「配当金生活なんて夢のまた夢、貧乏人には関係ない」
このようにお考えではないでしょうか?
実はそんなことはありません。配当金生活は決してお金持ちのものだけではないのです。
もちろん、配当金生活を実現するためには相当な努力が必要ですし簡単ではありません。
しかし、仮に配当金で生活費の全てを賄うことができなかったとしても、生活費の一部に限定すれば誰でも可能でしょう。
本記事では低資産(貧乏)でも配当金生活が実現できるかどうか解説していきます。
配当金生活とは?
配当金生活は株などから受け取る配当金で生活費を賄う生活スタイルを言います。
配当金生活には以下のようなメリットがあります。
- 無理に嫌な仕事を続ける必要がない
- ライフステージに応じた人生の選択が可能
- 時間の自由を確保できる
- 住む場所が自由になる
配当金で生計が立てられるわけですから、仕事が嫌であれば無理に働き続ける必要はありません。
また、配当金という収入があることで、子育てのために仕事をセーブするステージ、新しいことを勉強するために時間を費やすステージなど、その時期に応じた働き方や生き方を選択することができます。
さらには会社への出社の必要がなくなるので、住む場所を比較的自由に選ぶことができます。
このように、配当金生活ができる環境を構築できれば、多くの自由を得ることができます。
配当金生活にはお金が必要?
一方で、配当金生活にもデメリットがあります。
その1つが配当金を得るためには相当な資金が必要な点です。
例えば、3%の配当利回りの銘柄へ投資した場合を考えてみましょう。
この場合、1億円の投資をしてもたった300万円しか配当を受け取ることはできません。
1億円 x 3%=300万円
月換算にすると25万円です。しかもここから税金が引かれます。
1億円もの大金を投資したとしても300万円の資産所得しか得られないのです。
これでは日本人の平均給与(460万円程度)を大幅に下回ってしまいます。
配当金生活はお金持ちだけのものではない!
このように一見すると配当金生活のハードルは高いように思えます。
しかし、実は配当金がそこまで多くなくても生活できる可能性があります。
つまり、低資産、貧乏での配当金生活です。
ものは考えようで月数万円だけ稼いで、残りを配当金で生活するようなスタイルも考えられます。
また、以下でご説明する通り、仮に受け取る配当金が少なかったとしても、最低限の生活ができる可能性があります。
生活コストは意外とかからない
日本でもインフレ時代の到来と言われており、生活は年々苦しくなるばかりです。
しかし、昔と比較して生活環境は豊かになっていますし、以前と比較して安くなったものもあります。うまく生活すればお金をあまり使わずに生きていくことができます。
例えば、その代表例がスマホ代などです。
格安SIMなどに切り替えれば数十GB/月のデータ通信を利用しても月数千円しかかかりません。
楽天モバイルであれば月3,000円程度でデータ使いたい放題です。
インターネットへの接続があれば様々な情報へアクセスできます。
YOUTUBEなどを活用して勉強代や娯楽代を抑えることもできるでしょう。
昔はテレビなどの家電は一家に一台が当たり前でした。しかし、インターネットの存在によって今やそのような家電の購入は不要になりました。
このようにお金を浪費せずとも生活できる環境が整ってきています。
住む場所を選べる
多くの方にとって家計で最も大きな支出は住居費です。
しかし、この住居費も大幅に抑えることができます。なぜなら、都会に住む必要がなくなるからです。
配当金生活であれば住む場所を自由に選べるので地方への移住も一つの手です。
ど田舎へ移住すると車が必要になるなど逆に生活コストが上がる可能性があります。
一方で、政令指定都市レベルの地方都市であれば、賃貸物件もそれなりに選択肢がありますし、車なしで生活できるエリアがあります。
日本は人口がどんどん減っており、東京などの一部エリアを除けば家賃は高くありません。
また、特に地方では空き家が問題になっています。そのため、探せば低コストで住む場所を見つけることが可能です。
新NISAがスタートした
2024年からNISA(少額投資非課税制度)が大幅に拡充されたことも配当金生活を後押しします。
