フィリピンにはたくさんの財閥があるのはご存じでしょうか?
フィリピン株へ投資する上でフィリピンの「財閥」について理解しておくことは必須です。なぜなら、多くの企業が財閥関連の企業だからです。
本記事では、フィリピンの財閥の中で最も大きい「SMグループ」についてご紹介します。
フィリピンは今後長期間に渡って人口が増加していく国です。長期的に経済成長が見込めますので、投資先の1つに検討してみてはいかがでしょうか。
フィリピンを代表する財閥SMグループ!
フィリピン財閥の代表格なのが「SMグループ」です。
SMグループは中華系フィリピン人のヘンリー・シー氏によって立ち上げられました。ヘンリー・シー氏は中国の出身ですが、12歳の時に家族でフィリピンへ移住しました。
マニラで靴屋を立ち上げたのをきっかけに事業を拡大し、現在では小売業、金融業、不動産業をメインに事業を展開しています。
フィリピンの長者番付トップ!
ヘンリー・シー氏はフィリピンの長者番付で2018年まで11年連続で1位の大富豪でした。
2019年に亡くなりましたが、遺産を相続したシー兄弟が2019年以降ランキングのトップになっています。つまり、フィリピンで最もお金持ちの財閥であると考えてよいでしょう。
フィリピン最大の財閥!
下表にフィリピンを代表する「フィリピン総合指数」の銘柄をご紹介します。赤字の企業が「SMグループ」に属する企業です。
注:2021年2月19日時点の情報を基に作成。
フィリピンで時価総額トップの「SM Investments Corporation」がまさにSMグループの会社です。「SM Investments Corporation」は持株会社で、事業の支配を目的に他社の株式を保有しています。主にグループの事業計画や経営戦略などを行っています。
「SM Investments Corporation」が出資する会社の代表格が、不動産業を営む「SM Prime Holdings」や金融業を営む「BDO Unibank」などです。
SMグループの事業内容
SMグループは様々な事業を展開しておりますが、関連会社についてご紹介していきます。
なお、以下記載する情報は2021年4月現在のものとご理解ください。
不動産業
SM Prime Holdings, Inc.
SM Prime Holdings, Inc.は、不動産開発事業を行う会社です。大型ショッピングモール、ホテル、事務所、複合施設の開発や運営などをしています。
特にショッピングモールの開発では、75のモールをフィリピン国内に展開しています。フィリピンだけでなく中国でも7つを運営しています。主な利益は、ショッピングモールやフードコート内の賃料や映画館などの娯楽収入です。
時価総額は2兆2500億円ほどです。日本の企業で言えば、第一生命ホールディングス(株)と同等レベルの時価総額です。株価はこの10年で3倍~4倍近くまで成長しています。
Belle Corporation
Belle Corporationはカジノリゾートなどを展開する会社です。
「City of Dreams Manila Entertainment Complex」というカジノリゾートや「Tagaytay Highlands 」というマウンテンリゾートを運営しています。
SM Investments Corporationの出資比率は26.4%です。
金融業
BDO Unibank
BDO Unibankはフィリピン最大の銀行です。
フィリピン国内に1,400以上の支店と4,400以上のATMを保有しています。日本で言えば、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などをイメージすればよいでしょう。
株価はこの10年で2倍程度まで上昇しています。時価総額は1兆675億円ほどで、日本の企業で言えば、明治ホールディングスや関西電力と同じくらいの規模です。
CHINA Bank
SMグループは、BDOに加えてCHINA Bankへも出資しています。
CHINA Bankは、規模で言えばフィリピン国内の5~6番手あたりに位置する銀行です。600以上の支店を有し、ATMは1,000以上にも及びます。
SMグループはBDOとCHINA Bankの2つの大手銀行を有しており、金融業で不動の地位を築いています。
小売業
SM Retail, Inc.
SM Retail Inc.は小売事業を営む会社で、デパートやスーパーマーケットなどをフィリピン全土に展開しています。
デパート(THE SM Store)は60店舗以上、スーパーマーケット(SM SupermarketとSM Hypermarket)も100店舗以上です。フィリピンへ住んでいる方はもちろん、旅行に行かれた方も利用されたことがあるのではないでしょうか。
なお、日本のユニクロはSM Retail incと組んで、Fast Retailing Philippines Inc.という合弁会社を設立しています。日本の大手企業のパートナーにもなっている会社です。
その他
Atlas Mining
Atlas Miningは鉱山開発を行う会社で、銅の生産でフィリピントップの企業です。
セブ島にあるToledo銅山を、完全小会社のCarmen Copperという会社を通じて運営しています。
SMインベストメンツの出資比率は34.1%です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では、フィリピン最大の財閥であるSMグループの事業についてご紹介しました。SMグループが様々な事業を展開していることをご理解いただけたのではないかと思います。
フィリピンには他にも様々な財閥があり、上場企業の多くがこれらの財閥に関連する企業です。フィリピン株へ投資するなら必ず抑えておかなければいけないトピックでしょう。
今後の記事では、SMグループ以外の財閥についてもご紹介していきたいと思います。
以上、ご参考になれば幸いです。