投資・資産形成

米国集中投資は危険?米国以外を投資対象とする高配当ETFを探せ!

高配当株投資をされている多くの方は、米国株や日本株を中心に投資をされているのではないでしょうか。

ここ最近は米国の一人勝ち状態が続いておりましたので、特に米国高配当ETFであるHDV、VYM、SPYDといった商品が人気でした。

一方で、「米国への集中投資だけで本当に大丈夫でしょうか?」

今後も米国が世界平均以上の投資リターンを出し続けるかは誰にも分かりません。皆さんのポートフォリオをより強固なものにするためには、アメリカ以外の高配当株も所有しておくのも一つの手ではないでしょうか。

本日はそんな悩みを解決してくれる2つのETFについてご紹介したいと思います。

IDV」と「VYMI」というETFです。

米国以外の高配当株へ投資するETF


米国以外へも幅広く高配当株を投資できれば、米国経済の調子が落ちた場合でも安定的に配当金を受領できます。

色々調べたところ、IDVとVYMIという2つのETFにたどり着きました。以下ではこれら2つのETFの概要をご紹介していきたいと思います。

IDV (iShares International Select Dividend ETF)

IDVの特徴

  • 5%を超える高い配当利回りが魅力
  • 投資対象は米国を除く先進国市場
  • 投資銘柄数は90銘柄程度と少なめ
  • 金融と公共事業の比率が高い

IDVはアメリカを除く先進国の高配当株へ投資するETFです。

iシェアーズは、バンガードとステートストリートと並んで世界の三大資産運用会社で、米国高配当ETFで有名なHDVもiシェアーズが提供するETFです。

IDVは2007年に運用を開始しており、それなりに長い運用実績があります。10年のリターンは2.87%/年と米国株と比べると見劣りします。

経費率は0.49%/年です。米国を対象とする高配当ETFは0.1%/年を切るレベルですからかなり高めです。

なお、コロナショック後の状況ではありますが、2020年9月末時点で5.24%とかなり高い配当利回りであることも魅力です。

投資銘柄

2020年9月末時点で93銘柄と銘柄数は多くありません。

下表に上位10社の投資先を示しますが、上位10社で33.76%と高い比率を占めています。セクター別にみると金融が約30%、公共事業が約20%と高い比率になっています。

順位 銘柄 割合
1 RIO TINTO PLC イギリス 9.05%
2 BRITISH AMERICAN TOBACCO PLC イギリス 4.75%
3 COMMONWEALTH BANK OF AUSTRALIA オーストラリア 3.33%
4 HANG SENG BANK LTD 香港 2.66%
5 SWISSCOM AG スイス 2.65%
6 NATURGY ENERGY SA スペイン 2.51%
7 SSE PLC イギリス 2.29%
8 ACS ACTIVIDADES DE CONSTRUCCION Y スペイン 2.22%
9 TOTAL フランス 2.15%
10 CK HUTCHISON HOLDINGS LTD 香港 2.15%

出典:iシェアーズHPより作成

上位10社は、アメリカと日本以外の企業であるため馴染みがないかもしれません。

1位のRio Tintoは鉱業・資源関連の会社です。2位のBritish American Tobaccoはその名の通りタバコの会社で高配当株として有名な企業です。

投資対象国

次に国別の投資割合の表を示します。

イギリスが1/4程度を占めています。2位以下の香港、スペイン、カナダを加えれば、4カ国で50%以上を占めることになります。

また、日本も3.34%入っていることも抑えておきたいポイントです。

順位 割合(%)
1 イギリス 24.51
2 香港 10.71
3 スペイン 10.52
4 カナダ 7.73
5 イタリア 7.66
6 オーストラリア 7.32
7 フィンランド 5.11
8 スイス 4.59
9 日本 3.34
10 フランス 3.04

    出典:iシェアーズHPより作成

VYMI (Vanguard International High Dividend Yield ETF)

VYMIの特徴

  • 2016年に設定された新しいETF
  • 新興国も含む世界全体へ分散投資
  • 日本への投資割合が高い
  • 銘柄数の分散が大きい(1200銘柄)