NISAは投資にかかる税金が非課税になる税制優遇制度です。
NISAには成長投資枠とつみたて投資枠の2つがありますが、このうち成長投資枠では1,200万円の非課税投資枠があります。
この成長投資枠であれば個別株やETFなど配当を出す銘柄への投資が可能です。
NISAを活用することで税金を納めずに配当金を受け取ることが可能です。
各種税金を最低限に抑えることができる
また、配当金生活なら税金を安く抑えることも可能です。
会社などにお勤めの方であれば所得税や住民税、そして何より健康保険や厚生年金などの社会保険料の高さに驚かれるでしょう。
年収〇〇万円と言っても、実際に自由に生活に使えるお金(可処分所得)はかなり低いのです。
一方で、配当金は分離課税を選択できるため、所得税と住民税合わせて約20%の税金を払うだけで完結します。
その他の所得がなければ、所得はゼロとみなされるので住民税や国民健康保険などは減額や免除できる可能性があります。
加えて、配当金の額が少ない方は総合課税で申告することで48万円の基礎控除を配当所得に当てることも可能です。
その結果、通常発生する約20%の税金の大部分について還付を受けれるかもしれません。
このように配当金生活は税金や社会保険料の支払いを最小限に抑えることができますので、会社員と比較して収入自体が下がったとしても一概に生活が苦しいとは言えないのです。
増配があるのでインフレにも強い!
配当金生活で一番怖いのは配当が減ってしまうこと、つまり減配です。
当然ながら景気が良い年もあれば悪い年もあります。
景気が悪い時期に大幅な減配があれば、配当金生活が送れなくなってしまいます。
しかし、配当金はその点もあまり心配する必要はありません。
なぜなら、配当金は減配しにくいという特徴があるからです。
銘柄の選定さえ間違えなければ、基本的に配当金は増加傾向にあります。
例えば、VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)やVIG(バンガード・米国増配株式ETF)のような銘柄では10年程度も連続で増配されています。
これら銘柄の増配率は6%/年以上と米国のインフレ率を凌ぎます。つまり、増配によって生活は年々楽になっていきます。
一般的なインデックスファンドも同じです。米国の株式へ幅広く投資するVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケット)も配当金はどんどん増配されています。
つまり、極端に配当利回りが高い銘柄などを避ければ配当金は年々増えていく可能性が高いのです。
したがって、最低限の生活費を配当金で賄えるようになったら配当金生活を実行するのもありです。
最初は少し大変かもしれませんが、配当金生活を送るうちにどんどん生活が楽になっていくはずです。
貧乏配当金生活の目指し方
それでは配当金生活はどのように目指せばよいのでしょうか?
よく言われることですが、少額から投資を始めることが重要です。
例えば、月2万円の投資だとしても25年続ければ年率5%のリターンで1,200万円程度まで増やすことができます。
これを3%の配当利回りの高配当株へ投資すれば年間36万円(月3万円)の配当金を手に入れられます。
しかも、投資元本は600万円でNISAの成長投資枠の半分しか使っていません。
また、銘柄選びでは先ほどご紹介したVYMやVIGなどの銘柄が配当金生活の実現の強い味方になるでしょう。
最初は配当金がなかなか増えず大変に感じるかもしれません。
しかし、著者の場合も月数万円の配当金が手に入るだけでもマインドに大きな変化がありました。
会社以外からの収入を得るというのはそれだけ大きいのです。自分のできる範囲でよいから投資にお金を回していくことが重要です。
まとめ
本記事では低資産でも配当金生活ができる可能性について解説しました。
それほどお金がなくても配当金生活を目指すことは十分可能です。
もちろん、節約や収入アップなど努力は必要ですし、長期間投資をする必要があります。
しかし、人生100年時代で生活スタイルは多様化されており、人生において様々なステージが存在します。
少額でもよいので配当金という収入を作っておくことは人生を生き抜く上で大きなメリットになるはずです。
以上、ご参考になれば幸いです。