世界的な銀行である「HSBC香港」ではどんなファンドが売られているのでしょうか?
本記事では、HSBC香港で毎月公開されている人気ファンドについてご紹介します。今回は2021年4月の人気ファンドの解説です。
なお、2021年3月の人気ファンドは下記記事でご紹介しています。興味のある方はご覧ください。
HSBC香港おすすめ人気ファンド 2021年4月版
HSBC香港のホームページで公開されている2021年4月の人気ファンドを表にまとめました。
赤字で示した3つのファンドが、2021年4月に新しくランクインした人気ファンドです。
2021年4月の人気ファンド
HSBC カテゴリー | ファンド名 |
---|---|
Global Equity | Blackrock Systematic Global Equity High Income Fund |
Global Equity | Fidelity Funds – Global Dividend Fund |
US Fixed Income | AB – American Income Portfolio |
European Fixed Income | AB – European Income Portfolio |
Multi-Asset – Global | Amundi HK – Balanced Fund |
Multi-Asset – US | HSBC GIF- US INCOME FOCUSED |
Multi-Asset – Global | JPMorgan Multi Income |
Multi-Asset – Asia | HSBC COLLECTIVE INVESTMENT TRUST-HSBC CHINA MULTI-ASSET INCOME |
Multi-Asset – Asia | Schroder Asian Asset Income Fund |
Multi-Asset – Asia | HSBC GIF – MANAGED SOLUTION-ASIA FOCUSED INCOME |
出典:HSBC香港HPより作成
2021年4月も2021年3月と同様にマルチアセット(債券と株式の両方が投資対象)の商品が最も多い結果になりました。
新規にランクインしたファンドはヨーロッパを投資対象にするもの、全世界の株式へ投資するものなど、今までとは系統の違う商品がランクインしてきました。
人気ファンドのご紹介
今月は、新規にランクインした下記3つの人気ファンドについてご紹介します。
今回ご紹介するファンド
- Fidelity Funds – Global Dividend Fund
- AB – European Income Portfolio
- HSBC GIF- US INCOME FOCUSED
Fidelity Funds – Global Dividend Fund
世界中の株式を投資対象にするファンドです。
投資先の上位は生活必需品を販売するイギリスのユニリーバ、アメリカのP&G、IT系の銘柄であるアメリカのシスコシステムズ、台湾のTSMCなどです。
ただし、2021年3月末時点で、銘柄数は45銘柄と少なめです。ある程度集中投資になる点は注意が必要でしょう。
また、購入手数料は3%、ファンドマネージャーへ支払う手数料(Management fee)は1.5%です。
地域別の投資割合
各国の投資割合をまとめた表を示します。投資先トップはやはりアメリカです。
このファンドの特徴はヨーロッパへの投資割合が高いことです。2〜6位、8位がヨーロッパになっており、ヨーロッパ全体の投資割合がアメリカへの投資割合を超えています。
No. | 国 | 割合 |
---|---|---|
1 | アメリカ | 32.9% |
2 | イギリス | 12.8% |
3 | スイス | 8.5% |
4 | ドイツ | 8.0% |
5 | フランス | 7.3% |
6 | スペイン | 5.1% |
7 | 日本 | 4.4% |
8 | オランダ | 4.4% |
9 | 台湾 | 3.4% |
10 | 韓国 | 3.2% |
注:2021年3月末時点のデータ
投資セクター
次に、投資セクター別の割合を示します。金融や情報技術が上位に入っており、他の商品と大きな違いはありません。
No. | セクター | 割合 |
---|---|---|
1 | 金融 | 22.4% |
2 | 情報技術 | 16.3% |
3 | 資本財 | 15.5% |
4 | 生活必需品 | 14.0% |
5 | ヘルスケア | 12.6% |
6 | 公共事業 | 9.6% |
7 | 通信サービス | 3.5% |
8 | 素材 | 3.2% |
9 | 一般消費財 | 1.7% |
注:2021年3月末時点のデータ
リターン
5年リターンの平均は9.73%/年とかなりよいリターンを記録しています。