VYMIはアメリカを除く世界中の高配当株へ投資するETFです。投資対象には新興国市場も含みます。

IDVのiシェアーズと同様に世界でも有数の資産運用会社であるバンガードの商品です。米国高配当ETFで有名なVYMもこのバンガードが提供しています。

VYMでアメリカの高配当株へ、VYMIでアメリカ以外の高配当株へ投資すれば、世界中の高配当株へ投資が可能です。

投資対象が広いにもかかわらず、経費率は0.27%とIDVよりもかなり安いのも魅力的です。

2016年に運用を開始したETFでまだ設定から日が浅いのですが、年間のリターンは4.61%/年を出しています。2020年10月末時点で4%を超える配当利回りです。

投資銘柄

本ETFは銘柄が約1,200と非常に分散の効いたETFです(2020年9月時点)。

セクター別でみると、消費財の割合が20%近くで最も高く、次にテクノロジーが17%程度と続きます。

個別銘柄の上位10銘柄を下表に示します。銘柄数が多いこともあり、TOP10の企業が占める割合は17%とIDVと比較して小さいです。

順位 銘柄 割合
1 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. 台湾 4.10%
2 Novartis AG スイス 2.10%
3 Toyota Motor Corp. 日本 1.90%
4 Unilever イギリス 1.80%
5 BHP Group Ltd. オーストラリア 1.40%
6 Sanofi フランス 1.30%
7 Royal Bank of Canada カナダ 1.10%
8 Siemens AG ドイツ 1.10%
9 Royal Dutch Shell plc オランダ 1.10%
10 GlaxoSmithKline plc イギリス 1.10%

出典:バンガードHPより作成

1位には台湾の半導体メーカーがランクインしています。2位はスイスの製薬・バイオテクノロジー企業です。なお、3位には日本のトヨタ自動車がランクインしています。

投資対象国

次に投資対象国を確認してみましょう。

まず目に入るのが日本への投資割合が最も大きいということです。また、新興国の割合が全体で27%とそれなりに入っていることも理解しておきましょう。

順位 割合(%)
1 日本 13.4
2 イギリス 9.7
3 カナダ 7.8
4 台湾 7.8
5 中国 7.7
6 オーストラリア 6.7
7 ドイツ 6.5
8 スイス 5.4
9 フランス 4.9
10 香港 2.4

     出典:バンガードHPより作成

どちらがおすすめのETFか?

それでは2つのETFへのどちらに投資するのがよいでしょうか?

下表にIDVとVYMIの特徴を簡単に整理します。

IDV VYMI
投資対象 先進国(除く米国) 全世界(除く米国)
投資銘柄数 93銘柄 1,210銘柄
経費率 0.49% 0.27%

注:2020年9月時点

どちらも米国以外の高配当株へ幅広く分散できる数少ないETFではありますが、分散の面から考えるとVYMIがよいのではないでしょうか。

そもそものモチベーションが米国以外へ幅広く分散することであれば、新興国も含むVYMIと米国高配当ETFの2つを保有すれば、世界中の高配当株へ分散投資が可能になります。

IDVの場合は銘柄数が100銘柄と世界中が投資先にしては少なく、また経費率が高いことがマイナスです。

ただし、VYMIは日本への投資比率が高いため、日本の高配当株を保有されている方は検討が必要です。日本の高配当株を保有した状態でVYMIを保有すると、全体として日本への投資比率が著しく高くなる可能性があるからです。

場合によっては、投資対象国を調整するために2つのETFを一定割合ずつ購入するという選択肢もあるのかもしれません。

日本の証券会社では購入できない?


ここまで2つのETFの魅力を紹介してきましたが、実はこれらのETFはほとんどの日本の証券会社で購入することができません

2020年11月時点では、最近日本に上陸した「サクソバンク証券」で、VYMIを購入することができるようです。あるいは海外の証券会社に口座開設をして購入する方法もあります。

しかし、このETFだけのために口座を開設したくはありません。日本の証券会社でも早く取り扱ってほしいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本日はIDVとVYMIという米国以外の高配当株を投資対象とするETFをご紹介しました。

リーマンショック以降、米国経済のリターンは素晴らしいものでしたが、今後この勢いが維持されるかどうかは誰にもわかりません。

米国以外の高配当株も保有できれば、より安定的なキャッシュフローが期待できるはずです。今回ご紹介したIDVやVYMIへの投資も検討されてみてはいかがでしょうか。

一方で、現時点ではほとんどの証券会社でこれらのETFを取り扱っていません。一定以上の資産を保有されている方は、外国の証券会社への口座開設も含めて検討してみてはいかがでしょうか。

以上ご参考になれば幸いです。

 

【参考記事】

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