |
eMAXIS Slimシリーズのリターンと比較すると正直なところぱっとしないリターンです。
債券を含んでいるので株式と比較して大幅な上昇が期待できないことは分かります。しかし、例えば2022年でも約4%のマイナスと多くの株式ファンドに負けています。
一方で、同じくバランスファンドである8資産均等型との比較ではどの年も高いリターンを記録しています。
まとめ
本記事では2023年10月のNISA人気ランキングをご紹介しました。また、楽天証券の10位にランクインした「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」の詳細を解説しました。
「LOSA長期保有型国際分散インデックスファンド」は世界中の株式、債券、REITへ投資ができるバランスファンドです。
一方で、信託報酬は高めでリターンも株式インデックスファンドに負けています。純資産総額も少ないので安定のeMAXIS Slimシリーズの銘柄を複数購入してご希望の投資割合へ調整した方が無難でしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。