暴落時の影響
2020年のコロナショックでは、約30%基準価額が下落しました。債券を含むファンドに比べて、株式100%のファンドは大きく下落する傾向にあります。
ただし、株価はすでに回復しており、2021年4月末時点で暴落前の水準を超えています。
AB – European Income Portfolio
AB – European Income Portfolioは、その名の通りヨーロッパを中心に投資するファンドです。ただし、中東やアメリカも投資先に入っています。
基本的な投資対象は債券で、国債が約3割、社債が約7割です。ドイツ、イタリア、フランスなどの国債の投資割合が高くなっています。
先進国が投資対象ということもあり、配当利回りは3.28%とそこまで高くありません。
また、購入手数料は2%、ファンドマネージャーへ支払う手数料(Management fee)は1.1%です。
地域別の投資割合
地域別の投資割合は下表の通りです。ヨーロッパと言いながらも、投資先のトップはアメリカです。
No. | 国 | 割合 |
---|---|---|
1 | アメリカ | 18.43% |
2 | フランス | 13.17% |
3 | イタリア | 12.60% |
4 | スペイン | 11.40% |
5 | ドイツ | 11.37% |
注:2021年3月末時点のデータを基に作成
リターン
3年リターンが2.68%、5年リターンが2.79%と、リターンは低めです。先にご紹介した「Fidelity Funds – Global Dividend Fund」は10%近いリターンでしたから、その差は一目瞭然です。
暴落時の影響
2020年3月のコロナショックでは、約15%基準価額が下落しました。投資対象が債券であるため、株式ファンドよりは下落が抑えられています。
なお、現在の基準価額は、下落前の水準まで回復しています。
HSBC GIF- US INCOME FOCUSED
本ファンドは主に米国の債券と株式へ投資するファンドです。設定は2020年1月で、まだできたばかりのファンドです。
2021年5月末時点で、株式を約250銘柄、債券を約170銘柄保有しています。株式ではApple、Amazon、Microsoftなどの大企業が上位銘柄に入っています。
また、配当利回りはそれなりに高く約4.3%です。
なお、購入手数料は3%、ファンドマネージャーへ支払う手数料(Management fee)は1.25%です。
投資セクター(株式)
株式の投資セクター別の割合を示します。このファンドの特徴は不動産が約10%と割合が高いことです。
No. | セクター | 割合 |
---|---|---|
1 | 情報技術 | 11.87% |
2 | 不動産 | 9.62% |
3 | 金融 | 6.80% |
4 | 一般消費財 | 6.55% |
5 | ヘルスケア | 6.10% |
6 | 通信サービス | 4.94% |
7 | 資本財 | 4.88% |
8 | 生活必需品 | 4.50% |
9 | 素材 | 2.96% |
10 | エネルギー | 3.41% |
11 | 公共事業 | 1.97% |
注:2021年3月末時点のデータ
債券格付の割合
次に、債券の格付け別の投資割合を示します。BB以下の格付けの債券への投資が、25%程度と高いのが特徴です。
BBB以上が投資適格と言われていますから、かなりリスクを取っていることが分かります。
債券格付 | 割合 |
---|---|
AAA | 6.62% |
AA | 0.00% |
A | 0.85% |
BBB | 4.12% |
BB | 9.23% |
B | 11.23% |
CCC | 4.59% |
注:2021年3月末時点のデータ
リターン
設定から間もないため、3年リターンや5年リターンを確認することはできません。
暴落時の影響
2020年3月のコロナショックの際に、約28%程度基準価額が下落しました。
債券が一定割合組み込まれていますが、格付けが低い銘柄が多いこともあり、株式ファンド並みに下落しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
2021年4月の人気ファンドには新しいファンドが3つ入ってきました。
「Fidelity Funds – Global Dividend Fund」は全世界へ投資するファンドですが、欧州の割合が高くなっています。また、「HSBC GIF- US INCOME FOCUSED」は投資不適格債券への投資割合が高いのが特徴です。
上記のように、各商品にはそれぞれ特徴があります。しっかりと中身を理解してから投資するか否か判断する必要があるでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。